あの日から学ぶ:2016年熊本地震その3【複合災害】
ここ最近、「あの日から学ぶ」というシリーズで熊本地震についてお伝えしています。
今回のテーマは「複合災害」。複合災害って、ここ10年くらいよく聞くキーワードになってきたかと思います。
「地震」だけでも、十分に大変な状況になり得ますが、場合によっては「地震」+○○でさらに大変になることもあります。
正直「もういや!」と現実から目を背けたくなります。
実際、これまでにも発生しています。
「そういうことがある」と知ることが大切。
そうすれば、「もしかして……!?」と思いつくこともあります。
(注意書き)記事をご覧になった方の中には、かつて、震災や災害でつらい思いをされた方もいらっしゃるかもしれません。読む気になれないな……って方、読めるようになったら改めてご覧ください。
前回の記事はこちらから↓
複合災害とは
複合災害は、明確な定義というのは定められていないようですが、「2つ以上の 複数の災害が同時に起こることや、 まだ1つ目の災害から十分に元に戻っていない状態で災害が続けて起こること」とされています。
ここ10年の大地震の場合、例えば
東日本大震災
「地震」「津波」「原発」
北海道胆振東部地震
「地震」「広域停電」「同時多発土砂災害」
といったものが挙げられます。
もし、万が一、今地震が発生したとしたら、新型コロナウイルスが蔓延している中で「地震」という状態になってしまいます……。
熊本地震における複合災害
名古屋大学の福和教授によると、熊本地震では、「地震(大規模な土砂災害を含む)」「豪雨災害」「阿蘇山の噴火」の複合災害とも言える状況であったとされています。
出典:2021年4月12日付のYahoo!ニュース「熊本地震から5年、南海トラフ地震を彷彿とさせる地震の連動・豪雨・噴火の複合災害」
熊本地震の被害について調べていたとき、あじさい自身も太字の記載を見つけました。熊本地震の傷がまだ癒えない地震発生の約2か月後、熊本では豪雨に見舞われていました。
【熊本県からの報告】(平成 31 年 4 月 12 日 16:30 現在)
・警察が検視により確認している死者数 50名
・市町村において災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき災害が原因で死亡したものと認められたもの 215名
・6 月 19 日から 6 月 25 日に発生した豪雨による被害のうち熊本地震との関連が認められた死者数 5名
出典:内閣府より
さらに、地震発生から約半年後の10月8日に阿蘇山で爆発的噴火(マグマ水蒸気噴火の可能性が高いとされています)が観測されました。1980年以来、実に36年ぶりに発生しました。
出典:気象庁 福岡管区気象台地域火山監視・警報センター「平成 28 年(2016 年)の阿蘇山の火山活動」
ここから学ぶこと
1.「地震+○○」というのが、起こり得る
例えば、「地震」+「豪雨」の場合を考えてみます。
地震の大きな揺れで、山や斜面には大きな力が加わり土砂が崩れやすくなります。
崩れやすくなっている斜面に、雨が降ることでさらに力が加わってしまい、山や斜面の土砂が崩れてしまう可能性が高くなります。
なので、地震発生後に、雨が降るとき「近くにある山は大丈夫!?」と疑えることって大切だと思います。
ニュースを見ていると、地震発生後に雨が降るときは「土砂災害に注意してください」というアナウンスが入ることもありますね。
2.今は、コロナ対策+「災害」の備えをしておく
昨年の7月、日本全国で新型コロナウイルスによる感染症が蔓延している中、「令和2年7月豪雨」が発生し、熊本県の球磨川の広範囲において洪水が発生しました。
このとき、大きな問題となったのが、「避難場所で密になってしまう」ということでした。ただでさえ、衛生状態が悪化しかねない状況で、避難所には人がたくさん集まってしまいます。そうなると、クラスター感染が発生する可能性が高まります。
一番いいのは、避難所に避難しない状況で済むようにすること。あとは、消毒液やマスク、体温計や除菌シートを備えておくことが大切です。避難所へ避難が必要な場合でも、衛生グッズは必ず備えておきたいところです。
新型コロナと災害避難については、NHKのWEBサイトに分かりやすく書かれています。今は、行政も万が一に備えてあれこれ検討しています。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
トップ写真は、2013年に訪れた阿蘇山です。
「あの日から学ぶ」は次回で一区切りです。
あじさい
新型コロナウイルスという単語を使わずに「感染症」と書いていたのですがnoteを更新したら、冒頭に新型コロナウイルスに関する注意書きが出ていました……。今回は新型コロナウイルスを明記しました。
〇地震による土砂災害の過去記事、よろしければこちらから。
〇避難の過去記事、よろしければこちらから。