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36歳で母親だけど、「アイドルが好き!」と叫んでみたら最高にスッキリした
私には応援しているアイドルグループがいる。今時の言葉を使うと、「推し」だ。アイドルをこんなにも応援したくなったのは約20年ぶり。まさか36才になってアイドルにハマるとは。
自分でも信じられないのだけれど、そのおかげで毎日が楽しい。
でも今の自分の年齢やライブステージだからこそ、気づいたことがある。それは私自身の中に素直な「好き」という気持ちがあるのに、世間的な目が気になり、後ろめたい気持ちがあるということ。
夫の言葉に反論できないわたし
私がアイドルを好きになったことについて、夫はただただ呆れている。
「30代後半にもなって、20代前半のアイドルを応援してるなんてどうなの。」「子供たちに影響させたくないから、子供と一緒に動画見たり、曲聞くのは本当にやめて欲しい。」という夫の言い分。
そんなことを言われると、「は?なんなの?」と、まずは腹が立つ。でも返す言葉がない。いや、正確に言うと、強く反論できない。心の奥底で、夫の言葉に納得してる自分がいるから。
好きな気持ちに嘘偽りはない。でも、思ってしまう。36才にもなって、アイドルが好きなこと自体、人にはあまり言いたくないし、アイドルが好きな母親ってどうなの?って。
これは一種の呪いだ。
いつから好きなものを好きって言えなくなったんだろう。いつから年齢とか母親の肩書きに縛られるようになったんだろう。
私ってこんなに凝り固まった考えの人間だったっけ?この歪んでしまった私の心を戻すにはどうしたらいいのだろう…と悩みながらも、踏み出せずにいた。
大声で好きだと認めたい
アイドルを好きな36才の2児の母。そのレッテルを貼られたくない。
そんな私は、常日頃、夫に「私はそんなにファンじゃない。」と言っている。
でもその割に、ファンクラブには入っていて、アルバムとライブDVDは少なくとも必ず買うし、テレビは見ないけど、毎晩のSNSでの情報収集や動画鑑賞は欠かさない。
・・・我ながら、まぁまぁファンだなと思う。
となると、私が必死に「そんなファンじゃない」と夫に言い続ける理由はなんだろう。
特に隠し事も、やましいことも、夫に対しては何一つないのに、なぜ、アイドルが本当に好き!と素直にいえないのだろう。
それは私の中の最後のプライドなのではないだろうか。
アイドルが好きな36才の母。
そんな自分が許せない。
そんな自分をさらけ出す勇気がない。
そしてこれを受け入れてしまえば、自分が恥ずかしい存在と思っていた「アイドルが好きなおばさん」に成り下がってしまうという恐怖心。
でも、後ろめたい気持ちを持ってまで好きでいる理由はなんだろうと考えた。それは間違いなく、ただ好き。その気持ちに尽きる。子供を寝かしつけた後に、見逃し配信で彼らが出ているテレビ番組を見るだけで元気が出るし、何かと検索して調べるのが楽しくて仕方ない。まさに日々の活力!
そう、活力だからこそ、私には必要不可欠で、自分の陳腐なプライドとは反比例して、もうなくてなならない存在なのだ。
ここまで考えた上で、試しに、夫の前で普通に好きだと認めてみようかな…という気持ちがよぎった。
でも何の脈略もなく突然に「私は◯◯好きなんだっ!」と宣言しても、夫はドン引きするだけ。
タイミングを伺おうと思っていた矢先、すんなりとその機会がやってきた。
ついに認めてみると、、、
先日、大好きな彼らに初めて会うコンサートへ行った。ドキドキしつつ、子供達を夫に任せ、2時間半かけて会場へ。
コンサートが始まると、この人たち実在してたんだ!生身の人間だったんだ!!と、わたしは大興奮しながら、目の前で踊り歌う彼らにとても楽しい時間をもらった。トンボ帰りだったけど、心はほっこりしていた。
終電で自宅に帰ると、夫が起きていて、どうだった?と聞いてくれた。興奮冷めやらぬ中、一通りの感想を伝えたあと、私は夫に言った。
「前からそんなファンじゃないからって言ってたけど、やっぱり私好き!今日は本当に楽しかったし、これからもコンサートがあれば行くわ。」
なんだか、とてもスッキリした。清々しかった。
好きって認めるだけで、なんでこんなに晴れやかな気持ちになれるんだろう。
それに対する夫の反応は、「そっか、いいんじゃない。」の一言。その言い方には、嫌悪感も嫌味もなく、本当に普通だった。
その瞬間、私は何を肩肘張ってたのだろうかと、呆気に取られてしまった。アイドル応援してること自体には、変わらず引いていると思う。でも、きっと楽しそうに帰ってきた私の姿を見て、まぁ勝手にすればいいんじゃないかなって思ったんだろう。
好き!って気持ちは尊いんだ
こんなにずっと怖かった「アイドルが好きな自分を認める」という行為。
でも認めてしまえば心は晴れやかで、好きなものは好きだと認めることは、自分自身を認めることだと実感した。
私は自己肯定感は低い方ではないと思うけど、それでも自分のポジティブであるはずの好きという感情を認められないことは、自分自身を認めてあげられないような感覚があった。
だから、今すごく幸せな気分。
アイドルが好きな妻にドン引きしていることには変わりない夫だけど、そんな私を認めてくれてるんだという実感も持てた。
好きなものを好きだと言う。
それはとても尊いこと。
当たり前のことだと思ってたけど、気づかないうちに拗らせていた自分がいて、改めてその尊さに気付かされた。
自分の「好き」を認めると同時に、夫の気持ちも尊重して、念を押されている「子供に動画を見せたり、覚えさせたりするのはやめてほしい」は、守ろうと思う。
守れると思う。
多分。