がくぶちと冬瓜スープ。
昼過ぎに電話がなった。相手は額縁屋さん。
『ご注文いただいていた額縁、出来上がってます』
先週の土曜日、
以前もらったポストカードを額縁に入れようと訪れた
美術館の二軒となりにある額縁屋さん。
ポストカードを額に入れたいんですけど。
相談すると、今度入れたい物を持ってきてください。そう言われ、
翌日ポストカードを持って足を運んだ。
では二階へどうぞ。
私より年上で、
でもお姉さん。というのがふさわしい感じの優しめな店員さん。
昨日は案内されなかった階段を案内され、二階へ上がった。
世の中にはこんなに額縁があるのか。
というほどではなかったけれど、フロアいっぱいに広がる
額縁の世界にちょっと驚いたのだった。
『こんなのはどうですか』
提案された3種類の額縁。その中で私は真っ赤で細い縁の物を選んだ。
自宅の白い壁にも映えそう。
『作品預けていただければ入れときますよ』
お願いして店を出た。。。
そして1週間が経ち、今日。
仕事帰りに額縁を受けとってスーパーに。
野菜売り場に今年初めて冬瓜が売られているのに気付いた。
冬瓜スープ。久しく食べてないな。
そう思い、重たい冬瓜を手にとった。
鶏もも肉とエリンギも。
家に帰り、濃いめの出汁をとる。
いつもの倍は濃い和風のいちばん出汁。鰹節の香りが私を包む。
冬瓜を輪切りにして皮を剥き、8等分に切ってわたをとる。
エリンギも鶏肉も同じ大きさに。
鍋にすべてを入れ、醤油。日本酒。塩。あと、お砂糖。
強めの中火でボコボコ。沸騰してからさらに10分。
熱くても、冷たくしても美味しい冬瓜のスープ。
冬は字だけの夏の味。
ごくごく飲んで、額縁を飾る。
玄関にある人が通ると付く電気の真下。
センサーライトがスポットライトに変わった。
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