「ジャングル・ブック」ラドヤード・キプリング(金原瑞人監訳・井上里翻訳)
最近のめり込んだ本の読書記録。
図書館でなんとなく見つけて借りた「ジャングル・ブック」という本。
色んな翻訳がされていて結構有名みたいだけど、ちゃんと知らなかった。
物語の雰囲気には既視感があった。
私が過去に読んだ「失われた名前 サルとともに生きた少女の真実の物語」(こちらは実話が基になっている)という本もジャングルで育った人間の物語だからか。
こういう系の本に私は弱い。一度読み始めるとのめり込んでしまう。
胸が熱くなる。と同時に救われるような気分というか、日々檻の中にいるような感覚から解放してくれる。
動物が沢山出てくる本だからだと思う。あと、人間をどこか俯瞰してくれるからだと思う。そういう物語が隣にいてくれると、安心できる。
これも人間が作った架空の物語だと思うと、子供の頃だったら少し悲しくなっていたんだけど、今はそんなことはない。こういう物語を書ける人がいるのすごいって純粋に思える。
この本は、自分が人間であること以前に動物であることを思い出させてもくれる。
そして何より、オオカミに育てられた主人公モーグリが、ジャングルの掟を動物たちから教わり、知恵と力をつけて逞しく成長していく姿はエネルギーに満ちあふれている。元気を貰える。
ジャングルの力強さ、激しさ。厳しさ。
私がもしジャングルにでも入ったら数日も生きられないのかなと思う。
オオカミと友達になればもっと生きられるかもしれない。
自然が友達なんていいなぁ。羨ましく思う。
自分に身体的な強さと自然で生き抜く知恵があったならば、森に飛び込んで生きたい、人間社会逃げたいなんて思うことは度々あるけど、私には森に飛び込む勇気も力も当然ないから。
でも、動物や植物とお友達になれたらいいな。
人間以外の動物の言葉を話せたら素敵だな。とはやっぱり思う。
ぐぐ。なんか苦しい。何故私は人間なのだ。
ジャングルも人間社会も根本は似ているんだろうけどね。
人間も動物なんだけどね。
私は何にそんなに胸やけがしてしまうんだろう。
「人間」ばかりいる空間がずっと続いてるって純粋に怖いし気持ち悪いなって。侵略者にしか見えないじゃん。すごいことではあるんだけど・・・。
都会のビル群とか人混みを見ると、これが一動物が作り上げた空間だという事実に恐怖が走るんだ。
小動物や虫や植物は人間の生活空間にも潜んでいるし、他の動物も少し離れたところにはいるんだけどさ。
怖い。人間って、色々と。本当に色々と。
ああ、またこれに陥ってしまった。
本の感想から派生してよく分からないところにいる。
この思考に長時間陥ると結構病むので一旦落ち着こう。
人間にも良いところは沢山あるんだよ。だって人間も自然の一部だもの。
あったかい動物、あったかい人間でありたいね。
そうそう、この本の最後、ジャングルの主のようにまで成長したモーグリは、結局人間として生きる道を選ぶのだけど、なんだか切ないような苦しいような。でもちゃんとジャングルの仲間が応援して見守ってくれてる感じが良かった。
モーグリと恋に落ちて、オオカミに守られる人間の少女がなんだか羨ましくなったよ。
私も優しいオオカミのお母さんの胸に埋まりたいなぁ。
母性溢れる人間以外の動物の愛に恵まれたい。
という昔からの願望。とりあえずぬいぐるみに埋まろうかな。
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