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コラム#1 人が宿った穂高のごはん

2019年の春、長野の安曇野にある穂高療生園というリトリート施設でゴールデンウィークを過ごしたことがありました。

Retreat(リトリート)は「退去・隠居・避難」という意味で、普段の忙しい生活から少し離れて、自分自身をリラックスさせる場所(や休日)というニュアンスで使われています。



長野自動車道安曇野インターから南アルプスを目の前に暫く車を走らせると、手作りの立て看板が施設の場所を知らせてくれます。

松林に囲まれた木造平屋建ての「里の家」、道路を挟んで向かいには土壁で建てられた「新棟」、そして更に山の奥にある「森の家」の3つの棟から構成されています。私は当時新しくできたばかりの「新棟」に2泊3日の宿泊をしました。



今日はその時の様子を思い出しながら、その時感じたことなどをお伝え出来ればと思います。



新棟を入ってすぐに談話スペースがあります。そこにはオープンキッチンが併設されていて、2名のキッチンスタッフが、何時間もかけて手の込んだランチとディナーを用意します。


温泉やYogaのプログラムがあるだけで他には何もない場所なので、日中はそのスペースに集い、キッチンからご飯の炊ける香りを感じながら、各々が本をよんだりお喋りをしたり思い思いの時間を過ごします。


そしてごはんの時間が来ると鐘が鳴り、宿泊客はひとつのテーブルに集まって、皆で食事をいただくのです。


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<リビングに面するオープンキッチン>


じっくりと作られたご飯は格別に美味しく、それを囲む空間はとても暖かく、言いようのない幸せを感じました。


ひとつひとつの味に気持ちが集中していく感覚で、心で食べている、という表現がしっくりくる感じ。

雑音がない中で、ただひたすら五感を使って食べる。

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なんとも表現が難しいのですが、、、あの自分を最大限活かしていくような感覚、食べながら全身をスキャンしていくような感覚は今でも忘れられません。

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<丁寧に作られたご飯>


どうしてそう感じたのか?ちょっと分析してみました。

・何もないスペースで、五感に集中できるから。五感に集中することは自分に気づくこと。これが自分をスキャンしていくような感覚だったのでは。

・笑顔の素敵なスタッフが、朝から仕込みをして、ご飯を炊いて、おかずを炒めて、食べる前には細かく説明をして、一緒に食べる。その一連の流れがあって、より美味しく感じる。つまり、料理そのものだけではなく、それを出す人の雰囲気や想いを感じたり、手間を感じたり、“誰かの存在”を感じることが美味しさにつながる。心で食べる感覚。

誰かの存在を感じること=コミュニケーションの一つ。誰かとつながる感覚。幸せ。誰かの存在を感じること。そして自分自身を感じること。これが心が動かされる、幸せを感じるときなのかもしれない。

それがあの感覚に繋がったのかもしれないなと思います。

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ちょっと考えすぎでしょうか?笑



でも、私は“手書き”も、これに通ずるところがあると思っています。

人が手書きで書く文章は、ちょっとした癖や筆圧、消しゴムで消した跡なんかも含めて誰かの存在を感じるからこそ、暖かいし、人との繋がりを感じる気がします。


さて、そんな穂高のご飯。普段は和食が多い印象ですが、私が行ったときは洋食のバイキング式朝ご飯が出ました。

レシピをスタッフの人に教えてもらったので、

今日はその中から一つ”ジャガイモと玉ねぎのスープ”をご紹介します。

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穂高で食べたジャガイモと玉ねぎのスープ(4人前)

ジャガイモ 中5個
玉ねぎ 中1個
昆布だし 350㏄位 (具材がひたひたになる量)
(玄米)炊いたごはん 大さじ1
豆乳 適量
塩 小さじ1
ごま油 少々

Topping
コショウ・ごま 少々


作り方
①玉ねぎを薄切りに、ジャガイモは薄切りに切る。
②鍋にごま油を熱して、玉ねぎを中火で炒める。
油が絡まったら塩をし、透明になるまでじっくり炒める。
③②の鍋に、じゃがいもを加え、油が絡まったら、だし汁とご飯をいれる。蓋をしてじゃがいもが柔らかくなるまで煮込む。(中~弱火で15分)
④③をミキサーに入れて液体状にする。
⑤鍋に④を戻し入れて、豆乳で硬さを調整し、再度温める。
⑥塩コショウで味を整える。→完成♡

Toppingにお好みでコショウやごまなどをかけてお召し上がり下さい。

ポイント:玉ねぎを焦げないように、じっくり火を通すことで、甘味がどっと出て美味しく仕上がります。

ご飯を入れることでトロッとボリューム満点に仕上がります。お腹に優しいので、体調不良の時におかゆ代わりに食べても良いかもしれません。

夏場は冷たくして召し上がれ♪

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