エピソード#76 認知症の方が見ている景色。
認知症の方の通院送迎は増えています。認知症にもさまざまな症状があります。関わらせていただいて 大変なこともありますが、関わらせていく中で 信頼関係が築かれ、『通院する時に迎えに来てくれる人』ということで、認識していただけているのがわかると 嬉しくなります。
2018年に書いた記事より。
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昨年に 関わらせていただいていた高校で 認知症サポーター養成講座があり、私も参加させていただいて このオレンジのバンドを頂いた。
今は 伊豆おはなの名札と一緒に ぶら下げて身に付けてます。
ご利用者様の中には 認知症の方も いらっしゃり、症状はさまざまです。
最近の出来事で 印象強かった場面。
定期的に通院送迎している方のお宅へ通院のために訪問。
お孫ちゃんは お友達と折り紙をしていましたが、私が訪問すると「ばぁば~、来たよ~」
とご利用者様の部屋へ先に入られました。
ご利用者様は「あのね、困った。小亀があっちこっちに逃げちゃった。捕まえて保健所に連絡しないと」と四つん這いで 必死になにかを集めている動作をしている。
お孫ちゃんは 心配そうな表情。
私は 「亀ね、たくさんいたから 集めて保健所に連絡しました」と ご利用者様に伝えました。
ご利用者様は、「あら?そう!もう集めて 保健所に連絡してくれたの?ありがとう」とにっこり。
安心されて 通院されました。
私には見えなかったけど、ご本人には、見えている小亀たち。
昔、大学病院勤務時代にも印象強かった患者さんがいた。まだ 認知症という言葉は 浸透してなかった位の時かな。
病院のA棟からB棟を徘徊してしまう高齢の男性。
付いていくと A棟からB棟を繋ぐ廊下まで行くと 急に歩くスピードがゆっくりになる。
話しかけると「シーッ!」と言われる。
観察していると どうも戦争している土地に行っているような感じ。戦地では 隊長をしていたという情報も 受け持ちナースから聞いていた。
「隊長、どうしますか?」と聞いてみたら「今のうちに あっちに移動するぞ」というため、言われた通りにしてみた。
そして 「隊長、今日はもう戻りますか?」と聞いてみると「よし。戻ろう」となり、B棟からA棟に戻る廊下で、表情が変わり、戻る病室がわからなくなってしまう。。。入院中は ずっとこんな感じの方でした。
ご本人にとっては、A棟での自分もB棟での自分も、どちらも自分。
あの廊下で タイムスリップをし、私には 病院の中を移動してるだけだったけど、本人にとっては、景色も戦地だったのだろう、、。
認知症の方が見ている景色。
私には同じ景色は見えないけど、想像をすることはできる。
相手になるべく寄り添う、、。
家族だったら 冷静になれないかもしれない。
ご家族含めて 寄り添えるようなケアができるように がんばろ。
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