とっても不思議なホテルの話し
今から25年ほど前、当時の上司が自分のデスクからおもむろにある本を取り出した。
最近では見かけなくなった、ゴッリゴリのハードSM系エ◯本…。
そんなモノが会社のデスクから出てくることの違和感と、その濃い性癖の本を持ち出して人に披露してしまう上司に羞恥心は無いのかと、しこたま驚き、
「そんなもん、なんで会社に持ってくんスかぁ?
それにしても濃いッスねぇ!」
と大声で笑ってしまった。
「ほんな趣味ないでぇ。これ、便所の上や」
と、なんと訳のわからない事を連続で並べてくるんだ???と疑問しか浮かばない会話で、困惑してるところに、
「今度の出張であったらええな」
と畳み掛けられた。
読んでる皆さんも全く持って理解できない会話、
でもこれ、事実なんです。
なんだかわかんねぇっすよね。
ま、こんなくだらないハナシを引っ張っても仕方ないので結論を話すと、まずはビジネスホテルのユニットバスのトイレに座って天井を見上げたところを想像してもらいたい。
大抵の場合は「点検口」と呼ばれる外れる部分があるんですよ。
便座に乗っかって「ガコッ」とコレを外して、その中を覗く。
そうするとですね、これがなかなかの確率で出てくるんです、◯ロ本が!!
「はぁぁ?!何いってんだコイツ?!」
と、なるのはよーくわかります。
オレもそれが事実だと、便所の上で本当にエ◯本に遭遇するまではそう思いました。
でも、これ、事実。
これはオレが住んでる地域に限った事ではなく、当時は日本全国のビジホで確認出来た事実でして、オレ自身は新宿のホテルや京都、気仙沼や盛岡、秋田他全国いろんなところで遭遇、その時勤めてた職場では皆んなが当たり前のように確認してます。
なんでそんなところにあるかは全く持って謎でしかなく、
「点検口エ◯本しまっちゃうもんね友の会」
なんてものはSNSはおろかインターネット創成期の当時では結成されてるはずもない。
でも、でもですよ、あるんですよ、これが。
それも趣味嗜好がかけ離れたモノが2冊なんてこともあったりするんです!
それは当時のビジネスマンの嗜みか、日本全国津々浦々それがまかり通っていたのは間違いのない事実。
それなりに年齢がいってるおっさんがこれを読んで、
「知ってるぜ!オレは知ってるぜ!その事実!」
という方はどしどしコメント欄に書いて貰えると嬉しいのだけど、信じて貰えるだろうか。
でもね、なんでそこに置いてきたくなっちゃうのかって気持ちはなんとなーくわかるのです。
オトコがひとり寂しくビジホに泊まり、なんだか知らないけど突然の開放感に包まれ、当時はデリヘリなんてものもないもんだから、コンビニで買い物したついでに「ついつい」◯ロ本に手が伸びてしまう。
一晩明け「ソイツ」をゴミ箱に捨てるのもはばかれ、まさか持ち帰るわけにもいかない我に返ったお父さん。
なのであちこち見渡し、発見したのが点検口で、ってことなのでは、というのがオレの推理でして。
で、これが多発的に様々な地域、時代で行われてたと。
実際一番ビックリしたのが新宿のホテルでのこと。
チェックイン早々お楽しみの点検口を確認してみると、当時から10年も前(1989〜1990年)のワンコインエ◯本「熱烈投稿」が顔を出す!
それもまさかまさかのオレが高校時代に持ってたのと同じ号が!!
なんだよ!持ってなかった号だったらよかったのに!なんてことはさておき、
ソイツは10年間もそこに眠っていたわけで、
オレのような
「点検口エロ本かくしちゃうもんね友の会」会員さんがすでに10年前には存在していた!という証拠なんですよ!
オレに確認される間にも多くの会員さんが、覗いては取り出し、また仕舞う、を繰り返し繋がれた10年間のこのバトン。
顔も知らない歳も時代も違う全国のビジホ利用者の、実にくだらなくも深い深い絆には驚きを隠せないのはオレだけじゃあないはず。
当時このハナシをオレのHPで書いたら、様々な人が、
「あったよ!本当にあった!!」
と、このくだらなくも素晴らしいネットワークを体感し報告してくれたのは懐かしいハナシ。
まぁこれは、残念ながら当時のハナシで、今ではビジホに泊まる機会もほぼなくなってしまったのでオレ自身が今の現状は確認できないのと、当時でもキレイめで新しいホテルだと遭遇確率はグッと低下してたので、今では難しいかもしれないのが悲しくも寂しいハナシ。
ただ、コレを読んだ男子諸君(いや、女性でも構わないが…)、ビジホに泊まる時は、何よりも先に便所の上を確認してみてくれ。
SNSよりもずっと古くから形成されている時代を超越した濃いネットワークに触れられるかもしれないぜ。
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