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タイで虎をモフりながら、動物虐待を考えた日。

GWにタイのパタヤに行って来ました。
コロナで長いこと海外に行けませんでしたが、
だいぶ緩和された事もあり、タイに私用で行く家族に同行しました。久しぶりの海外、珍しい物を見たり色んな経験が出来るとテンションが上がりました。

気温40℃の時期に行ってしまった

バンコク空港から出た瞬間、異常な暑さに驚きました。5月はタイの夏季で一番暑く、毎日40℃近い猛暑。ちゃんと調べておくんだった。。。しかも今回東南アジアは記録的な猛暑で、タイでは鉄道のレールが歪むほど。ドラえもんで雨乞いをしてたそうな。

もう、暑いなんてレベルではありませんでした。
日陰のない所を歩くと、全身をバーナーで炙られる感じ。数分でクラクラし、頭はぼーっとして生命の危険を感じるレベル。冷房のきいたコンビニやお店にこまめに避難して水分を取り、水は2ℓ位持ち歩いて飲んだり身体にかけたり、体調管理が大変な旅でした。
現地に詳しい知人にアドバイスをもらって、フルーツやココナッツジュースをこまめに取るようになったら、だいぶ元気になりました。


ココナッツにストローを刺して飲むジュース。日本円で300円位。ビタミンやカリウムが豊富な天然スポーツドリンク。

タイで虎に触りたい

私にとって、今回の旅の最大の目的は虎に触ることでした。もともと動物が大好きですが、虎はかっこよくて綺麗で可愛くて、動物園ではいつも長時間眺める私の推しアニマルです。とはいえ虎は肉食の猛獣、触るなんて不可能に近い。日本のサファリパークで赤ちゃん虎との触れ合いにトライした事がありますが、何十倍もの抽選に外れ泣く泣く断念。しかしタイ訪問前に調べた所、虎に触れる施設がタイ国内にいくつかあり、パタヤにもある事が判明。大好きな虎さんに触れるとテンションが爆上がりしました。

パタヤ・タイガーパークHPの写真。テンション爆上がり。

タイの人々と虎、ふれあいサービスの歴史

タイでは、虎は野生動物として生息し、歴史的にも文化・宗教的にも尊重されています。力と権威の象徴でもあり、重要な文化遺産の中には、虎をモチーフにしたものが多く見られます。また、霊的な存在として虎の霊を祀る神社もあります。
タイの人々にとって大切な虎ですが、可哀想なことに毛皮や剥製等の為に世界中から密猟者が集まって生息数が減り、絶滅危惧種となっています。
そんな中、1994年に生息地に近いカンチャナブリー県でタイガーテンプルが設立され、密猟で母親を失った子供の虎を保護し育てていました。その名の通り寺院であり、僧侶が主に虎を飼育していました。この施設で人に育てられた虎は人馴れしていた為、観光客向けにふれあいや写真撮影のサービスを提供するようになりました。

観光需要と動物虐待の悲劇

珍しい虎とのふれあいサービスは外国人観光客に絶大な人気を博し、タイガーテンプルの収入は2016年時で年間およそ3億円。当時のタイ人の平均年収が140万円前後ですから、タイ国内としては莫大な収益を得ており、タイガービジネスとして発展しました。

しかし絶滅危惧種である虎の管理方法や、違法闇取引などの問題が発覚し2016年に閉鎖、関係者は逮捕されました。その後パタヤのタイガーパークをはじめ、いくつかの虎専門施設が開設されましたが、タイガーテンプル問題を機に政府が厳しく管理するようになったと言われています。タイガーテンプル問題、あまりにも残酷で可哀想でこちらに書けないのですが、ご興味のある方は日経の記事をご覧になって下さい。

パタヤのタイガーパーク

施設を訪れる前、タイガーテンプル問題を知りパタヤのタイガーパークは違法管理していないか、虐待していないか調べました。公式サイトでは鎖につないだり薬物投与して、おとなしくさせていないと書いてあり、本当かわからないけど行ってみる事にしました。

5月2日にレンタカーで行きましたが、駐車場に入れない位の大混雑。40℃近い暑さの中、世界中から観光客が大勢集まっていました。「KKday」というアジアの現地ツアー予約サイトからふれあい体験を事前予約して行ったものの、手続きから実際虎に触るまで2時間以上かかりました。ご高齢の方、18歳未満、16歳未満、15歳未満、身長160㎝以下など年齢や身長で触れる虎の大きさが制限され、一定数を越えるとチケットは売り切れるので、触りたい方は事前に予約される事をお勧めします。外国人の触れ合い料金は虎の大きさ2サイズセットで4,500円位、1サイズで2,500円位です。

実際モフモフして

1時間以上順番待ちし、一番大きい虎さんと、少し小さい子供のトラさんをモフモフ。最初薬物投与されていないか心配でしたが、お尻付近以外触ったら絶対ダメ!前を通ったら絶対ダメ!と付き添うスタッフの方から厳しく注意され、うっかり背中方面に近寄ろうものなら慌てて引き離されたので、敏感で薬物による意識混濁はしていない事がわかりました。嫌な所を触られた時の表情は凄いし吠えてまして、かなりコワかった。
別の施設で虎に襲われ重症になった方がいますので、危険な体験でもあります。

おこ。

実際、触るとあったかくて少し硬めの毛はとても綺麗でした。シッポを少し持たせてもらいましたが、けっこう重い。巨大肉球に感激して触りましたが硬くてプニプニというより野球のグローブを押してる感じ。大好きな虎に触れて、本当に幸せな数分でした。

暑さでダレる虎吸い、無臭でした。
にくきゅう。巨大、硬い。

全ての動物が暑くてダレる

この日の気温は40℃。人間を含めた全ての動物が暑くてダレていました。この施設で一番元気だったのは、プールで涼む虎さんでした。暑い昼間は虎はほとんど寝ているそうで、ふれあいはその時間限定のようです。

気持ち良さそう。

動物と人間、共存とは?

現代では虎の生息数が減少しており、タイ政府や非政府組織は虎の保護に力を入れ、保護法を整備し、虎の密猟や違法取引には厳しい罰則を設けています。タイガーテンプルの問題で、虎との触れ合い施設に対する動物福祉や保護の観点から議論が起こり、今日における虎との触れ合い施設の運営には政府の厳しいチェックがされるようになりました。

観光客としては、訪れる施設が動物の福祉を尊重しているかどうかを慎重に考慮することが必要だと思います。ホームページでは否定していましたが、私に触らせてくれた虎さんが、薬物投与や虐待を受けていたらとても悲しいし、この施設には行かないと思います。たった一人が行かなくなった所で変わらなくても、そう考える人が増える事が大切だと思います。今後、このような施設に行く時は、もっとよく調べてからにしたいです。

そうは言うものの、密猟から逃れ、住む場所を失い、人に保護されざるを得ない虎もいます。虎は1日に10kgほど肉を食べるので、そのエサ代をまかなうために仕方ないのかもしれません。密猟や環境破壊で保護される虎もいれば、生息地では家畜被害阻止や人身保護目的で駆除される野生の虎もいるそうです。いずれにせよ人と虎の距離が近くなった為に起きる事で、お互いに幸せな共存とは、適切に離れた距離を取り、干渉せずに暮らす事なのかもしれません。

色々心配だったけど、虎さん素敵な時間をありがとう。こういった施設、気にかけて行くね。

#旅のフォトアルバム

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