平時と有事
みなさんこんにちは。
立て続けにこのトピックを見かけました。
防災のテーマでもあり、変化の時代には広くテーマとなる「平時と有事」について考えます。
2011年3月11日、茨城のパラグライダースクールにいるときに東日本大震災に遭いました。
私のいた場所は、震度6弱あり電気、流通などのラインラインが数日に渡って断絶しました。(水は井戸水でした)
初めてのことです。
高校生の時から山に登って、キャンプもよくしていたので、電気、ガスがなくても当面はなんとかしのげます。
水は井戸水で発電機もあり、山の近くなので川の水も使えます。
この時に感じたのが「アウトドアの道具、知識があれば災害時に役に立つ」です。
これを世に広める事業というコンセプトはこの時に生まれました。
「趣味や遊びにであるアウトドアのスポーツや体験を有事の備えに転換する」というものです。
さて「平時と有事」です。
二つは別のように感じられますが、同じ時間軸の中で波のようにつながっています。
有事は、戦争、大きな災害、感染症、社会変革などです。
平時に有事の種はあり潜在化しています。
ある時顕在化すると、急に有事が発災したとなるのです。
有事は一人の人生で一度あるかないか位なものです。
経験がない未知のことであり、文化や記録、伝承というものに頼ることになる一面があります。
人の脳は情報処理の量が短期記憶(メモリー)で決まっているので、いつ来るか分からない有事のことよりも、今日の日常のことが優先されます。
幕末から維新までの激動の時代を類いまれなリーダーシップときめ細やかな対応力を発揮した偉人西郷隆盛の「西郷南洲翁遺訓」によれば、次のように心得が書かれています。
人の道は、危機管理の道
「 この「常に冷静さを持ち続ける」と言うことが、例えるなら「常に、火事の対処を心に留めておく」と言うことなのです。
それは「いつか火事が起こるかも」と、普段からおどおどしていると言う意味では、決してない。普段は火事を 恐れてなどいない。しかし、いざ火事が起こっても即座に対処できる冷静さが常に心にある、と言うことなのです。」
非常時の心得
「 あらゆるトラブルや意外なアクシデントに見舞われようとも、その場を十分に切り抜けられるだけの備えを、普段から 心がけておくことが、肝要なのである」
「 学問とは、このように「 あらゆる現実に対処する判断力を身に付ける」 ために、あるのです。
現実の備えとは何なのか、それを明確に見極める眼力を身に付けるのである。
それがついてこそ、どんな時代にあっても心落ち着けて対処ができる。
一方で、心配せずとも良い妄想に惑わされる愚かさは、心から消し去れる。 無意味な備えに多くの金をかけて無駄遣いをすることもなくなるのです。」
この本のコピー「無事は有事のごとく、有事は無事のごとく」に集約されて
いると思います。
(話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」より 長尾剛著)
「海賊と呼ばれた男」出光佐三は出光興産の社長室メンバーとの勉強会の記録から
「順境において悲観せよ」
常に好景気が続くものであり、と考えていたから、今度の不況のような時に取り乱して右往左往するんだ。僕は景気の良い時に、景気の悪いときのことを考えて準備しておけと言っている。
「逆境において楽観せよ」
逆境の時に立てた計画は堅実で間違いない。だから逆境の時に計画を立てるんだ。しかし将来必ず変動が起こることがわかっていても儲かった時にワーッとやりたいというのが人間だ。そこに人間の矛盾性がある。 出光で人間尊重といっているのも、こうした人間の矛盾性をつつしむ。〜
その矛盾性をいかにしてつつしむかというところに、人間の尊厳がある。心のあり方が一番大事だということになる。
今日と同じ明日が来ると考えがちですが、百年、万年、億年という長尺の歴史を紐解くと変動の歴史があります。
変化への強さや柔軟性であるレジリエンス力を高めることが必要なのだと思います。
静岡県富士宮市朝霧高原朝霧アリーナという広い芝のやさしい斜面で、一人で飛ぶパラグライダー体験を開校しています。
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