女性だけわざわざ(女)と書く発想とは?
追悼で、ウェブサイトが「白黒」に
今、中国の公的機関や新華社などのウェブサイトを開くと、どれも同じ「白黒の世界」が広がっている。昨日死去した江沢民元国家主席への追悼の意味らしい。
サッカーワールドカップの記事の写真も白黒に。
ずっと同じ画面で「偉業」を讃えるTV
昨日、死去のニュースを伝えるCCTVの夜のメインニュース「新聞聯播(xinwen lianbo=シンウェンリエンボー)」。ひたすら同じ画面で何分間も「偉業」を伝えていた。
江沢民氏と言えば、さまざまな評判がある。現地では、広く知られてはいるが、口にできない話など、何かとエピソードも多かった。
しかしこの記事では彼についての話はしない。
名簿読み上げで、ある「違和感」が
江沢民死去のニュースを見ていて、多分誰も注目しない、そして、ニュースの本質とは関係ない、まあ、どうでもいいっちゃあどうでもいい、ちょっと変わった点に引っかかって「違和感」を覚えた話を、少し書こうと思う。
それは、習近平をトップとした葬儀委員会の名簿が発表され、何分〔何十分?)間にもわたってひたすら名簿の名前が一人一人読み上げられていた時・・・
女性だけ(女)がついた名簿
あれ?
たまーに、名前の後に(女)と書かれてるぞ「孫春蘭(女)」などと。
そして、アナウンサーもそのまま、名前を読んだ後に、「nǚ=ニュイ=女」と発音している。
「○○(=名前)、○○、○○オンナ、○○、○○、○○、○○、○○オンナ、、、」という具合だ。
なんか、変だ。
なぜ女にだけ(女)をつけるのだろうか。
また、名簿の人物は皆地位のある人たちだが、女性は極端に少ないこともわかる。
多分、私の抱いた違和感は、中国社会(or 為政者たち?)の根底にある価値観や発想の一面に触れたために生まれたものだと思った。
また、話は少し脱線するが、中国のジェンダー認識に関して思い出したことが。
何年か前、中国で性的少数者がイベントを開いて声を上げ始めていることを知った。これまではあり得なかった動き。取材しようとしたが、社会的にはまだまだ全然認められないどころか、身の危険すらも感じるとの理由で強く断られたのを思い出した。
しかし、こう書いてきて、はっと気がつくことが。うちの国はどうだろうか、と。
いまだに、「女性初の○○」が注目されるし、政治の世界の女性の数もどうだろう。女性閣僚の数がニュースになるってどういうことだろう。
また、選択的夫婦別姓もいまだに反対が強い。ちなみに中国では母方などの家族の呼び方には「外」の字がつくが、日本でも「内孫・外孫」と言ったりもする。私は子供の頃この言葉が使われない環境で育ったが、初めてこの言葉を知った時は驚き、戸惑ったのを覚えている。「同じ孫に内と外があるのか。なぜ?外って何?」と。
なんか、あまりとやかく言うものではないかもしれない。家父長制こそが守るべき伝統だと信じる人もいるだろうし、正解不正解は人によって、国によって違うだろう。
でも、今回の、テレビでのこの名簿読み上げ
「○○○(女)」は、やっぱり変だなあ。
「オンナ〔ニュイ)」とわざわざ読むのも違和感しかない。
中国政治の行方を考える前に、変なところに引っかかってしまった。
でも、こういう小さいところから、いろんなことの本質が見えてきそうな気がしたのだった。
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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
AJ(男)←変やし。😀
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