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移住先は「ふるさと」にはならないけど、ずっと暮らしていく覚悟はできてるよ
2024年10月。私が東京から地方に移住して丸6年が経つ。
私はそれまで「地方に暮らしたい」と思ったことは一度もなかったし、移住も、夫が祖父母の家を継ぐことが決まっていたから来たけれど、元々、田舎暮らしに憧れを持ったことは一度もなかった。
だから地元に人には申し訳ないけど、何かその地に魅力を感じて来たわけでなく、「連れてこられた感」を常に持っている。
そもそも、東京で生まれ育った私は、東京の暮らしが好きだった。
5年近く暮らした品川では、私は商店街沿いに住んでいて、行きつけのお店や近所仲間もたくさんいて、地域のコミュニティや町内会にも顔を出すような暮らしをしてた。
東京だけど、近所の子供がいたら「元気ー?」なんて声かけるし、お祭りのときは、地域の人たちと神輿を担いだり、町内のイベントでフランクフルトを売る担当をしたり。
近所の友達の店から「今、手伝いに来てくれない?」って言われたら「はーい」って行くし、落ち込んだ時はすぐ会って話聞いてくれる友達、夜中まで熱く語り合う仲間が何人もいた。
そこで夫と出会ったことが、わたしの運命を大きく変えたのだけれど。
だから、東京での暮らしを全部なくして、この町に引っ越してくるのはそれなりに勇気がいることだった。
今住んでる町が、品川でのあの暮らしをそう簡単に超えられることはない。
それでも私はこの町でずっと暮らすし、私みたいな人間だってこの町を構成するひとりの人間だ。
だから、この町に特別な想いが持てないでいることも、「それでいいかな」って思ってる。
実際、暮らはじめて、いろんなことを知った。
最初は家にムカデが出て泣いたこともあったし、今でも雨の日の山の匂いが苦手だし、すぐに東京には帰れないのも辛い。病院や子供の進学の選択肢などを考えると、不安もある。
でも、美味しい空気、異常に近い山、綺麗な川、年中人からいただく野菜、知人が育てた米、近所の方々の優しさ、無駄に広い家の敷地…。
東京で暮らしていたら知り得なかったことがたくさんあるんだ。
たくさんの発見があるなかで、まだわたしは「田舎って最高!」とは一向に思えるようになる気はしない。
それでいい。
無理に「最高!」って思わなくても「悪くない」って思ってるし、「それでも多分ここにずっと暮らすよ」って思ってるから、それでいいのかなって。
幸いにも、6年経ってやっと、心落ち着ける仲間や場所が自然とできてきて、楽しいって思える瞬間も増えてきた。(6年もかかったけど)
その上で、私はここを「ふるさと」とか「故郷」とは一生感じられないと思う。よそ者だって感覚はずっと無くならないと思う。
それでも、アクセスが悪くて、人口減少も高齢化も進んでるこの町で、自分ができることをやって、暮らして、自分たちで面白いと思える場所にしていきたい。
もう家を継いじゃったんだから、あとは楽しくしていくだけ。
移住7年目。この町でこれからもちゃんと生きていく。