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牧口常三郎 / 熊谷一乗著

(2017-09-21 Soka Book Waveより)

私が本書を読んで印象的だった点は、人々の生死は「地」とともにあるとして、牧口が「人生地理学」の研究に努めたことである。

牧口は、我々が世界を公平に理解し、自分の位置を正確に把握するためにはまず郷土を観察しなければならないとして郷土研究を行った。

人間が郷土や景観に対して懐古したり、宇宙の神秘を感じて道徳心が引き出されたりすることを、牧口は“「地」と交渉する”というような表現をしている。

また彼は、壮大な環境で生きる人間が、心の中で様々な感情から畏敬の念を抱くとき、宗教心を開くという。そして彼は人生に重点を置き、万人の生活に直結する「法」を説いて、信仰の道を選んだ。

中国の天台大師が説いた従来の観念的な宗教とは違い、牧口の思想と実践が一本筋になっている事が読んでわかるだろう。人間は結局自分らしくしか生きられないのだと思った。

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