正解がないことをゼロから作る
予想通り、はじめは「難しい」「できるわけない」「メンドクサイ」という反応。
しかし、徐々にのめりこんでいく姿がとても印象的。
そうなんだよね、それって楽しいことなんだよ。
どうすればうまく行くのか、昔はもっとシンプルだったような気がする。
いい大学に入っていい会社に入れば人生安泰。
そのためにはしっかりと勉強して「学力」を身につければ良い。
人生における正解は世の中が作ってくれた。
そして、それに乗っかって一つの方向に向かえば良かった。
「24時間働けますか」
そういうキャッチフレーズが時代を象徴していたころ。
上からの指令に忠実に、残業もいとわず突っ走る人が重宝された時代。
それが良かったのかどうかは分からないが、少なくともそれで収入は増えていたし、欲しいものは手に入るし幸せだったように思える。
実にシンプル。
だけどこのような役割は、もはや人である必要はなくなってくるんだろうな。
VUCAという言葉をよく聞くようになった。
「Volatility(激動)」
「Uncertainty(不確実性)」
「Complexity(複雑性)」
「Ambiguity(不透明性)」
な時代。
「何かに乗っかれば安泰」は存在しない時代。
24時間戦っても収入は増えない時代。
なんのために働くのか意味を見出しにくくなった時代。
そりゃ、がむしゃらに働く事に意味は見出せないよね。
じゃぁ、これから社会人になる人は何に価値を見出すのだろう?
何にモチベーションを感じるのだろう?
人は、意味を食べていく存在。
意味がないことを続ける事はできない。
もはや世の中は働く意味を我々に与えてはくれない。
だから、その意味は自分で創らなくてはならない。
私が働く意味は〇〇です。
それを明確に言えるようなり、それが実現できる環境に出会えた人は幸せになれるんじゃないかな。
想いをアウトプットする。
考えをアウトプットする。
だが、想いや考えをアウトプットする事は難しい。
「あなたの考えを聞かせてください」という場面で、スラスラ答えられる人は多くないだろうな。
イメージはあるんだろうけど、多くはそれが言葉になっていない。
だからこそ学ぶべきものがある。
それは、自分の想いや考えをまずは引き出し、そして整理し、最後にまとめる事。
それにはやりかたが存在する。
こういうやりかたを学ばずに、「想いをアウトプットするぞ!」とウンウン唸っても答えは出てこない。
力技や精神論では疲れてしまってイヤになるだけ。
10月の終わりから長崎総合科学大学へお招きいただき、3週連続で思考法の講義を行った。
内容はもはやおなじみだが、「ブレスト+KJ法」。
決して新しくない方法ではあるが、あらゆる場面で使われる有効な方法。
対象は1年生、75名。
予想通り、はじめは「難しい」「できるわけない」「メンドクサイ」という反応。
「考え」を言葉で定義するってハードル高いよね。
しかし、徐々にのめりこんでいく姿がとても印象的。
そうなんだよね、それって楽しいことなんだよ。
最終的には実に深い意味のある四字熟語ができた。
発表を聞くと、そこに至った背景や想いに「ほほぉ~、面白い!」という言葉が何度も出た。
「できない」は、その能力が存在しないのではなく、やりかたを知らないだけ。
ちゃんと学べばね、短時間で答えにたどり着くものなのだよ。
力があるのに発揮しないのは本当にもったいない。
求める環境に行ける可能性があるのに、チャンスを自分から作らないのは実にもったいない。
自分が求める環境に行きたければ、まずは「自分が求める事」を明確に言えるようにならなくちゃね。
「正解がないことをゼロから作る」
案外難しくないし、やってみれば楽しいもの。
そしてそういう力がこれから求められる。
シューラボ
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