自分が思う“センス”というもの、と11月29日の日記【年内残り33日】
年明けの「大異動」に向けて、いろんなものを片付けています。たぶん、大きく動いていくと思っているので。
大事業としては、部屋にうずたかく積んである本という本をひとまず片っ端から読んでいます。
そういう時にふと思うのが、今年はいい本ばかり巡り会ったなぁということ。
元々、本は、勧められたり、書店でピンときた、「その瞬間に買うルール」で生きているので、結構身の回りに溢れかえるんですよね。
これはどうやってもそうなります。
でも、そうでもしないと今年は特に前半、情報感度だだ下がりの時期だったので、結構危機感もありました。
「片付けている」といっても、本一冊一冊を“断捨離”…とかいうことではなく、手に取ってパラパラめくってみてます。
ツバをつけていくような感覚に近いですね。
そうすると、やっぱりときめくんです。
いい本をおすすめくださる方には、いつもながら感謝です。こうやって、自分の血肉になっていくんですから。
なんかこうやって見てみると、調子がいいときに買った本って、“迷いがない”し、“本質的”な内容のものが多いと感じます。
逆に、今年のはじめとか、2月、3月あたりの個人的に混沌としていた時期に手に取った本は、やっぱりちょっと変なものが多いです。
一時的なものだったり、その場しのぎで、場当たり的なものであったりします。
それって、本そのものは全然悪くないのですが、その後ずっとは読めないんですよね。
やっぱり、気分がかなり影響してる。
おそらく自分の中の感度が落ちている時に選んでしまうと、そうなるんじゃないかと思っています。そういう本はどんどん処分します。
思いっきり、捨てますね。
ぼくが、調子が悪いときの話をもう少しします。
今年は特に、年の最初の四半期(1~4月)あたりが結構最悪でした。
なんとなく気持ちがのらない感じだったり、周囲の事柄に興味が沸かなかったり、妙に自責の念にかられるようなことが多かったように思います。
しかも、慣れない在宅勤務で自分の仕事が必要なのか何なのか、ちょっとわからなかった時期でもありました。
だからそんなときに出会って手に取る本というのも、それはそれで特徴的だし、今から考えるとおもしろいんですが、そういうときは「古典」とか「昔から読んでる本」を意識的に読むようにしてた記憶があります。
一冊あげるとすれば、何度も読んでいる「セネカ」とかですね。
こうやって、妙に脇目を振らずに、自分の中の小さな『種火』を大事にしてきた今年。
夏頃からは会社に頼み込んで、外に出るようにして、毎日のルーティンも大事に続けながらだんだんと調子が上向いてきました。
そうすると手に取る本もかなり変わってくるんですね。
最近では、文化人のエッセイとか、インタビュー集、デザイン、とにかく自分の好きなものに忠実に選べるようになりました。
そして、そのすべてに“筋の良さ”を感じます。
ぼくがよく言う“筋の良さ”というのは、一定の基準があって、道具でも家具でも本でもなんでもそうなんですが、“一回性”ではないということでもあります。
たぶん、“センス”ともいいます。
ほぼ、同義です。
あと、大事なのは、「センスがいい」ことではなく、「センスの良さに気づく力」ということだと思っています。
町を歩いている人の服の組み合わせ、本棚に並んだ背表紙、絵や音楽のチョイス、いろいろなセンス…そのどれも、自分がそれを鍛えたり、誰かと比べて上に行く必要はなくて、目にしたもの、聴いたものが、“センスがいい”ってことに気がつくということなんですよね。
あー、これが言いたかったんだ。
すっきりした。
あと、ぼくが選ぶものは、インスタントなもの、サプリ的なものではなくて、どっちかというと『漢方薬』のようにじわじわ効くものが多い。
一見するとすごく地味なんです、全部。
「すごい地味だけど、でもそれ、10年経っても色褪せなかったよね」というものばかり。
まぁ、これこそ自分の選ぶものだな、と感じたりします。
ぼくの“物持ちの良さ”って、よく遊ぶ仲の良い人はみんな知ってるんですが、かなり長いんですよね。
大体の服って、大学時代にお金を貯めて買ったものが多いんです。
それだけ、何かを買うのにこだわるし、出逢うのを待つし、“1シーズン限りの”とか絶対イヤなんです。
だって、愛せないじゃないですか。
最近、よく友人と話すんですが、“愛せない”というのはツライよね、という話。
仕事も、人も、本も、道具も、愛するに値するものを探しているんですね、ぼくは一生そうなんだと思う。
そんな根本的なことに今更ながら気づきました。
というわけで、今後も『ぼくが、愛したものたち』をどんどん書いていこうと思っています。
年末の師走感の中でなんてことを書いているんだろう。まぁ、いいか。笑
*
今日の一曲
久しぶりにこの人の声を聴いた。たまたまSpotifyで遊んでいたら、新曲のリリースがあったみたい。元ちとせ。そして、一緒に歌うのは、さかいゆう。
奄美大島も行ってみたいな。沖縄も行ったことないし、まだまだ日本も未踏の地は多い。
来年はいろいろ行こうと思う。
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11月29日(日)
宿泊先の『K5』で起床。かなり寝心地のよいベッドで気持ちよく目覚める。7時半頃。
外もいい天気なので、妻と交互に散歩に出る。
最初にぼくが、あとから妻が。1時間くらいゆっくり歩いてきても、娘はぐっすり寝てる。
その後に朝ご飯。一階の「caveman」が朝のダイニング。娘と妻と3人で行って、おいしい朝食をいただく。
その後は、部屋に戻ってチェックアウトまで自由に過ごす。妻は近所に散歩に行って、ぼくはお風呂に浸かる。
ホテルのお風呂は空間が広くて好きだ。
チェックアウトをして、近くに何があるかを調べて、いくつか物色する。
アクアリウムミュージアムへ行って、金魚のなんとも幻想的な空間に酔いしれる。
お昼ご飯も、その近くで食べる。
青森推しの和食居酒屋で、夜に来てもすごくおいしそうだなと感じるお店。
もやしスタミナ丼と、うどんの小盛り。家族みんな和食の味を欲していたようですごく安心して、完食する。
その後は、妻と娘は先に帰路について、ぼくはもう一件行きたい個展があったので、馬喰町まで歩く。
途中、CITANでコーヒー休憩を挟んでから、個展で会いたかった人に会う。
かなり前から応援しているアーティスト。
ここのところ美術手帖に掲載されたり、インタビューを受けたりと忙しそう。展示もだいぶ予定が埋まっているのだそう。がんばってほしいし、そのうちには作品も買いたいと思っている。
帰宅してから、妻がちょっと疲れて寝ていたので、ぼくが夕飯を作ることにした。
肉豆腐と、味噌汁、ご飯を土鍋で炊いてホクホクな夕飯。
おいしくみんなでいただき、ゆっくりと夜を過ごした。家族と一時的に離れた生活をしている分、会っている時間を大切に過ごしているなぁと感じる。
すごくいい時間が流れている、2020年の後半。
マイペースに、いきます。