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眠れない夜の独り言、死ぬのが今じゃないのなら

人生って不思議。

もしかしたら、こうだった人生があったのにって思うことがたくさんあるけど、今この人生は確実に私が決めてきたし、どうしてそう決めたの?って聞かれても、特にこれといった理由がない。

私の人生はそういうものでできている。

ただ、なんとなく、こう思うからって理由で決めてきた。

結婚も、就職も、退職も、考えたらもっと良い選択はあったと思うし、これで完璧なんてものはない。

もし入念に準備をしていたらきっと、もっといい人生を歩めたのかもしれない。

もっと思い通りの人生が手に入ったのかもしれない。

だけど、大体いつも選択をしなくちゃいけない時って、突然だったりする。

時間がないからとにかく最善を尽くした結果、今があるのだね。

色んな可能性があった人生で、今がある。
全てはタイミングと巡り合わせ。

もしかしたら今でもアメリカに住んでいて、アメリカ人の旦那さんと暮らしていた私がいたかもしれない。

映像制作に情熱を注いでそれなりに有名になって自分の好きなことができたかもしれない。

鬱病にならなかった自分がいたかもしれない。

辞めずにコツコツゲーム会社で地位を築いてチームで楽しく働けていたかもしれない。

子供が3人もいた人生があったかもしれない。

考え出したらキリがない。

だけど、それなら、

今ある全てのものが、存在しなかった世界もあるんだね。

今ある全てのものが…。

わたしは、有名人でもなければお金持ちでもないし

仕事もない、子供もいない。

多分世間一般から見たらそこそこ底辺かもしれない。

だけど、私は今ある細やかな日常と幸せをとてもかけがえのないものだと感じる。

私の後ろをついてくる愛犬。

むちゅっとした顔が可愛い愛猫。

心地良い風、綺麗な空、良い匂いがする洗濯物。

他愛のない話ができる商店街。

ケンカは多いけど、私の帰りを待つ夫。

だからきっと、私は無意識に本当に欲しかったものを全て手に入れてたんだね。

それなら、これからの私にできることは、

今あるものを大切に、大事に、幸せにしてあげること。

私にあるものなんて本当に少ないから。

せめて私の腕に収まるくらいのそれらを、

一生大切にしていきたい。

それをまっすぐな気持ちでできるようになった時にきっと

わたしは幸せに死ねるんだろうな。


実はホテル滞在中にコロナになってしまい、しばらく高熱で寝込んでいた。

幸い夫とは離れていたため、家庭内感染にならずに済んだ。

ホテルの人には迷惑をかけてしまったかもしれないけど…。
でも特に会食もせず1人で行動をしていたので感染経路が全く思い浮かばない。

ただ、結構しんどくて、うなされながらもしかしたら死ぬのかなってぼんやりと考える時間があった。

もう明日私は目を覚さないかもしれない。

死ぬことを考えたら、特に未練もなかった。
死にたくないとも思わなかった。
ずっと死にたかった私だから。
これで死ねるなら、楽だなとさえ思った。

この生きづらい世界で、
これ以上無理して生きたくないと、心が泣いていた。

だけど私はウイルスに負けずに回復した。

私の身体はまだ生きたいんだ。
生きていきたいんだ。
良くなりたいんだ。

考えたら、鬱病が良くなったのも、「生きたい」からだったよね。
この辛い世界の中で、それでも生きることを選んだから、だよね。

死にたいは、生きたい、なんだよね。

そしたら、なんだか色んなことが馬鹿馬鹿しく思えたんだ。

わたしが抱えていた悩みは消えるわけではないけれど。

母の言葉がまた頭をよぎる。

いつまで経ってもわたしは上に行けない。

私はもう、そういう世界とは、おさらばしたいんだ。

違う世界を歩みたいんだ。

どうせいつか死ぬのだから、私にとってそのタイミングが、「今」じゃないのなら、

誰かを大切にしてから死のう。

私と出会えたことが、良かったと心から思えるように。
人生かけて誰かを幸せにしよう。

私が、支えられる分だけの人達を。
私が、抱えられる分だけの幸せを、取りこぼさないように。

今までの私は、何も築けなかったけど。

これからの私は、守ることができるから。
守りたいから。

そう決めた、決められた。

これも、私の人生の選択。

だからもう少しだけ生きさせてね。

もう1人の私。

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