発音記号の使い方 ~センター試験から他言語比較まで~
これは発音記号の使い方について、なぜか意見を求められたので、なんとか、いろいろと調べて、使い方を考えた結果である。
(以下)
まず、発音記号とは、英語などの単語の発音を記号化したものである。例えば、catは、/kæ’t/と表わすことができる。
他にも、令和二年度のセンター本試験の英語(筆記)の第一問の問三に、「accuse, cube, cucumber, cultivateの四つの単語のうち、下線部の発音が異なるものを選べ」1)というものがあるが、これらの四つの単語を発音記号にすると、/əkju’ːz/, /kju’ːb/, /kju’ːkʌmbər/. /kʌ’ltəve`it/となり、cultivateだけが/ʌ/で、それ以外が/ju/のところに下線部が引かれているので、cultivateが正解となる。
このように、発音記号を見ることで、どのように発音すべきかが分かるようになり、発音の違いを視覚的に理解することができる。
この発音記号は英語で発音がわからない単語に出会った時に使えると思われるが、
恐らく、英語以外の欧州の言語を始めとして他言語を学ぶ際にも同様に使えるのではないかと考えた。
例えば”chat”という単語がある。英語の場合、/tʃæt/と発音され、これは、”おしゃべり”を意味する単語である。一方で、フランス語の場合、/ʃɑ/と発音され、これは猫を意味する。
このように言語が変われば、同じ単語のスペルでも、発音が異なる。そのため、新たな言語を学ぶ際に、発音記号は役に立つのではないかと思われる。
他言語を学んだ場合、発音記号を用いることで、何かの法則性を見つけることができるかもしれない。
また、英語の発音記号とは別の形で表わされる発音記号があり、国ごとに発音の違いがあることを知ることになると思われる。
例えば、辞書で欧州のいくつかの言語で「猫」を調べ、各々の言語に対応する発音記号で表わすと以下のようになる。
猫はドイツ語ではkatzeであり、/’ kɑtsə /と発音され、ノルウェー語の場合はkattであり、/’kɑtː/と発音され、イタリア語の場合、gattoで、/gɑtto/と発音され、フランス語の場合はchatで/ʃɑ/と発音される。
これらを見ると、猫の単語は、/kɑ/, /gɑ/, /ʃɑ/で始まっており、終わりの部分には/t/が凡そ絡んでいる。
なお、/ʃɑ/はこのことに当てはまらないが、フランス語の場合、末尾に”t”などの子音が来た場合、子音に”e”が付かない限り、発音されないという規則性2)があるので、それが原因だと考えられる。
また、父という単語について考えると、英語のfatherは/ fɑ’ːðə/と発音され、イタリア語のpadreは/ˈpadre/と発音され、ドイツ語のVaterは/ˈfaːtər/と発音され、フランス語のpereは/pɛr/と発音される。/ f/か/p/で始まり、/ɑ/を発音し、末尾は、/ ð/か/t/か/d/のが関わっている。
つまり、これらの音は多少の音の違いがあるが、共通性が存在すると言える。実は、先頭の/ f/か/p/の音かに関しては、もともと/p/の音が/ f/の音に変化したのではないかという考え方があり、主にグリムの法則3)と呼ばれる法則に集約されると言われている。
このように、他言語で単語を比較するとある種の傾向がある場合があり、それの理解を助けるのに、発音記号を用いることができる。
このように、発音記号は、発音の試験の学習に使えるだけではなく、他言語を学んだり、他言語を比較したりすることに用いることができる。
参考文献
1) 令和二年度のセンター本試験の英語(筆記):
2) フランス語学習館: 語末の子音字の無音化
3) グリムの法則:
4) weblio 英和辞典和英辞典 :
5) Glosbe :
(以上)
まあ、正直、ノルウェーの姉御の影響とリアル知人の影響もあって、比較言語学とか、ちょっと、見てみたりしてたから、こうなったのだと思う。
後、この動画を見て、言語の関連性に興味を持ったというのもあるな・・・。
考えてみると、結構、これ、面白かったんだよな。実際問題。
まあ、発音記号がどう使われるかは正直、使い手によるとは思うが、やはり、いろいろと使い方があるんじゃないかな?と個人的には思える。
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