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【読書感想】さよならタマちゃん/武田一義

突然ですが「精巣腫瘍」についてご存じでしょうか?
男性の精巣(睾丸)にできる腫瘍で、20~30歳代の若い人に多く主に20〜40代の男性に発症します。初期症状は片方の精巣の腫れやしこりで、痛みがないことが多いのが特徴です。早期発見と治療で治癒率が高いものの、無関心は危険です。

『さよならタマちゃん』は、精巣腫瘍の闘病記という重いテーマであるのに、ほっこりする、笑える、そしていつの間にか泣いてしまう。言葉にならないことを教えてくれる一冊でした。
睾丸マッサージ師として体を大切にすること、人の温かさを再認識した内容です。

長らく手元に置いてなんども読み返したい。

さよならタマちゃん/武田一義

あらすじ:発見のきっかけは奥様

精巣腫瘍と診断された漫画家・武田一義さん(当時アシスタント)35歳、自分の体と向き合いながら闘病していく姿を描いた作品です。印象的だったのは、病気に気づいたきっかけが奥様だったということ。

「片方だけ大きくなった」「硬さはスーパーボール」多くの男性は、日常の忙しさや羞恥心から、こうした小さな変化を見逃してしまいがちではないでしょうか。しかし、この小さなサインこそが、人生の転機となるなんて…

チェックすることの大切さ

読み進めると、改めてセルフチェックの大切さを強く感じました。睾丸マッサージ師として、多くのお客様と接する中、形や硬さが微妙ながらに違いが感じることがあり、同じ人であってもその日のコンディションは違い、言われてみれば…といったことが多々あるからです。

定期的なケアは異常の早期発見に繋がります。作中では、著者の奥様が違和感に気づき、すぐに診察を受けたことで早期に治療へ踏み切れた事が描かれています。

もし放置していたら、結果は深刻だったかもしれません。睾丸マッサージでは血行を促進し、精巣の機能をサポートするだけでなく、異常の早期発見にも大いに役立つと考えています。

感想:つらい沈黙に光

精巣腫瘍という重いテーマを扱いながらも、親しみやすい絵柄と闘病中でもくすりと笑える瞬間、心が温かくなったり、読んでいて感情がかき乱されました。個人的には、著者の摘出した片方が別の患者の片方と合流した話を聞いて「ドラゴ〇ボールかよ」と患者仲間と笑い話になったシーンは、話の前後を含めてほっこりしてしまいました。

施術を通じて感じるのは、男性が自分の体について話すことへのためらい。この作品は「男性の沈黙」を打ち破り、もっと多くの人へケアを前向きに考えるような機会になればいいなと。

向き合う時間を過ごすこと

睾丸マッサージの良いところの一つは、日常の中で自分の体と向き合う時間を持てることです。健康促進だけでなく、ストレス軽減やリラクゼーションにもつながります。

『さよならタマちゃん』で描かれたように、病気や不調は突然訪れるものですが、定期的なセルフチェックやマッサージで早期に異常を発見する機会が増やすことができます。血行促進と精巣の健康維持に役立つセルフマッサージやケアを習慣化し、体を大切にすることの重要性を再確認できるでしょう。

まとめ

『さよならタマちゃん』は、精巣腫瘍の闘病記を通して、実際の治療のつらさや院内外の人間関係、自分のこれからを考えるなど、重圧な話のなかにもユーモアを描き、男性が自分の体を大切にすることの重要性を教えてくれる作品だと感じました。私は睾丸マッサージ師として、この本を読みながら、改めて日常のケアやセルフチェックが重要であること、相手の今を大切にしたい気持ちが高まりました。

男性にとって、自分の体をいたわることは決して恥ずかしいことではないと思います。この作品を読んだあなたの感想もぜひ教えてくださいね♪


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