田舎小僧、はじめてのApple Storeに行く。
ネクラくそ陰キャがApple Storeに行きました。
続き。
はじめてのApple Store
はじめてのiPhone。
はじめてのApple Store。
Apple Store自体は何度となく目にしていたが
店内には なんとなく意識高そうな人たちばかりで恐縮してしまう。
シンプルな内装で、
だけれども我らがアップルですよ!の主張があって
インテリアもAppleっぽくて
“外資系”のパワーを感じる。
店員さんも外資系に勤めていますよ感があって(偏見)
そんな人々に接客されているとメンタルが持たないだろうなとは予想ができた。
そのため事前準備として
バチバチに身なりを整える。
勝負のデート並みに気合いを入れる。
まつげを上げて髪を巻いて
最近買った洋服をおろして
これくらいの距離感になるからここに付けて…なんて考えながら香水を振り撒く。
たかが電子機器の買い物にどんだけやねんとは思うが
こじらせインキャ代表にはこれくらいの気合いが必要なのだ。
そうしてついに戦場へ向かう。
平日の昼間、あまり人が多くなさそうな時間を狙う。
入店待ちなんてことになると
その列に並んでいる間に気持ちが負けてしまう。帰りたくなってしまう。
店内に入り、とりあえず機器を手に取ってみる。
そのうち店員さんに声をかけられるのかと思っていたが、そんな気配はなさそう。
入り口にいた女性の店員さんに声をかけてみる。
「iPhoneがほしいんですけど、、」
手元のiPhoneを操作し、何やら手続きをしてくれている。
「それではスタッフを付けますので少々お待ちください~」
おお、そういうシステムか。
入店時に用事を告げないといけなかったのか。
優しそうな店員さんを選んで声をかけたのに
ランダムに来る誰やも知れない人と対峙しないといけない。oh, , ,
ドキドキしながら待っていると
後ろから声をかけられる。
「○○さまですかー?」
ニット帽をかぶったロン毛の浅黒い男性。
自分から声をかけることはきっとないであろうタイプ。
内心びびり散らかしていたが
客と店員の関係。わたしがびびる必要はない。我らは対等だ。よし
ほんとに基礎の基礎からiPhoneとはなんぞやということを
イケイケおにいに教えてもらう。
どの機種が良いのか相談しながら、我の相棒を選ぶ。
気合いをいれて武装してきたおかげで、
メンタルブレイクせずにお目当てのものを購入することができた。
お母さん、わたしはApple Storeに勝ったよ。(?)
分割か、一括か、
現金か、カードか。
支払方法の選択を提示されたが
面倒くさかったので一括カード払いで。
なんだかお金持ちになった気分。気分だけ。
なんかその場で、店員さんの持つiPhoneひとつで
決済が完了する。
こんな小さい端末のなかで十数万が動く。
デジタル感やば。近未来感やば。
外資系やば。
端末が購入できるとお次は各々設定へ。
引き続きロン毛ニット帽と対峙する。
こちらどうぞ~と椅子に案内され、
ちょうどApple Store内で行われていたセッションを横目に
(セッションってなんだよ)
設定していく。
端末の入った箱を開けた。
「おめでとうございます~」と言われた。
小さい拍手をされた。
正直開封時にそこまでの高揚感はなかった。ごめん。小躍りすべきだったごめん。
SIMを入れ換えてもらい
Apple IDを設定する。
住所生年月日等々を入力する。
ロン毛ニット帽に見守られながら設定していく。
普段使用しているものとは異なるスマホ。
そしてわたしはフリック入力ができない。スマホでもキーボード入力。
だが既存の設定はもちろんフリック入力。
そのため文字の入力がものすごく遅い。
その場で入力方法を変えたかったが
それの仕方もすぐにわかるわけではない。
頑張ってフリック入力するも、
遅い。
その辺のおばあちゃんより遅い。明らかに遅い。
ロン毛ニット帽に見守られている。恥ずかしかった。
一括カード決済した金欠でない20代若者が
ババア以上に時間をかけながら文字を入力している。
ロン毛ニット帽の目にはどう写ったろうか。
(自意識過剰ですかね、はい。)
なんやかんやで諸々設定を終え、任務達成。
ついにわたしもiPhoneユーザーとなる。
銀のりんごが描かれた真っ白の紙袋を持ち店を出る。
ロン毛ニット帽とその仲間たちに見送られながらそそくさと。
はじめてのApple Store、
これにて終了。
まだ全然使いこなせてはいないが
都会の若者になるべく、Appleに誇りを持っていきたいと思う。
だっさいクソ陰キャの田舎小僧であるが
都会の垢抜けオンナの振りをしていきたい。
おわり。