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揺れる気持ちとブランコと桜と
「地面から足を離したい!」という衝動に駆られたのは、歩いてドラッグストアへ向かう途中のことだった。
無性に、ブランコに乗りたくなった。行きつけのドラッグストアで、もうすぐ底尽きる、ヘアワックスと化粧下地を購入した帰り道、近所の公園へ立ち寄ることにした。
住宅地に囲まれた小さな公園。
すべり台、ブランコ、砂場、シーソー、四つのベンチ、そして桜の木に囲まれた目的地に到着すると、すでに先約がいた。
小学6年生か中学生くらいの男の子が、
ブランコに乗っている。
ブランコのロープが奏でる規則正しい金属音。
砂場で遊ぶ小さな女の子2人と
それを見守るお母さん。
さすがに、中学生男子の隣で
ブランコを漕ぐ勇気はない。
10分くらい経っても空かない時は
おとなしくあきらめようか〜と思いながら、
ベンチに座って桜を眺めていた。
そしてその時が来た。
「もう17時だから帰るよ〜」となかなか帰ろうとしない子ども達に声をかけるお母さん。
ズズっと足でブランコを止める男の子。
それぞれに公園を後にする姿を見送り、いよいよその場にわたししかいない瞬間が訪れた。
ちょっと周りを気にしつつ、
恐る恐るブランコに乗る。
地面から足が離れた。
足を一定のリズムで、前へ後ろへ動かしながらブランコを漕ぐ。
徐々に高くなり、目線が桜の花に近づく。
気持ちいい!!
ふと見ると、今度はバスケットボールを持った小学生2人組が公園に来た。スポ少帰りかな?蛍光色のビブスを着ている。
少しの間漕ぎ続けたが、
さすがに気まずくなり、ブランコを降りた。
時間にしたら本当に数分のこと。
でもなんだか気持ちがスッキリした。
最近、要らぬ心配やちょっとしたモヤモヤが
心の澱(おり)となって漂っている。
・相手の善意とわかっているから
断れなかった頂き物のこと、
それを返した方がいいと祖母に言われたこと
・コロナ前は時々会っていたが、
ここ数年いっさい連絡をとっていなかった
友人から結婚報告と式の招待が届いたこと
・ここ1週間、ずっとじんわりと肩甲骨あたりが痛むこと
・マッチングアプリを再開してみたものの
まったく先行きが見えないこと
・冗談と分かりつつ、キャリアの道に引きずり込もうとする先輩の言葉
・家族にも友達にも仕事にも恵まれていて
十分に幸せなのに
どうしても拭いきれない孤独感と将来への不安
・なぜだか夢に出てくる元彼
・ネガティヴな感情や言葉に反応しすぎちゃうから距離を置いた情報や友人への罪悪感
そんな全てを、振り切りたい!
という気持ちで漕いだブランコ
久しぶりのブランコは、
ちょっと怖くて全力では漕げなかった。
それでも。全てが都合よく、綺麗さっぱりとはいかなくても。地面から足を離したら、心が少し軽くなった気がした。
もうすぐ31歳。
これからも時に不安やネガティヴな感情に
心を揺らしながらも、
わたしはわたしらしく
しなやかに、まっすぐに、軽やかに
遊び心を忘れない人間でありたい。
ブランコを漕いだ感覚、
そこから見た桜を思い出しながら、
気持ちが晴れるのを待ってみようと思う。
これが今のわたしの現在地。
ブランコに乗ってモヤモヤを晴らそうと
した今日この日を記録しておこうと
思いました。
大人になってから乗るブランコは
子どもの頃よりもスリリングです。
よろしければ、貴方もぜひ。
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最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
おしまい。