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テーブルという舞台をつくる

「カンパーイ!」

わが家では、特別な日には半日ほどかけて料理をし、みんなでテーブルを囲むことが恒例になりつつある。

当日までの流れ。

1.家族のスケジュールをおさえる
2.主役のリクエストを確認する
3.買い出しにいく
4.料理する
5.写真撮影をして記録に残す

この中で決まっているのは、主役のリクエストに応え、あなただけのテーブルをつくるってこと。一番気を配っているのは子どもたちの公平性だけれども、誕生日、雛祭りやこどもの日などを仕分けると自ずと平らになるので、たぶん大丈夫。


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先日のこどもの日のテーブル模様をご紹介。今年のリクエストは、鶏肉の紅茶煮と生春巻きだった。


‣  鶏 肉 の 紅 茶 煮

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紅茶で煮込んでるときのおいしそうな香りといったら。子どもたちも「いいにおいがする~!」ってのぞきに来る。

ごちそうっぽいのに、つくり方は簡単。鶏もも肉の下処理をていねいにし、棒状にまとめ、タコ糸で縛る。それを紅茶とともに1時間ほど煮込み、アツアツを白髪ネギや玉ねぎのスライスとともにつけ汁(醤油、酢、砂糖、ごま油)に浸す。味が染み込んだらでき上がり。


‣  生 春 巻 き

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すきな具材を用意して巻くだけ。ちなみにこの日は、サニーレタス、きゅうり、キャロットラペ、ニラなどお野菜たっぷりに。くるみダレをつくり添えて。


‣  あなただけのテーブル完成図

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鶏肉の紅茶煮、粉ふきいも、野菜たっぷり生春巻き(くるみダレ)、紫玉ねぎともち麦のマリネ、豆ごはんのおにぎり、いちご。

リクエストを中心に、色合い、栄養、食べ合わせなどを適度に考えて。


ちなみに、昨年のこどもの日はこちら。

‣  ちらし寿司メインのテーブル

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宝石箱だわ


一つひとつの具材をていねいに準備するところが、ちらし寿司をつくる楽しさ。クライマックスの盛り付けでは、ちょっぴり緊張する(笑)単純そうに見えて、形や彩りなどのバランスがむずかしいと感じる。


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始めてからかれこれ10年以上の月日が経った。その間、住まいが変わっても、子どもが1人から2人になっても、社会復帰をしても、変わらず繰り返している。

食卓をつくることは、わたしにとって愛情表現の一つなのだと思う。特別な日は、その意味合いがより色濃くにじみ出る。それは、母親の眼差しや時間が、自分に向けられる喜びを知っているからかもしれない。多くの人は「あなたのために」って嬉しいものだ。ここまで続けることができたのは、この「テーブルという舞台づくり」を純粋に楽しめるから。映えが目的ならば、さすがに10年は続けられなかった気がする(笑)そう気張らずに、あなたのためってだけでもう十分に特別なのだからと、毎回じぶんに声をかけて。

兎にも角にも、健やかな成長をありがとう。出会ってくれてありがとう。

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こどもの日の主役は息子





余談。子どもの頃、わたしがお母さんになったらの妄想をしてた。たぶん小学生くらいから。どんな内容だったか、大半は忘れてしまったけれど、けっこう具体的に描いてた記憶がある。母になり、それらを叶えていると感じることがある。それは、描いた内容を実現しているというより、もう少し大きな意味で。

テーブルを前に幸せそうな顔をする子どもたちを目にするたび、奥の奥の方からすーっと満たされ癒され解かれる。このとき、願いを叶えてもらったという感覚が落ちてくる。そして目をつむると、そこには言葉ではいい表せないほど素晴らしい世界が広がっている。しいて表現するならば、あたたかく、まろやかで、何もないのに全てがあって、そして平和な色を放つ。

もしかしたら、それこそがわたしが描いていた夢、なのかもしれない。


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