【唐松岳登山記】北アルプスへの挑戦で、ダイエットの神様が降臨!
「もう山を登るのはやめよう」
もともと登山好きのわたしだが、そんな弱音を心の中でひたすら吐きながら登っていた。だって、自分が何に向かって登っているのか分からないから。
荷物も、自分の体も、とにかく重すぎる。
もっと荷物を軽くできなかったのか、どうしてこんなにも身体に無駄な脂肪がついているのか、と自分自身を呪いながら歩みを進めた。
なんのために、自らこんな苦行を強いているのだろう。わたしは山頂を目指しながら、激しく後悔していたのだ。
(1)きっかけ
8月某日。
登山友達と初めて北アルプスに登った。
目指すは「唐松岳(からまつだけ)」
どうしてこの山を選んだかというと、インターネットで調べる限り複数のサイトに「初心者でも大丈夫!」「初心者にオススメ!」と書いてあったから。登り始める前に、ゴンドラとリフトを乗り継いで、標高1800mくらいまで行くことができる。真夏でも快適な気温での登山ができる、ということで「それなら私たちでも行けるのでは?」と、基本的に日帰り登山しかしたことないわたしと登山友達は、この夏「唐松岳」へのチャレンジを決めた。
(2)結論、めっちゃしんどかった。
ほんとうに初心者向け?!と事前情報を疑った。
何がしんどかったかというと、
山頂の山小屋で宿泊する予定だったので、いつもよりも荷物が多かったこと。日帰り登山時とは別の重さがザックにプラスされ、体力消耗が速かったように感じる。
そして、もう1つは、ず~~っと曇っていて、自分が何に向けて歩いているかわからなくなってしまったこと。基本的に、わたしは綺麗な景色と大自然を感じることができるから登山が好きだ。にもかかわらず、今回はず~っとどんよりした曇り。SNSで事前に調べていた景色はどこへやら。まっしろな背景をひたすら見続けて登る、しかも初めての山道で。というのが、精神的に辛くなってしまったのだ。
そして冒頭に書いたように
「もう山を登るのはやめよう」
「どうしてこんなしんどい思いをしているんだろう」と、そんな後悔が襲ってきたのである。
たとえ、山を登ることがあったとしても、これまで通り、「近場の山を日帰りで」ちょっと登るくらいで。今後はとどめておこう。どうしてこんな遠くまできてしまったのだろう、と。
先を歩く友人の存在もあり、どうにかこうにか山頂に到着。友人は、スタイルがよく身軽、息を切らし切らしどうにか後ろをついて行く私を気遣いながらもずっと先導してくれた。本当に感謝しかない。
道中、「ライチョウ」に出会えたことが唯一の救いだった。
ただ、この日はもともと台風と台風の間の不安定な気候。天気予報を見る限り予定通り、決行するか今回は見送るか・・・という狭間での登山だったので、「無事に山頂に来れただけで感謝」という気持ちもあった。
「もしかしたら、もう来ることはないかもしれないけれど・・・山の神様ありがとう」と、手を合わせて頂上から、宿泊先の山小屋まで下山しようと歩みを進めた。
5分ほど下山した時だった。
(3)奇跡がおきた
これまで分厚くかかって、びくともしなかった白い幕が
少しだけ揺らいだように感じた。
次の瞬間、いきなり雲が薄くなり、周りの山々が姿を現したのだ。
さーっと雲の切れ間から、青空が見え始めた。
諦めていたからこそ、まさかこんな景色が見れるなんて。
一瞬の出来事に目を奪われ、感激のあまり涙した。
今なら、山頂に戻ればさっきと違った景色が見られるかもしれない!と、再び私たちは駆け足で山頂まで向かった。
真っ白だった背景が嘘のように、
そこには雄大な山肌が広がっていたのだ。
ああ、やっぱり登山はやめられない。
そう思った。だって、こんな景色を魅せられてしまったら、どうしたってまた登りたくなってしまう。またこの感動を味わいたくなってしまう。
ずるい。このようにして、わたしは2024年夏、この目で、この体全体で、また一つ「山の魅力」を実感したのでした。
(4)心に残った会話
1日目のお昼、ずーっと曇っていた八方池で、男女ペアで登っているおじさんおばさんとお話させてもらった時の言葉が印象に残っている。
そのお二人は下山途中で、今朝の山頂から見えた朝日や雲海の写真、綺麗に咲く「コマクサ」の写真を見せてくださった。
「天気が心配で・・・絶景は見れないかもしれません」ってあきらめモードで話していたわたしたちに、「山は裏切りませんよ!」「キセキが起こりますから!」と励ましの言葉をかけてくださった。
その時は「そんなそんな~」とどこかで疑っていたけれど、
結局、あのおんちゃんの言った通りだった。
山の神様が見せてくれたあの景色を、たぶんずっと忘れない。
(5)そして、ダイエットを決意
登りは本当にしんどくて、自分の体重の重さを呪ったが、
やっぱり登山はやめられない!もっと身軽にいろいろな山に登りたい!という気持ちが沸き上がり、翌日は下山しながら「絶対に減量して、筋力をもっとちゃんとつけて、登山を楽しめる体づくりをしよう」と決意した。
ただ、もうあんなに辛い思いはしたくない。
だから、
来年は、もっと身軽になってまた北アルプスにチャレンジしたい。
そういう経緯で、先月から人生最後のダイエット!と意気込んでパーソナルトレーニングにも通い出してダイエットをスタートさせました。
…が!1か月を過ぎて、ちょっと停滞期で
気持ちも落ち込み、投げ出しそうになっていたここ数日。
あらためて、「初心」を思い出してみようと
唐松岳での出来事を、更新することにしたのです。
夏の気持ちをあらためて再確認して、モチベーション回復!!
もともと、自己肯定感が低く。幼少期からのぽっちゃり体型と、万年ダイエッターで、「結局自分は変われないんじゃないか」という思いも強かったのですが、唐松岳山頂での出来事、あの絶景を思い出すと、「いやいや、わたしの決意はこんなに簡単に薄れないぞ!」という強気の自分が戻ってきました。
(6)ダイエットでも使える登山マインド
登山と同じように、先が見えなくても一歩一歩、コツコツと歩みを続けていればちゃんと目的地にたどり着く!これからのダイエットでは、この考え方を大切にしよう。
それに、ずっと曇っていてしんどかったとはいえ、北アルプスの高山植物たちは本当にキレイで、道中のきれいな花やおいしいご飯、道行く登山客の声掛けや一緒に登る友人の言葉に励まされて、最後まで頑張ることができたわけで。
時には寄り道しつつ、自分を慰めてくれる存在に感謝しつつ、時には上手く甘えつつ、地道に取り組んでいけば、必ず目標は達成できるのではないか、とそんな前向きな気持ちになりました。
(7)心に残った登山友達の言葉
最後に、もう一つ。
今回の同行者である友人の言葉を書き留めておきたい。
彼女は、3年前に2回だけ参加した登山サークルで出会った。社会人になってからできた貴重な友人。わたしと同じく婚活中。
「 独身だからさ、基本、どうやって自分を楽しませようかとしていて。わたしにとって登山もその1つなのね。結果、こんなに素敵な景色が見られて、本当に感動する。今、結婚したり、子育てしたりしていたら絶対に見てない景色だもん。だから、これでいいんだよね。私たち、『今』を全力で楽しめているよね 」って。
なんかその言葉にジーンときた。そうだよね、ないものねだりをしたり、結婚出産している友人達と自分を比べて落ち込こんだりすることもあるけれど、「今」この瞬間をしっかり楽しめている私たちサイコーじゃないか!と思った。
何よりも、こうやって、お互いに未踏の地にチャレンジして、感動を共有できる友人がいることって、最高に幸せなんじゃないか。
そんなことを思って、胸熱になりながら下山したのでした。
(きっと、山だからこそのハイテンションというか。きっと日常では恥ずかしくて言葉にできないことも、山だからこそ話せちゃうみたいな効果もあったと思う。)
(8)おわりに
というわけで、2か月前の出来事でしたが、
夏登山の記録(「唐松岳」登頂記)
お読みいただきありがとうございました!
これからも忘れることのできない、
大げさな表現をすれば
「人生の転機」となるかもしれない、
そんな唐松岳登山体験でした。
またダイエットのモチベーションが低下してきたら、なんどもあの時の苦しさ・感動・決意を思い返して頑張り続けようと思います!!!
応援していただけたら、嬉しいです💪
(9)最後に写真を紹介
おしまい。