【開眼!】インプロを通して見えてきたあるべき上司の姿
①残念な上司の指示は「命令」、良い上司の指示は「道しるべ」
これです!この気づきが本当に目から鱗でした!!
※ちなみにここでいう「命令」とは必ずしも指示の伝え方を意味してはおらず、指示する時の上司の心の姿勢の話です。丁寧な口調でも「あなたが当然やるべきだ、それが常識だ、異論は認めない」というスタンスで指示すればそれは命令です。
具体的な指示を出すことの重要さは分かる、かといって部下の立場としては指図されたくない気持ちもある。この矛盾をどう解消できるのか分かりませんでした。
ですがインプロのワークショップでLのリーダー(Leader)とRのリーダー(Reader)の話を聞き、インプロゲームの実践を通して命令と道しるべの気づきました!世界が一気に明るくなったような開放感!
良い上司の指示とは拘束や圧迫を感じるものではなく、部下が途中で迷ったり余計な壁にぶつかったりしないように導く道しるべのようなものなのではないか。良い上司の指示とは「頂上はこちら→」「頂上まであと◯m」「この先岩場あり」と示している登山路の立て看板のようなものなのではないか、と気づいたんです!
Lのリーダー(Leader)とRのリーダー(Reader)
インプロは台本や打ち合わせがない中で進行していくため誰かが先んじて動く必要があります(=Leader)。ですがその後に誰も続かなければ、また全員がLeaderになりたがれば、物語が続きません。Leaderの動きやアイデアを受け止めて、そこに自分のアイデアや動きを付け足して広げていく人(=Reader)がいてはじめて物語が動き出します。インプロ中はこのLeaderとReaderが目まぐるしく入れ替わります。
インストラクターの方からLeaderの心得として周りを信頼する、とアドバイスいただき、これが凄く印象に残りました。曰く、Leaderは「自分はこう解釈してこう動くから、あとはみんなに任せるよ、自分をどう料理しても全く構わないよ🙆♂️」という感じで動くのだそう。実際にインプロでは自分の想定とは全く違う方向に物語が動いていくことがほとんどです。
具体的な指示を出しながらもそれが「命令」に成り下がるか部下にとっての「道しるべ」になるかは、この心の姿勢にかかっているのかも。
ポイントはより良い何か、より面白い何かを一緒に作っていくんだという姿勢、そして自分の指示はそのための最初の一歩にすぎないという捉え方をしているかどうかだと思います。
②残念な上司は自分の常識に沿うように部下を矯正する、良い上司は「イエスアンド」をし続ける
イエスアンドというのはインプロで大切にされている精神です。相手のアイデアを瞬時に受け入れて、自分のアイデアを返す姿勢です。まさにReaderの姿勢ですね。
インプロのゲームに「イエスアンド・ゲーム」というのがあります。2人ペアになって、
①「はい、そして、〇〇しよう。」
②「そうしよう!」
の二言を交互に言い合いながらストーリーを作るゲームです。
たとえばテーマ:お城を探検する、としたときに
A:「はい、そして、目の前に大きな扉があるのでノックしてみよう」
B:「そうしよう!」
〜2人でノックする動作をする〜
B:「はい、そして、扉がゆっくり開いたので中に入ろう」
A:「そうしよう!」
〜2人で歩いて中に入る動作をする〜
A:「はい、そして、歩いていると向こうに誰かがいるので、近づこう」
B:「そうしよう!」、、、
という形で進んでいきます。
目の前の扉、というワードを拾ったから新たなストーリーが生まれていくのであって、「いや、城にははしごを使って入るべきだ!扉はダメ」と言ったらそこで話は終わりです。
ですが「はしご以外は認めない!」って上司は意外と多い気がします。そしてはしごを使ってくれない部下を見下したり鼻で笑ったりしてしまう。そのうち部下はその態度を感じとり、情報を上げてくれなくなっていく。
例を挙げるとコミュニケーションや報連相の重要さを殊更に部下に説く上司がいます。確かに言っていることは正しいのですが、よーく観察すると「自分のコミュニケーションスタイル・自分の仕事の進め方(=自分の常識)に合わせろ」という本音が見え隠れします。
これもインストラクターの方から聞いたエピソードなのですが、インプロの講演会にプロジェクトマネージャーを長年してきた人が参加していて、その人が「この仕事はインプロそのものなんです」と言っていたそうです。
自分にはまだその実感は乏しいですが少しわかる気がします。いろんな問題や相談事が次々と降りかかってきて即座に打ち返さないといけない。でも相手に寄り添わずに「自分の常識」だけで打ち返していたら周りに嫌われて、プロジェクトが進まない。
だから問題や相談を一旦受け入れて(=イエス)、自分のアイデアを返す(=アンド)。その二つを即座に、次々と行う。これがプロジェクトマネージャーの仕事なのではないかと思っています。
上司と部下の関係でのイエスアンドはこんなイメージだと考えています。
部下の仕事の状況をまず受け入れて受け止めて(=イエス)、「はいそして、次はこうしよう!」と次の方向を示す(=アンド)。これを繰り返して一緒にゴールに辿り着く。
頭と心が凝り固まっていると下の人を疲弊させる
要するに「自分に従え」というマインドで接しているか、「上司自身もまだ想像できない、より良い何かを一緒に作り出そう」というマインドで接しているかの違いなのかなと感じます。
前者のマインドだと言葉遣いは丁寧でも命令されているように感じるし、後者のマインドだと言葉遣いや伝え方はキツくてもこの上司のために頑張ろうと思える。
凝り固まった頭と心でガンガン主張する人はパワハラ上司になり、凝り固まった頭と心のままぐっと我慢する人は気難しい陰湿な上司になる。
頭と心をほぐす練習としてインプロは一つの有効な解決策になりそうです。
今後の挑戦
残念な上司に「イエスアンド」できるか?
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