人生の軌道ずらしを実行し始めたきっかけ

毎日の激務をきりきりとこなしていた社会人4年目の夏、月経、つまり生理が何回もきた。

それまでは社会人になってから、1ヶ月近く長くダラダラ続いたり、予定通り来なかったりだったが、終わったと思った生理が4日後ぐらいにまた来たときにようやく焦った。(終わったと思った仕事が終わってなかった、みたいなものか。)

生理痛もどんどんひどくなっていた。これは生理じゃない、不正出血だなと、さすがに婦人科に行った。
透き通る肌•黒い髪の美人女医が診察してくれてテンションが少し上がった。

そのままはじめての診察台に腰掛け、股を広げて、膣の中に器具を入れられ、少しの肉片をとられる(多分。間違っていたらごめんなさい)。色々すごく恥ずかしかったけど、まだ美人女医でよかった。女とは大変だと改めて痛感した。

採血もしたかな。こっちが衝撃的すぎて覚えていない。


その後、エコーか何かの写真を見せてくれた。白黒でよくわからないが、何か丸い一帯がツブツブしていたと思う。美人女医が気怠げに言う。

もはや内容ははっきり覚えていないけどこんな感じだった。「チョコレート膿疱になる手前です。このままだと妊娠できなくなったりする。治療のためにピルを処方しますね。」女医の黒い瞳が印象的だった。
妊娠できなくなる。ピルで治療する。なんとなく視界の端にあった知識が目の前に急に立ち塞がってきて、ガーンときた。
原因はストレスで間違いないと確信した。

その頃私は自問していた。「10年後、35歳。同じ仕事をやっていたいか。」

答えはうやむやにNOだった。NOを実行することを恐れていた。当時の部署では、異動希望で手を挙げる(社内公募で自己推薦で異動することを指す)ことはキャリア的に「死」を意味すると、度々管理職の皆様から牽制されていたからだ。

実際、私の上位上司だった人は、一度手を挙げてその部署を離れまた戻ってきた経緯のある方で、割と優秀だったのに出世が遅れていた。

また、人事交流の名目で他部署へ異動するやり方もあったが、対象は中堅の人たちで、4年目程度ではよそにやれるほど実力がついていないということで、私に適用するのは無理そうだった。腐っても大企業にいてそんな実力しか今はないのだから、さらに転職なんて、わたしにはもったいなくて、とても無理だと、ぐるぐる考えていた。


けれども婦人科受診後、もう一度自問した。「10年後、35歳。同じ仕事をやっていたいか。」

明確にNOだった。身体に不調が見えて初めて、自分自身のことをようやく見据えることができたのだった。

鬱陶しいとされる月経に救われて、でも結局は振り回されているのかもしれないな。

女の人はこうやって毎月、自分の健康を振り返ることができるけど、男の人は毎月のものがないから倒れてから気づくんだろうな。

そうまでなるまで、無理しなくても良い生活•社会にしたいなと思う。

ちなみに数年経った今も、快適すぎてピル生活は続いている。


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