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まず、前回の記事、(その1A)をリンク添付させて頂きます。
では、執筆を進めます。
【論点1】河村の海外挑戦のより現実的なタイミングはいつか?またその場合、より現実的な移籍先はどのリーグか?(後編)
(その1A)で、当初は河村のことを綴る構想が、イメージ以上に「帰化枠/アジア枠/外国人選手」のことに文章量を充てる感じになったので、実はこの(その1B)は、書き出しが(その1A)とほぼ同じ感じになってますことを、何卒御許し下さいの感じです。
そう、いま、今回の記事の冒頭で、『月刊バスケットボール』最新号での河村勇輝へのインタビュー記事での、「今後の動向に直結すること」の部分を引用させて頂きました。トップ画像も、今回は河村を用いさせて頂いてます。
この2023年の「年始1回目のnote」。「河村の海外挑戦の可能性を考える」をテーマに選びました。理由はシンプルに、「最もホットなテーマ」であると判断したからです。
で、このときに、自分は下記の趣旨を綴らせて頂きました。
で、「移籍市場の論点」は、昨オフ(2022年オフ)も綴らせて頂きました。
2022年版では、「6つの論点」として下記のことを挙げていました。
結論を述べると、「2022年版」では、「盛大に外した」感じです。
例えば「エバンスが琉球→広島への移籍」とか、自分は「いや、移籍する合理的理由があるのか?」と感じていましたので、正直とても驚きでしたし、「えっ」と驚くことがめまぐるしく起こる、「だから移籍市場は面白くて恐ろしい」、と考えさせられる感じでしたけど。
1つ挙げるならば、今季強く感じていることの一つで、比江島は「生涯宇都宮」が事実上確定といえること(比江島は宇都宮の「名誉生え抜き」と考えてよいと自分は思ってます)。
今季は「すっきりした」(もうこれは6月の「折茂さんの引退試合時」から既にその感じでしたが)感じが伝わって、恐らく比江島の中では昨季のCSのときには契約延長のサインで心は決まっていたと想像しますし、そもそも「お金ではない、ただ純粋にバスケに打ち込める環境を」という人間であることも想像できていましたけど、チーム成績はともかく、個人としては「昨季と同等以上に充実が伝わる」感じが伝わります。
昨オフに新たに複数年契約を結んだと推定されていて、自分は恐らく「3年契約、それだと仮定して現行契約は2025年夏まで」では?と思っていて、尤もこの「長期大型契約」が終わっても引退まで宇都宮でプレーし続けると考えてよいのイメージですけど、たとえ「長期大型契約」であろうとも、プラスの意味で「比江島という等身大の姿勢は変わらない」感じが伝わって。
確かに、今季の宇都宮のチーム成績は「不本意感に尽きる」といわざるを得ないでしょう。「ムエンゴ」という言葉がありますが、今季の宇都宮は「比江島がほぼ孤軍奮闘状態になってしまっている」と。
「不良債権」「死刑囚」という言葉、自分的に「大嫌いな言葉」ですけど、一般にNBAでは「その選手の長期大型契約がチームの成長・工場の足枷(マイナス)になってしまうこと」を意味する傾向ですけど、今季の比江島の場合はこの「逆パターン」、つまり「周りがムエンゴが故に、結果として長期大型契約の1年目が(傍目には)不本意になった感じ」といえます。尤も本人的には、恐らくの感じとしては
「いや、チーム成績は確かに不本意だけど、チームに不満という訳ではない。」
と想像するんですよね。
で、比江島の「30分換算でのEFF」は
「昨季(18.03)→今季(18.02)」
ですので、「日本人で現役no.1のSG/SF」として健在なことが伺えます。
その一方で、宇都宮は今季、
「実際順位(9位)、チームEFF(19位)、得失点差(10位)」
で、今季は「勝率5割程度」(←これでもだいぶ状態を上げてきてはいる)と苦しんでいる訳ですけど、実は「チームEFF」に照らせば、「これでも勝利数をかなり拾っている、実際のチーム力はもっと酷い」なこと。
で、この原因・理由はシンプルで「得点力不足、というか攻撃が『ほぼ比江島依存』」であること、これを要改善になる訳ですけど。
それに比江島は、昨季に「優勝」を叶えている。
優勝を1回でも叶えた時点で比江島の宇都宮での挑戦は「成功」といえる、という感じなんですよね。
勿論、今季のチーム状況は不本意だろうと想像ですけど、宇都宮の雰囲気自体は「少なくとも、悪くなっているとは思わない」。
とはいえ、比江島がCSにいないことは、一バスケファンとして「寂しい」ですので(真顔)、今オフに比江島の「ムエンゴ」状態を改善するための補強をどう進めるのか、「どうなるか、見てみよう」の思いでいます。
で、今オフ、つまり「2023年版」。あくまでも「現時点で」の注釈付きですし、昨オフとは異なり、今オフは特に日本人選手では、実は「移籍市場に出る可能性が一定以上ある」「移籍した方がよい合理的理由がある」選手が数えるほどしかいません。これは、直近の2年間で「有力日本人選手がかつてないほどの大移動になったから、その反動で今オフは移籍市場はわりと静かになる可能性が高いのでは?」ということが正直あります。
では、「Bリーグの移籍市場、2023年版での論点」。
今回は「4つの論点」として、下記を挙げさせて頂きます。
今回は、「論点」「注目選手」と共に、「その理由の概要」も、先に示させて頂きました。
これは、今オフは「Bリーグの勢力図に一定以上の影響を与えるであろうレベルの有力日本人選手の移籍自体が、恐らく上述の選手くらいにとどまるのでは?」という読みが正直強くあるからです。
勿論あくまでも、ボールは各選手側にあります。河村の国内移籍は「事実上ゼロ」と先述させて頂いてますけど、あとの3選手の場合でだと
「客観的に見れば」ではありますが、上述の感じになります。
客観的には「移籍する合理的理由がある」、でも人間の心は「そう簡単に割り切れるようにはできていない」訳ですので。
(現に自分自身がそうで、「合理的に立ち回れる人間だったら」、回り道の人生はしていなかった訳で。でも回り道は自分には必要だったといまならば思える訳で、回り道を余儀なくされたことを通して、いくつもの「学び」「出会い」をできた意味で、大きな意義はあったと。)
そう、「何かを決断する」ことにおいて「絶対的正解はない」こと。
例えば「比江島」、負傷もあって6thマンに回された「2020-2021」。
「移籍した方がよい」という声が多くありました。自分が比江島の立場ならば、(どう決断するかは別として)「全ての選択肢をテーブルに乗せる」を確実にしたでしょう。
でも「移籍が脳裏をよぎったことは1度や2度ではない、でも宇都宮に残留してよかった、だからいまの自分がいる」、今季、比江島はインタビューでこの趣旨の言葉を述べています。
あるいは、「松脇(三遠→琉球)」。昨オフの移籍市場での注目選手の1人でした。理由はシンプルに「良質の3&D」「若さによる伸びしろ」から。
複数球団による争奪戦といわれてましたが、早い段階で移籍先は琉球に決まりました。
正直、「いや、例えば宇都宮とかの方がより輝けただろう…」と思ってました(というか、いまもそう思ってますが)。
現に「30分換算でのEFF」は「昨季(7.55)→今季(4.84)」。
そう、「一選手としての価値」は、数値上は「CSレベルから陥落」になってます(目安である「6.00」を結構下回っている)。
ですが、試合を観ると、松脇は「昨季より今季の方が、活き活きしていて映る」のです。そう、数値上でみれば「移籍は失敗だったのでは?」と映るけど(特に攻撃面での数値は軒並み下がっている)、結局は「本人が納得できているかどうか」になる訳で、その意味では「成功かはわからないけど、失敗とは思わない」といえます。
これは松脇の場合でだと「優勝を現実的に目指せる球団に行けたから」が恐らく大きい、それが活力になっているからかな、と想像ですけど。
それと松脇の場合、「EFF」や「攻撃面での目に見える指標」でいうと「移籍は失敗だったのでは?」の解釈になりますが、「±」では「+195」で、これは「チーム5位」です。出場時間換算でだとより跳ね上がりますし、これを「ベストラインナップ」にあてはめると
「岸本-松脇-今村-ダーラム-クーリー」
と、見事にあてはまります。そうなると、特に「4Qのクラッチタイム時」は、むしろ松脇を起用した方がよいとなる訳で、その意味で「存在意義はあると確実にいえる」「琉球に移籍した意義は、確実にあるといえる」と。
これもまた、「バスケの奥深さ」と感じます。
「人間が生きることにおいて最も大切なことは、『その人らしく』生きられること。」
自分の価値観はこれです。ですので、これから「一バスケファンとして、客観的な目線として」(「ドライな目線」と解釈してよいです)、綴らせて頂きますけど、「後悔しない決断をして欲しい」、それが純粋な願いなんですよね。
そう、「その球団の現時点での志向するスタイル・立ち位置」に照らして、「この選手がより輝ける球団はここだと思うよ」という目線でこれから綴らせて頂く訳ですけど、「その選手の人生はその選手自身のことである」訳ですし、「最終的なボールはその選手自身にある」訳ですので。
では、話を【論点1】、つまり「河村」のことに戻します。
(自分の中での)基本的な解釈は、年始のときと大きな変化はないです。
では、どういうことか。
いま、「マーキース・ノウェル」が「河村の今後の海外挑戦に向けてのキーフレーズになる」と述べました。
実はこの「ノウェル」は、1月19日のnote記事で言及させて頂いてます。このときは「今オフ、Bリーグで観たい新外国人の正PG」という趣旨で綴らせて頂きましたけど。
ノウェルの特徴は、より細かくは、リンク添付させて頂いた1月19日のnote記事を参照されたしですけど、わかりやすくかみ砕けば
です。ノウェルの身長は「173cm」、河村の身長は「172cm」です。
で、このノウェル。3月下旬の「NCAAトーナメント」で、なんと「19アシスト」という「NCAAトーナメントの新記録」を樹立しました。
とても嬉しいことと共に、「これでノウェルは、NBAへの扉を自らこじ開けたといえるのでは?」と、このときは感じたんですよね。ですけど…。
趣旨としては、
(←「2way契約」の説明は、このリンク添付を参照されたしです。)
そう、「1月2日」「1月19日」それぞれのnote記事で説明させて頂きましたけど、NBAのここ3~5年の傾向として、
「身長が180cm未満のPGは、原則『門前払い』である。」
の傾向が顕著になっています。
そう、いまリンク添付させて頂いた、佐々木クリスさんの書籍『NBAバスケ超分析』で示されてますけど、特にNBAでは、この3~5年程度で、戦術・スタイルの傾向が一気に大きく変化しています。
(理由は複合的と考えられるが、「統計学(いわゆるセイバーメトリクス)の急激な発達で、『より合理的なチームづくりとは何か』が可視化しやすくなったことが大きいのでは?」と自分は思ってます。)
その結果、「身長が180cm未満のPG」「3P能力がない古典型ビッグマン」は、NBAから一気に淘汰される傾向になったと。
(「3P能力がない古典型ビッグマン」がNBAから完全にいなくなることはないとは思っていて、実際に現時点でも「ニック・クラクストン(ネッツ)」「クリント・カペラ(ホークス)」等がいますので。
ただ、「3P能力がない古典型ビッグマンは1人までが限界である」こと、これはBリーグでも「昨季の広島、ジャクソンとエチェニケ」「今季の大阪、オマラとハント」が「両雄並び立たず」が残酷なほどに証明されていることで、はっきりしているといえます。
例えば「ジャック・クーリー(琉球)」がBリーグでは異次元レベルですけど、それは「NBAの戦術傾向の変化にもう合わない」という烙印を押されてしまったからも背景の一つでは、と自分は正直感じてます。
低身長のPGでも、NBAで活躍している選手は、いるにはいます。
アルバラード、マクラフリン。2人共にドラフト外からNBA入りを叶えて、第2PGとして居場所を確保できています。しかもこの2人は、「NCAA時代の成績は実はノウェルより下回っていました」。
ですけど、低身長といっても、アルバラード、マクラフリンはいずれも「180cm」という最低ラインはクリアしている。
でも、ノウェル(173cm)、河村(172cm)はこの「180cmライン」を下回っている、これは無視できないことといえる大きな相違点です。
恐らく現実的には、ノウェルは低く見積もっても「ドラフト外ルート」あるいは「2way契約ルート」で、NBAのステージに立つことは叶うのでは?と現時点では読んでいます。
「NCAAで結果を出している」「守備力がある」ので。低身長のPGが不安視される理由の一つは、「守備力の不安を、どのように克服するのか?」ですから。
ですけど問題は、ノウェルが「NBAのステージに立つことが叶うのか?」、それを突破できたとして、「NBAでどれほど輝けるのか?いや、出場機会をどれほど与えられるのか?」が重要になってきます。
いま、4人のPGをリンク添付させて頂きました。
このうち「Kay Felder」(ケイ・フェルダー)を除けば、いわゆる「低身長PG」という感じではありません。ただ、全員が河村と「ある共通の特徴を持つ」、そしてこの4人は全員が「あるリーグに在籍している、そしてそこで輝けている」のです。
いま挙げた成績。これは、中国CBAは中心選手への依存度が主要各国リーグの中でも特に「中心選手への依存度が突出しやすい傾向である」ことに留意の必要があります。また外国人選手は「自分の価値・存在意義を証明したい」想いがより強く、それも相まって「USG%が跳ね上がりやすい傾向になる」ことにも留意になります。
一つの目安として、「『USG%が30%超え』になると、『その選手への依存度が特に高い』『その選手のボール独占傾向がより強い』ことを意味する」といえます。
この「USG%」「A/TO」とかに関係して、より話を掘り下げます。
(←「ボールホグ」について特に詳しい参考動画。
「ボールホグ」とは「ボールを独占する傾向が強い選手」の意味。
動画では「ボールホグの代表例」として「アイバーソン、マーブリー」に言及されてます。)
(←「USG%」をより強調できるようにリンク添付させて頂いてます。
「中国CBA」が「USG%」が跳ね上がりやすい傾向にあることが、より伝わるかなです。)
(←「AST%」をより強調できるようにリンク添付させて頂いてます。
「中国CBA」が「AST%」が高い選手がより多い傾向にあることが伝わるかなです。
それと、斎藤[名古屋D]の「44.8%」という数値だって充分にすごいのです、「能力的には中国CBA、豪州NBLでも通用できるのでは?」ということが伝わるかなです。)
で、河村の「USG%」は「33%台」である、これは正直とても高いです。これはBリーグでも異例の数字といえます(そもそもPGは「USG%が高くなりやすい」のはある種当然ではありますが)。
ですけど、河村の「USG%」が跳ね上がるのは、自分は下記のように解釈してます。
個人的には、少なくとも「アイバーソン」「(ロケッツ時代の)ハーデン」「ドンチッチ」も、「単純なボールホグ扱いは心外だなあ」と思ってますけど(そして3人共に大好きな選手です、とも強調させて頂きます)、その一方で「ボールホグ」という解釈も確かに一理あるとも感じます。
それと河村の場合、本来は「パス優先型」の選手です。これは「AST%」「A/TO」の圧倒的数値から明確に読み取れます。
河村の今季の「AST%」の「54.28%」という高数値は、Bリーグの歴史上でも歴代1位ペースです(というか事実上の歴代1位が昨季の河村の「54.06%」ですので)。
話が脱線してきている感じがしないでもないですが(苦笑)、ではまずここまでの話で何を伝えたいのかと申しますと、
という感じになります。いえることは、今オフは「河村が動くことはまずない」ことに照らせば、
ということです。後述の【論点3】で、「ベンドラメ(SR渋谷)」を「例外的な事情を持つ選手」として綴らせて頂きますけど、ベンドラメの場合は「優勝したい」という想いがどれほど強いか、それが強い場合は「移籍市場に出る合理的な理由があるよね」になる感じだから、があります。
では、(その2)で、【論点2】、つまり「磯野寛晃(SG/SF。熊本〈B2〉)」についてを綴らせて頂きます。
【バスケットボール#26B】