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すさまじきもの

ようよう白くなりゆく山際。紫立ちたる雲の上。
鷹が一人で飛んでいる。鷹はきっと寂しかろう。
すさまじきもの。
己のことばかり考える社会人。
社会人になって驚いたことの一つに自分のことしか考えられない社会人が思いのほか、多いということがある。
これでは世のため、人のため、働いているものは出世するのは間違いない。
社長になるなど容易いことだ。
かくいう私はそんなことに毛頭興味がない。ただ、私のやりたいことをやるだけ。それは自分も含めての社会が良くなることを前提としている。私にとっての当たり前のことが当たり前でないことが分かった。私がこの会社で期待される理由が分かった。私は今までそんなことは当たり前という環境にいた。特段誰かに期待されるとか一目置かれるとかそういったことはなかった。それは他者の為に行動するのが当たり前という考え方の環境にいたからだ。ところが一転、自分のことばかり考えている人たちの環境にいくと、瞬く間に一目置かれる人となった。研修とかで働く理由を正直に書くと、立派だと読み上げられ、こういう考えが大切なんだと言い事例として言われることになった。自分は決して人より仕事ができるとか優れているとかは思っていないのに、実力より過剰に評価されていることに違和感を感じていたのだ。けれど最近、色々な人と話していると自分が評価される評価されざるを得ない理由が分かってきた。この思考を出来る人が少ないのだ。もちろんいるけれどね。そういう思考を持つ人が自分より上の年次で働いていることに恐怖を感じた。次の体制が不安だとね。もっというと、私は体制の中にいるのは得意ではない。群れるのが嫌いなのだ。ただ、そんなこと避けて通れないのは分かっているさ。覚悟が足りないのだ。覚悟とは、丹田に力を入れることなり。
すさまじもの。
己を愛せぬ愚か者。



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