ある研究関連の講義(2年編)その7
今回の講義は、準結晶に関する研究についてであった。
まず、準結晶とは、結晶とは異なる単位構造を持つものである。かつては、規則的な配列を持つ結晶と不規則的な配列を持つアモルファスの二種類だけであると考えられていた。
また、結晶は、n回対称性、つまり、n回回転すると、もとに戻るというものであるが、結晶に許される回転対称性は、幾何学的な証明より、2,3,4,6回のみである。ところが、後に、5回対象性なる物が発見された。このことから、結晶とアモルファス以外に準結晶なるものがあるのではないかと考えられるようになった。
準結晶自体に関する研究としては、準結晶が存在する理由が挙げられる。また、準結晶が存在したことから、結晶がエネルギーの最低状態であることの真偽や周期性がない物性の理解の仕方などの再検討も行われている。
一方、材料という側面から見た場合、今、注目されているのは、Al65Cu20Fe15である。これは、生成するための材料が豊富であるため、低コストで作れる。
また、準結晶は複合材料でも用いられる。例えば、柔らかい金属と硬い化合物を混合することで強靱な複合材料ができるといわれている。この硬い化合物に準結晶が使えるのではないかと今、検討されている。
次に、今回の講義を聞いた感想について述べる。
まず、考えされられたことは、「新しい発見は、偶然やってくる。その偶然の発見を見逃さない素養を身に着ける。」というフレーズである。
実際に偶然の発見を見つけるのに、これに従い、まず、素養を身に着けてみようと思う。まずは、既存の現象ならびに概念の理解が先なのかもしれない。そのために、アトキンスなどの書物を読む。その一方で、観察力をつけることも必要なのかもしれない。これを身に着けるには、既存の概念が必要なのかもしれない。
なぜなら、それ無しには、何か現象にであっても、ただその現象を観察しただけで通り過ぎてしまうからだ。その一方で場数を踏んで現象を見落とさないようにする必要があるのかもしれない。できるならば、これら(特に前者)に気を付けて実験などの講義に取り組みたいと思った。この点については、研究をするのに役立つ講義だったと思う。
また、講義の構成とスピードに関して。全体として講義の内容には、本当は、良かったのかもしれないが、少し講義のスピードが速いのではないかと思う。話す内容をかなり強引に90分の中に入れているというような感じがした。
そのため、結局、まとめのところで言いたいことは分かるが、その前の部分との繋がりをつなぐのが少しやりにくかった。話の構成上から考察すると「新しい発見は、偶然やってくる。その偶然の発見を見逃さない素養を身に着ける。」などのまとめのところでしめた方が講義としてはまとまりがよかったのではないかと推定した。
また、技術的な面から考察すると、講義の際に、話の内容を絞るか、最初の段階で言いたいことをズバッと言う形式を用いれば、このスピードでも、もっとわかりやすくなると推定される。
また、少なくとも私の見解においては、この講義は、教職をとる上で、いかに、話を構成すれば、よりわかりやすくなるのかということを考えさせられ、かつ非常に参考になるものであった。
とこんな感じだった。
まあ、ちょっと、理学に近い・・・感じのするところだった気もするけど、正直、材料を元素から作るという意味では、入ってみても面白かったような気がする。
しかし、やはり、医学とか過去の失敗に引きずられて、結果的に、面白い研究を逃していたというのは、本当にもったいない話だったなと思う。
まあ、5000兆円ほどあれば、博士課程+研究生で入ってみたいとは思う。
さすがに、5000兆円あれば、だいたいの国家的もしくは社会的干渉は、しりぞけられるはずなので・・・。
(だから5000兆円欲しいというネタが流行るのか。)
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