すべての偶然を愛している・・・5
こんにちは、精神障害ピアサポート専門員愛音です
前回デイケアでフェスティバルに参加をした話でした
心の奥、どこかでもう一度頑張りたい
その気持ちが湧いてきたところまでお伝えしました
今回起きる偶然はどのような形でしょうか?
・明日も行きたいと思える場所を
フェスティバルが終わって数ヶ月
心の中で日に日に大きくなる言葉がありました
【B型作業所】
メンバーも通っている
話によれば普通にするバイトとは違い
障害に対して理解があるので気楽に通えるらしい
行ってみたい、もっと知りたい、
私が持っている可能性を思い出したい、
ネットでB型作業所を検索
そして実際2ヶ所の作業所に1人で行ってみました
一つ目はカフェタイプ、ただここはA型作業所でした
二つ目の作業所に足を運び偶然の出会いが起きました
場所は広い公園内にある休憩所のような作業所
そこでは軽食や飲み物を出していました
ここの作業所では掃除、軽食作り、接客が主な仕事内容だそうです
これを私に教えてくれたのは
・・・偶然いた作業所の代表の方でした
教えてくれたのは仕事内容だけではありません
私が今までの人生を話していき
「B型作業所に私は通えると思いますか?」
この質問に対しての答えが
「明日も行きたい、そう思える作業所に出会えたら通えます
それは人だったり、作業内容だったり人によって違いますが
いろいろと探した結果、一番の場所を探せるといいと思いますよ」
作業所としては働きたい!と思いませんでした
公園が賑やかになるシーズンには忙しくなることと
接客に対しまるで自信がないからです
ですがこの方の言葉は今も心にしまっています
【明日も行きたいと思える職場を探す】
・B型作業所利用開始
29歳の11月にB型作業所利用開始しました
選んだのはデイケアメンバーが通所している作業所です
パソコン作業、軽作業、外作業、
選んだのは【パン作業】でした
日常的に料理をしていたので
少しでも自信を持てるところからスタートしたいから
初めのうちの作業内容は簡単なものでした
焼きあがったマフィンやラスクを袋に入れてラベルを貼っていきます
それでも【働いている】という緊張感はありました
だから情けないことに週3日しっかりと通所するには時間がかかりました
よく電話で休みの連絡を入れていました
そしてバスと電車を使って通所することも全然慣れなくて
しばらくは父が車で送ってくれていました
信号が見えると「赤になれ!」と念じることも多々ありました
仕事が嫌いなんじゃない
仲間が嫌いでもない
慣れない【仕事をする世界】に飛び込んで
そこで呼吸する方法がまだ見つけられなかったからです
地域サークルやデイケアは馴染めて楽しかったのに
B型作業所は緊張して、緊張して、つぶれることもありました
根っこが真面目なせいで責任感を強く勝手に背負います
そんな私を見ていたパン指導のI先生がこんな約束を言いました
【頑張りすぎない約束しようか、
ここではもっと肩の力を抜いていいんだよ】
I先生は恩師です
働き方、パンの作り方、力の抜き方、楽しみ方、
その全部を教えてくれました
I先生がいたからB型作業所に明日も行きたいと思えました
・もう一度咲いた可能性
作業所に通うのに慣れた頃には袋詰め作業から離れます
本格的にパンを作る作業へ移りました
初めはもちろん出来ないことだらけ!
生地を丸める、分ける、伸ばす、包む、など
それでもI先生の手元をジッと観察し
アドバイスも聞き漏らさないよう集中
休憩に入ると忘れないうちにメモ帳にコツと注意点を書いていました
でも真剣にI先生の手元を見ていると
「真剣、いいねー。でも力抜いて楽にやっていこうよ」
気楽に楽しく、すると不思議と綺麗なパンが出来上がります
仕事を楽しく
これが可能性を咲かせたきっかけだったかもしれません
真剣にガチガチにやるのではなくて
楽しむこと、そしてどんなお客様が買っていくのか
それを想像しながら作ると仕事が好きになりました
恩師であるI先生との出会いで
長いこと眠っていた可能性が次々と咲きました
パン作りは手先の器用さも求められました
何度かやってみるとコツが分かり
なんとなく形になります
時々店舗に出て職員と二人一組で接客もしました
レジ打ちの仕事は楽しくやれて
「ありがとうございました」
これを言うことが大好き
【みんなで作ったパンを買って下さりありがとうございました】
お客様へ直接お礼が言える機会ですから!
・パン作業班のリーダーへ
1年半ほど通うと真面目さと作業の正確さを見込まれ
I先生からコッソリ
「俺は愛音さんがここのリーダーだと思って仕事している」
そう言われました
言われたときは「あはは、なったらびっくりですよ~」
軽く返しましたがこの言葉は本物になりました
作業で利用者にやらせないパンも作らせてもらえたり
地域の子供を対象としたパン教室を開いた際に
手伝いとして参加もしました
県庁へパンの販売に行く際も同行しました
嬉しかった、すごく、すごく
初めての作業所で、評価してもらえて
学校にいたときもリーダーなどはやらされましたが
それとは全然別の気持ちでした
本当の私をI先生は見てくれてリーダーと言ってくれました
力を抜いて楽しんで、作るときは常にお客様を思いながら
【私が作るパンで誰かの心が満たされますように】
次は私がピアサポーターを知った偶然についてお話しますね
*愛音*
不登校から精神障害を背負ったことを主に書いた
自伝的エッセイはこちらから↓
もう一度立ち上がり人生を歩き出した
その自伝的エッセイはこちらから↓
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