見出し画像

アニメ「葬送のフリーレン」12話 ゆっくり視聴

世はアニメ戦国時代。タイパが叫ばれ、毎週60本以上が放映される昨今、あえて厳選した作品を、時に巻き戻し、ツッコミを入れつつ感想を綴る「ゆっくり視聴」を実践中である。

対象は2025年冬アニメの「悪役令嬢転生おじさん」と「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」(沖ツラ)、そして再放送中の「葬送のフリーレン」の3作品。

今回はフリーレンの12話「本物の勇者」

#12「本物の勇者」

https://frieren-anime.jp/story/ep12

シュタルクの「んっ」

寒さのあまり眠ったフリーレン。仕方ないからシュタルクが背負うと言い出す。「斧を背負っているから」というフェルンに、

シュタルク「けどほら、手は空いてるし」
フェルン「えっ」
シュタルク「んっ」
フリーレン「うぅん…」
シュタルク「んっ!んっ!」
フェルン「私が背負います」
シュタルク「えっ、何で?」
フェルン「なんでもです」

「えっ」というフェルンの目が、一瞬ピクッとなってるのが笑える。シュタルクも「カモン!」と催促するように構えるのはやめなさい!

勇者になったきっかけ

フリーレンは夢の中で、冒険に出発した時の事を思い出していた。ヒンメルが勇者になったきっかけが、同じ村にいたハイターが「偽物の剣しか持っていないから、偽物の勇者にしかなれない」と言われたことだと明かす。

実はヒンメルとハイターは幼なじみだったんだな。微かに笑みをもらすフリーレンが素敵。

シュタルクの続「んっ」

途中で起きたものの、また眠るフリーレン。

シュタルク「さすがに運びっぱなしで疲れただろう。フェルン、代わるぜ」
シュタルク「んっ!んっんっ!」
(目を閉じて通り過ぎるフェルン)
フェルン「えっち」
シュタルク「何でだよ」

シュタルクにやましい気持ちはないだろうけど、なんか手つきがおかしい

剣の里

剣の里の主を倒すと、ヒンメルが抜いたはずの勇者の剣があり、驚くシュタルク。フリーレンは、ヒンメルが剣を抜けなかった事を明かす。

当時の里長「今回の勇者も、本物ではありませんでしたか」
ハイター「ヒンメル…」
ヒンメル「いいじゃないか、偽物の勇者で。僕は魔王を倒して、世界の平和を取り戻す。そうすれば、偽物だろうが本物だろうが関係ない」

フリーレン「そしてヒンメルは成し遂げたんだ。あんな剣がなくたって世界を救ってみせた。本物の勇者だよ」
(中略)
フリーレン「英雄というのは、後世の連中が勝手に美化していく。そしてそのうち、原型すら無くなってしまうんだ」

事実を知るフリーレンだからこそ言えるセリフだろう。本物とは、本当の歴史とは何だろうか。考えさせられる。

シュタルクの誕生日

次の街に着いたところで、今日がシュタルクの誕生日だと言い出すフリーレン。足をパタパタさせながら魔導書を読むとこがかわいい。

フェルン「ちなみにフリーレン様は、何をプレゼントするつもりなんですか?」
フリーレン「とっておきだよ」
フリーレン「服だけ溶かす薬」

ちょっと目を開くフェルンが怖い。

フリーレン「男ってのはね、こういうのを渡しておけば喜ぶんだよ。って先生が言ってた。ふっふーん」

ふっふーん、じゃないわ w
そして無言でフリーレンに薬をかけるフェルンが怖すぎる。

フェルン「この下品な薬、買った時に返品しろって言いましたよね」
フリーレン「この薬、貴重だったのに」

あくまでもマイペース、さすがフリーレン。

人助けするシュタルク

フェルンがシュタルクを探して街中に行くと、先々で人助けをしていた事を聞かされる。

フェルン「フリーレン様はさすがに失礼です。シュタルク様があんなエッチな薬をもらって喜ぶはずが…」

そこで、たたずむシュタルクを発見!微かに微笑むフェルン。声をかけようとすると、

シュタルク「あっ!あの雲、おっぱいみたいだ」
フェルン「エッチだった…」
シュタルク「うわっ、あっちはうんこだ」

シュタルク、小学生かよ!いつもながら、前フリが完璧すぎる。

誕生日プレゼント

家族からも大事にされず、一度も誕生日プレゼントをもらった事がないと明かすシュタルク。

シュタルク「俺は故郷が魔族に襲われた時、(慕っていた)兄貴も見捨てて逃げちまった。家族から祝ってもらえなくて当然かもな。俺は逃げてばかりの失敗作だ。ヒンメルだったらきっと逃げなかった」
フェルン「シュタルク様、プレゼントを選びに行きますよ。過去なんて関係ありません。私の見てきた戦士シュタルクは、一度たりとも逃げ出していません」
シュタルク「この先逃げるかもしれないぞ」
フェルン「私達が逃しません」

大事なのは過去の過ちより、今をどう生きるか。フェルンの優しさが沁みる。

バカみたいにでかいハンバーグ

宿に帰ると、フリーレンが「バカみたいにでかいハンバーグ」を作っていた。エプロン姿のフリーレンかわいい。

実はアイゼンはプレゼントはあげていなかったが、毎年誕生日にハンバーグを作ってくれた。

フリーレン「戦士ってのは不器用だね」
フェルン「フリーレン様がそれを言うんですか」
フリーレン「そうだね。私も不器用だから分かる。馬鹿だよね。思いっていうのは言葉にしないと伝わらないのに

沁みるなぁ…。そして冒険の時にアイゼンが作っていたハンバーグの話に。

アイゼン「これは俺の地方の風習でな。精一杯頑張った戦士を労うための贈り物だ。俺からの誕生日プレゼントみたいなものだ」
ヒンメル「でもアイゼン、僕たちは戦士じゃないぞ」
アイゼン「頑張った者は皆、戦士だ

またもや沁みる名言…。そして、シュタルクも昔、兄・シュトルツが、誕生日にハンバーグを作ってくれた事、村が魔物に襲われた時に逃してくれた事を思い出す。

フリーレン「どう?美味しい?」
シュタルク「あぁ」

ちょっとシュタルクの唇が震えるような、細かな描写がすごい。

安定のオチ

いい話で終わりかと思ったら、

フリーレン「あとこれ。まだ少し残っているから」
フェルン「また頭からかけますよ、フリーレン様」
シュタルク「何それ?」
フェルン「シュタルク様には関係ありません」
フリーレン「貴重な薬だよ」
シュタルク「えっ、どういう?」
フェルン「えっち」
シュタルク「えっ?何で?」
フェルン「えっち」
シュタルク「いやだから何でだって!」

すかさず服が溶ける薬を出すフリーレン。何でだよ!

さすがフリーレン!そこに痺れる憧れるゥ!

それにしても本当に、フリーレンは「人生とは何か」のような考えさせられる哲学的な部分と、ギャグの部分の緩急が絶妙ですごい。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集