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【2020年の振り返り】おいしい!楽しい!大好き! お店編

「特別な1年になりましたね」なんて今までにない言葉が挨拶に添えられている今年の年末。
「特別な1年」でも、私は変わらず結局は食べもののことばかり考えていた。

コロナや猛暑、妊娠、子育て…と、まあちょっといつも通りとはいかない毎日だったけど、それなりにおいしい日々を楽しむことができました。
2020年に出会った「おいしい!楽しい!大好き!」なお店をまとめてみました。

お店のレビューでも評価でもなく、あくまでもそのときの私気分です。

長くなってしまったので、テイクアウトとお取り寄せはこちら

caveman(茅場町・レストラン)

茅場町 K5内のレストラン。目黒の『kabi』姉妹店ということでずっと行きたかったお店。

どの料理も驚きが散りばめられていて、小躍り必至。
だってさ、この春巻き、春巻きにしか見えなくない?グリーンカレーなんだよ。
グリーンじゃないグリーンカレーってどういうことよ。でも完全にグリーンカレー。そんでもって1番おいしいグリーンカレー

日本初の銀行をリノベーションした空間と気の利いたノンアルペアリングも相まって、海外のレストランに来た気分になった。

cibot(池ノ上・レストラン)

「来年も行きたいねえ、フランス」なんて話してたのって同じ世界線だったんだよなと思うくらいフランスは遠くなってしまった今年。

娘と父、はじめてのお留守番の日、私が訪れたのは一番近いフランス
「なーんてやわらかー」なサーモンの燻製とたくさんの野菜、その下に敷かれたクスクス(私はクスクスが好き!)。
皿から目をあげれば、淡島通りが純度100%でフランスの風景になってるんですけど。

ちょっと子守りをお休みして気分転換の気持ちで来たら、「近い将来、娘とフランスに行けたらいいなぁ」と思えるくらいには母性が芽生えていたようだ。

BALLEYSのカップにウィンクを返して、魔法を解いたら世界一短いフランス旅行は終了です。

フランスのお土産に、お向かいにある『やまねフランス』のタルトと焼き菓子をお忘れなく。

AELU(代々木上原・レストラン)

魚と肉を選ぶとき、いつからかを選ぶようになった。
20代の頃、「肉一択でしょ」とハイタッチした友だちは今も肉を選んでるのかな。

さて、この日は魚を選びました。
あわあわの海に浮かぶペールカラーのサクサクカダイフ。中にはふわふわの白身魚。
食感の宝石箱や〜。

ちなみに肉もすこぶるおいしそうだった。両方選べるコースにすればよかったわ!

LA GODAIILE(松陰神社・ビストロ)

もうひとつ見つけてしまったよ。なにを?フランスを
松陰神社の小さなアーケードの奥にあるフランス。

黒板に書かれたメニューには日本各地のおいしい食材がぎっしりと描かれていて、眺めているだけでもうおいしい。
しかもサービス担当の奥様がひとつひとつ丁寧に説明してくれるから、どれも食べたくなって迷うんですわ。

その中でつい毎回選んじゃうのが前菜盛り
茹でる、煮る、和える、蒸す。調理法も味付けもシンプルの極み。
え、野菜ってこんなにいろんな味するんだ。こんな色してるんだ。こんな食感なんだ。って。

メインもデザートもフランスで食べたかったやつがいつもあるから、行くたびに悩むのが楽しい。
もうしばらくお昼しか行ってないから、夜行きたいなぁ!

おけ以(飯田橋・中華料理)

仕事柄いろいろな場所に行くことが多かった。取材終わり、打ち合わせ終わりを楽しむために、Google mapには星がたくさんきらめいている。

飯田橋で打ち合わせとなると、ここしかないでしょう!と、一緒に取材に行く先輩を誘う。
緊急事態宣言明けすぐの取材だった。

自粛期間中、家で炒飯を作った。まあまあおいしいじゃん、と思った翌週、冷凍炒飯食べたらそっちの方がおいしかった。
その翌週、Uber eatsで炒飯を頼んだら、そっちのほうがもっとおいしかった。

『おけ以』の炒飯を食べたのはその翌週。『おけ以』の炒飯が一番美味しかった
ひと仕事終えたあと、仕事仲間と世間話をしながら食べる炒飯は特に最高かもしれない。

ミス・サイゴン(渋谷・ベトナム料理)

やや赤みが残った薄切り牛にたっぷりのハーブ。牛ダシスープは、優しすぎる味とは裏腹に熱々で、薄切り牛がだんだんと茶色く染まっていく。

こういうフォーを求めていた!
とかいって、“こういうフォー”に出会ったのはハワイのベトナム料理屋なんだけど。

日本のおしゃれカフェなんかで気まぐれに出されるフォーはヘルシー志向がすぎて物足りない件については、どこかのタイミングできちんともの申したい。

そういえば、今年の社員旅行はベトナムの予定だった。私はコロナに関わらず行けなかったけど、ベトナムを欲してた気持ちはみんなと一緒だったんだよ。

ベトナムに行きたくなったら、Bunkamuraに向かう坂の途中にある雑居ビルのエレベーターに乗り込むといいですよ。

グリル グランド(浅草・洋食屋)

出先で可能な限りオムライスかワンタン麺を食べることに決めていて、東京中のオムライスとワンタン麺のお店をマッピングしていた時期がある。

浅草で打ち合わせ後、浅草を徘徊したのちたどり着いたのが『グリル・グランド』。
絨毯敷きの床に、テーブル席というノスタルジー。

イエロー、レッド、グリーンという食の三原色で構成される幾何学模様!
「ああ、懐かしい固めたまごのオムライスね」と見せかけて、内側はとろんとろん

このオムライスとの出会いを機に、「オムライスは固めたまご派」は返上し、「オムライスはケチャップ派」と表現を少し改めさせていただきました。

西北拉麺(水天宮前・中華料理)

なにこの謎麺
ふよっと弾力のある麺、謎肉もとい牛肉のタレ、ネギ、パクチー、ザーサイをよくまぜて、よくまぜて食す。

オイリーなのにさっぱりしていて、はじめて食べる味なのに知ってたかもしれない味で。
びよーんと長い麺を切る用のハサミがあったり、やっぱり謎麺

ちなみに、伸びやすいので運ばれてきたら、のんびり写真を撮ってる暇はないよ。パシャっと撮ったら、すかさずよくまぜて、よくまぜて食べましょう。

PIZZA MAFIA TOKYO(桜新町・ピザ)

うちの夫は生マッシュルームのスライスを見ると「おしゃれな人がやるやつ」と必ず言う。
そういえば、いつからか温泉卵を乗せればおしゃれなやつっていう傾向も生まれたよね。
(超どうでもいいけど、「温泉卵=おんたま」がもてはやされた頃、「ONたま」だと思ってた。ONしてるし)

そんなわけで、おしゃれなやつの最強タッグのビスマルク。
「おしゃれなやつ」とかちょっといじってごめんなさい。おいしかったです。

おいしいピザってちゃんと小麦粉の味もするんだなぁ。

マフィア”なんてついてるもんだから、どんないかついのかと構えて行ったら、小麦粉とチーズの焼ける匂いが漂い、大人も子供もピザを頬張るピースフルなお店でした。

帰りにお向かいの『OGAWA COFFEE LABORATORY』でコーヒーとプリン食べるといいよ!

とんかつ川善(三軒茶屋・とんかつ)

健診帰りにはおいしいものを食べようと決めていた。
外出が憚れる日々だったからこそ、外出の予定日はよりみちすることにしていた。

商店街の角にある肉屋さんの2階にあるとんかつ屋。
「絶対おいしいやつ」と確信してたけど、「絶対おいしいやつ」だった。
そして890円という価格、最高じゃん(とんかつもラーメンも最近高くない?)。
キャベツの千切りの細さも、自家製のとんかつソースも、厚すぎない厚さも、全部ちょうどいい

手頃なとんかつ屋を知っているって、大人って感じがするね。

バーボン(上町・洋食屋)

『バーボン』に来たらいつもオリジナルライスかバーボンライスかで迷って、だいたいオリジナルライスを頼んでいる。

写真はオリジナルライス。牛挽肉、しめじの入ったグレービーソースにとろとろのチーズが入っている。
バーボンライスは焼き飯のような感じ。

オリジナルとか店名がついてるくらいだから、創作料理なのかな。
ジェームズ・ディーンのポスターに囲まれながら食べるとアメリカンな気分になるけど。

パンチのある味だけど、チーズが中和してくれて、口に運ぶ手はなかなか止まらない。チーズってそんな働きもするんだとか思ってるうちに、腹ははちきれんばかりになる(ごはん少なめにしても結構なボリューム!)。

でも、最後に付け合わせのオレンジは残さず食べておきたい。
ワンプレートにカットフルーツがのったお店が好きだから!

グータラコーヒー(三軒茶屋・カフェ)

ポエティックなメニューから物語を想像してオーダーするところからはじまるのが、『GUUUTARA COFFEE』のクリームソーダの特徴。
選んだのは #黄昏どきって指を鳴らしてクリームソーダ

夏に公開されるボーイミーツガールなアニメ映画みたい。見た目も味も、「どこから食べる?」ってソワソワする照れ臭さも。

産休前最後の取材で訪れたお店。
「記事、すごくうれしかったです!」って喜んでくれて、仕事をしている中で一番うれしいのはこの一言だなと噛み締めて、黄昏どきの三軒茶屋で指を鳴らしながら帰ったのでした。

自由軒(金沢 ひがし茶屋街・洋食屋)

今年は旅行は金沢しか行けなかったから、金沢から2店舗だけ。

小さい頃、洋食屋といえばここだった。お母さんに「金沢で一番最初の洋食屋」とか「金沢のオムライス発祥の店」とか教えてもらった記憶があるけど本当かどうかは定かではない。

でも、110年の歴史があるのは確か。重厚な石造りの建物は木造の茶屋建築が並ぶひがしの廓の中ではちょっと異彩を放ってる。

オムライスのライスは醤油風味卵は薄焼き固め
カウンターに座るとオムライスを包む様子、サラダ用の玉ねぎをスタタタンと切る様子が見れる。オーダーきてから玉ねぎ切るのすごいな。

お水じゃなくて麦茶なのも、紅しょうがが添えられてるのも、銀のオーバル皿なのも昔から変わらない。30年前から食べてるから、これはリアルノスタルジー

味噌汁がついてくる洋食屋さんっていいよね!

金沢おでん赤玉(金沢 片町・和食)

金沢グルメの巨塔といえば、海鮮、和菓子、日本酒。あるときから存在を主張しはじめた金沢おでん

金沢おでんといえば、観光客も地元民も『赤玉』。
魚介ベースの透明なつゆと貝や蟹など海鮮具材のおでんももちろんおいしいんだけど、湯豆腐と牛すじが絶品です。

どちらかというと関西味な金沢なのに、湯豆腐のつゆはあまじょっぱい醤油系。牛すじは脂っこくなくて2皿頼んじゃうくらいおいしい。

並ぶから夕方早めの時間が狙い目。

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三度の飯より食べることが好き”と、寝ても覚めても食べることばかり、というか食べることしか考えていない私にとっては、個人的にも「特別な1年」だった。
妊娠し、食べたいものが食べられない状況に陥り、15年ぶりのお酒を飲まない日々になった(現在進行中)。

なにが辛いって、生肉や刺身、フレッシュチーズが食べれないことでも、お酒が飲めないことでもなくて、「これ食べて大丈夫かな」といちいち立ち止まらなくてはいけないことが辛かった。
心配になり【〇〇(食材) 妊婦】とか検索しては、検索している時点で食べものに対して失礼な気持ちになったし、気にしないで食べたあとには「お子よ、大丈夫か…?」と後ろめたい気持ちに陥った。

でも、今年は飲み会が少なかったことで、杯を交わす人々の楽しい風景を前に自分だけオレンジジュースで耐えなくてはいけないような場がほとんどなかったことは、私個人にとっては幸いだったし、ノンアルが浸透してきたことでお酒が飲めないことはそんなに辛くはなかったし、遠出できないからと近所のお店を開拓することができた。

誰かと食事をする幸せ、ひとりでのんびりと食事をする贅沢さ、そして誰かが作ってくれた食事を食べる喜びも感じることができたとも思う。

「特別な1年」が世間ではどういう意味で使われているのかはわからないけど、私個人としてはこの特別な状況のおかげで今年もおいしいものにたくさん出会うことができました。


ごちそうさまでした。

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