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まず、前回の記事、(その1)をリンク添付させて頂きます。
では、執筆を進めます。
河村の海外挑戦、ベストは「2024年オフ」「豪州NBLまたは中国CBA」と強く考えます(理由を含めて)。
(その1)では、河村の海外挑戦について
「『能力的には、海外挑戦をそう遠くないうちに実現させることは可能と考える。だけど少なくとも『今後1~2年でのNBA挑戦は現実的とはいえない』、ユーロリーグ・欧州各国リーグへの移籍は『リターンよりもリスクが大きくて望ましいとは思えない』。」
ことを綴らせて頂きました。
では、河村の海外挑戦の「より望ましいタイミング」「より望ましい挑戦先」について、自分の考えを綴らせて頂きます。
あくまでも「自分の考え・解釈」ですので、「こういう考えもあるんだ」ということを踏まえて読み進めて欲しいですと、あらかじめ申し上げておきます。
ではまず、河村の今季及び昨季のスタッツを、示させて頂きます。
いま、河村と齋藤(名古屋D)の今季及び昨季の成績を示させて頂きました。齋藤は、自分は河村に次ぐ「現役no.2の日本人PG」と自分は考えていて、齋藤だって昨季も今季も2年続けて「MVPクラスのスタッツ」を叩き出してますけど、実は「30分換算でのEFF」は、河村は齋藤を昨季も今季も上回っています。
「30分換算でのEFF」は、河村は今季は「日本人選手で1位」(2位が齋藤、3位がテーブス[滋賀。15.78])、昨季も実は「日本人選手で2位」(1位は藤井[川崎。20.39]、3位が齋藤)でした。
齋藤は、昨オフの移籍市場で自分は「海外挑戦が実現するのか」を「6つの論点」の1つ目に示したほど、自分は評価していました(結果は早々に残留の発表、恐らく「少なくとも全盛期の間はずっと名古屋Dで確定」と考えてよいだろう)。齋藤だって、豪州NBLに挑戦しようと思えば(勿論、話があればではありますが、成功はわからないけど)通用はできるのでは、と自分は考えてます。
普段のBリーグの試合を観ていれば伝わるかなですけど、齋藤だって、「コートビジョン」「バスケIQ」は圧倒的ですし、特に「フローター」「3Pシュート」「FT成功率」の精度では齋藤が河村をより上回ると自分は考えてます。
ですけど、河村のすごさは特に「プレー選択の判断スピード」です。一見すると「奇想天外」に映ることが少なからずですけど、河村のプレーは「一つ一つに意図がある」ことが伝わる。それに「相手守備陣の一瞬の隙を逃さない」ことに加えて、「守備能力の高さ」も河村の魅力の一つです。
齋藤もPGとしては守備能力は高い部類にあると思いますけど、河村の守備能力は「守備型PG」と解釈してもよいほどにとても高いといえます。
「個人のプレースタイル」「チームのバスケスタイル」の相違を考慮の必要はありますけど、河村の「ダブルダブルの試合数が『10試合』」「20EFF超えの試合数が『10試合』」は、いずれも「日本人選手で1位」です。
これを見ても、河村は「Bリーグの日本人選手でno.1のPG」であり、少なくとも「能力的には、海外挑戦がいつ実現しても驚かない」といえます。
では、海外挑戦のより望ましいタイミングが「2024年オフ」、つまり「来オフ」と考える理由。
主としてこの2つが、理由としてあります。
いま、リンク添付させて頂きましたように、横浜BCの入団の経緯、特に「2022年3月でのプロ契約の発表時の経緯」を考慮すると、少なくともこの時点で「実質的には2024年夏までは横浜BCでプレーする」、これは河村も球団もその意向で合致しているのではということ、これが「海外挑戦の実現はほぼ確実に『2024年夏』である」の最大の根拠です。
確かに河村は、現行契約(いわゆる「新人契約」)は今季で切れますけど、「来季の1年間限定での年俸の高騰」と「来季に向けて、もし河村が海外挑戦となった場合で、後継のPGの補強に失敗した場合」とを天秤にかければ、「1年間限定での年俸の高騰を許容する」方が「よりリターンが大きい」と考えられるのでは、と映るのです。
いま示させて頂いたのは、あくまでも「考え得る中でのベストシナリオの場合」です。既に「Bリーグでは日本人選手のno.1」を手中にしている感ですけど、海外挑戦で、入団先が「豪州NBL」「中国CBA」のいずれでも、そこでも「無双する」、つまり「異次元のレベルだよね、NBAでも勝負できるよね」のパフォーマンスレベルを証明できれば、そこで「NBA挑戦の扉が開かれる」、例えば「2026年夏のNBA挑戦が実現」と仮定しても、そこで「25歳」です、「機が熟した」タイミングで、かつ恐らく「即戦力」で迎えられ得るイメージになります(仮にNBA挑戦が叶う場合は「第2PGでの起用」が想定でしょうけど、それでもNBA挑戦が叶えばそれ自体が「とてもすごいこと」です)。
いずれにせよ、河村側の事情でも「2024年夏」が海外挑戦のベストタイミングであることが伝わればですけど、河村側以上に、特に「球団側の事情」として「2024年夏」が河村を海外挑戦に送り出すベストタイミングと強く考えるのです、それは「河村の後継PGの補強候補の事情」ともいえます。
「河村の後継PGの補強候補」の言及の前に、横浜BCの「現有戦力での第2PG」は森井ですので、森井のことの言及をした上で、「河村の後継PGの補強候補」へと話を進めます。
森井の特徴を簡潔に述べれば、
「『パス能力』『守備能力』に優れる『古典型のPG』。『得点能力』は不得手だけどそれを理解できれば、『CSレベル球団での第2PG』としては充分に有能といえるし、『B1中堅球団での正PG』も充分に務まり得る。」
が、自分の解釈です。
正直、新潟時代は「B1レベルではあるけど…」の解釈でしたけど、横浜BCの環境が水に合ったのか、ここ2年ほどで「CSレベル球団に見合う選手」へと成長を遂げている感があります。特にパスの正確性は「オールスター級に比肩し得る」といえる。
とはいえ、「癖がある選手」というか、「得意なこと・苦手なことが明確である選手」といえますので、横浜BCが「CS出場圏争い」をコンスタントに目指すならば、森井は「第2PGがベストポジション。正PGは別に補強の必要がある」といえます。
でも、横浜BCが「CS出場圏」を現実ラインにできているのは、「森井が第2PGにいること」は大きいと自分は考えてます、「相手に一息を付かせない」意味で森井の存在意義は大きいといえるのではと。
恐らくですけど、少なくとも現時点で「横浜BCにとっての、河村の後継の正PGとしての補強候補」は、いま挙げた3人です。つまり
「テーブス(滋賀)」「久保田(京都)」「佐々木(三遠)」。
来オフの補強候補と仮定して、それぞれ
「テーブス:26歳」「久保田:27歳」「佐々木:28歳」
になります。年齢的には、そこから3年以上のスパンを充分に務められるといえます。尤も現実的には、「正PGが欲しいB1球団」(特に秋田は恐らくそうでしょう)にとっては、この3人はとても魅力的な選手といえるかなですけど。
で、テーブス、久保田、佐々木は、(契約年数が公表されていないので推定になりますけど)3人共に現行契約は恐らく「2024年オフまでの2年契約?」と考えられます。これは、
これが根拠です。佐々木はともかく、テーブス、久保田は「現所属球団にとっては中心選手の位置付け」で(球団側としては)契約してると考えられますし、仮に移籍になれば(特に今オフだと)現所属球団側、つまり「滋賀」「京都」にとっては「詰み」といえるでしょう。
ただ、佐々木については「今オフの移籍は恐らくゼロ」といえますけど、テーブス、久保田については「今オフ、契約解除金付きでの移籍の可能性はゼロではない」と自分は思ってます。勿論、そう考える理由が複数あるからですけど。
と申しますのも、今オフの場合、まず
「『代表レベルの選手』で移籍市場に出る可能性があるのは、恐らく『田中大貴(A東京)』1人のみ。それも田中大が移籍する可能性自体が低いだろうし、移籍するにしても予想される移籍先はほぼ想像できる。」
ことがあります。
「代表レベル」の選手だと、昨オフは「比江島(宇都宮)」が契約延長(恐らく2025年まで?)、「ベンドラメ(SR渋谷)」も(直接的な表現こそしてないものの)「事実上の生涯SR渋谷宣言」をして、齋藤(名古屋D)も早々に残留しました。
で、田中大は昨オフは契約継続の際に、紆余曲折があった?感じでしたけど(現行契約は「今夏までの3年契約」といわれているが、昨夏の7月7日の「契約継続の公式発表」で「いろいろな思いがありますが」という言葉を残している)、「移籍の可能性自体は低い」と現時点では読んでいます。
ただ、「あり得る」とも思っていて、「状況証拠的な根拠」は既に複数あるんですよね。
尤も、田中大が「今オフに移籍を決断する可能性自体はあり得る」けど、「移籍先自体は『島根』『佐賀』『長崎』のいずれかでは」とも読んでます、つまり移籍するにせよ、移籍先はほぼ想像できること。
そう考えると、ほとんどの球団にとっては、「代表レベルの日本人選手の補強」は「事実上ゼロ」といえます。
(ただ、島根が仮に今オフに「田中大、ロシターのダブル獲得が実現」になれば、「安藤誓-田中大-ビュフォード-ニック・ケイ-ロシター」という、すさまじい「スターティング5」が実現になるんですよね。
ですので、田中大がもし今オフに移籍を決断するならば、「島根が移籍先のポールポジションでは」と自分は読んでいます。)
そう、「代表レベル」での選手がほぼゼロに等しいことに照らせば、次なる魅力的な補強ターゲットは、おのずと「オールスターレベル」の選手になります(勿論、各球団のポジション事情によりますけど)。そこで浮上するのが、「テーブス」「久保田」です。
「テーブス、久保田、佐々木」、3人共に「今季のMIP候補」といえる良質のパフォーマンスです(「MIP」とは「Most Improve Player」、つまり「最も成長した選手」の意味。Bリーグでは現在は設けられていないが、NBAでは設けられている)。
で、3人それぞれに魅力があるといえます。
テーブスは「華がある」「閃きに優れる」「PGではサイズがある」。
久保田は「気持ちが強い」「コートビジョン・パス能力に優れる」。
佐々木は「eFG%に優れる」「守備能力が高い」「SGにも対応可能」。
仮に横浜BCが、来オフに「河村の後継の正PGとしての補強」をする場合、この3人の誰を選ぶのかは、勿論その時々の状況次第ですけど、「何をより優先順位とするのか」によると思います。
いえることは、3人共に「横浜BCが志向する『速いバスケ』との相性がよい」ことは今季で既に証明していることです。尤も、野球でいう「セイバーメトリクス」的観点だけでいえば、3人の中では佐々木になるかなです、守備能力が高くてかつ「eFG%が高い」(PG/SGで「50%超え」はとても高い数字です!)ですので「大崩れしない」といえますから。
ですけど、横浜BCの立場としては、
になります。この違いはとても大きい、その意味でも「河村の海外挑戦はほぼ確実に『2024年オフ』」と考えるのが自然である訳です。
尤も、自分が「テーブス、久保田、佐々木」の立場であれば、「河村の後継の正PGになれるならば、それ自体が名誉である」と考えるでしょう。少なくとも「移籍を考えるならば、横浜BCは有力候補の一つとして考える」だろうなあと。
で、「横浜BCの球団側の目線」でのことは、ここまで述べましたけど、「テーブス、久保田」については、「今オフの移籍市場に出る可能性はゼロではない」とも述べました。というか「テーブス、久保田」は、もし今オフの移籍市場に出れば「最大の要注目選手」に躍り出るでしょう。
自分は関西在住であり、特に「京都が最大の応援球団」ですので、その立場としては、久保田が今オフの移籍可能性がゼロではないことは、想像したくはありません(「B1残留を叶えれば、今オフの移籍自体はまずない」とも読んでいますけど。「プロジェクトの中心選手」に位置付けられていること自体を意気に感じていることは伝わりますから)。
それどころか京都は「選手層の薄さがとても深刻である」ことが明らかですので、良質の選手を恐らく3人程度は要補強であると、自分は強く考えています。
で、「テーブス、久保田、佐々木」は、横浜BCの「河村の後継の正PGとしての補強候補」かつ「今季のMIP候補」と述べましたけど、「今季のMIP候補」でいえば、自分の中ではあと2人います。
津山については、「輝ける場所についに出会えたね」と思う感じですし、そもそも昨季の三遠時代が「何故もっと出場機会を与えないの?」という感じでしたので、なおさら「よかったね」と映る感じです(より適正は「第2PG兼務のコンボガード」と思ってますけど、それでも「20~25分の出場時間の価値はある」と思ってますし)。
ただ、「30分換算でのEFF」は、実は昨季よりも落としてます。今季の方がより躍動しているように映りますけど、実際の数字はむしろ落ちているのは、「バスケの奥深さ」を改めて考えさせられます。
それと、西野。いまの日本バスケ界の課題の一つに「SF/PF兼務のコンボフォワードの育成」があると自分は思っていて、このポジションは長く「張本(名古屋D)、永吉(福岡)」の2トップでした。今季だと佐土原(広島)の台頭もとても嬉しいですけど(広島における佐土原は「数字以上の貢献度である」と自分は考えてます。30分換算でのEFFは「8.09」です)、佐土原と共に西野は「日本代表の招集を検討して欲しい!」と強く伝えたい1人です、それほどに今季は「数字以上に大きな成長が伝わる」感じです。
ですけど、今季の西野はとても成長が伝わる一方で、出場時間は「13分53秒」にとどまっています(昨季は「9分05秒」でした)。渋谷が志向するバスケスタイルが「すさまじく走るバスケ」を考慮しても、もっと与えられてよいのではと映ってます。実際、昨オフも「移籍がより望ましい選手」として名前が挙がってました(結果は早い段階での残留発表。つまり本人としてはSR渋谷の環境は恐らく気に入っていると考えてよいのでしょう)。
個人的には、西野は今オフに、少なくとも「他球団の話をできるだけ聴いたうえで、自分がより輝ける球団を問い直した方がより望ましいのでは?」と考えてます。「移籍ありき」でなくても、「他球団の話を聴きたい」という意向を示せば、手を挙げる球団は恐らくいくつもあるのでは?と。
それこそ、「SF/PFを高いレベルで対応可能である日本人選手」自体がとても貴重ですし、「選手起用により柔軟性をもたらせる」意味で西野は存在意義が大きい選手であると自分は思ってます。
西野は地元は大阪ですので、地元に近い「大阪」「京都」は勿論、「日本人ビッグマン」のアップグレードを試みたい「三遠」や、恐らく河村の海外挑戦が来オフになるので「来季が最大の勝負」である「横浜BC」は「補強ターゲットとしてドンピシャの存在」といえるのでは?と強く考えます。谷口に不安感が伝わり、かつ選手層自体に不安感がある「島根」も「可能性あり」といえるでしょう。
それと、先程に津山を言及させて頂きましたけど、実は今オフの移籍市場で「隠れた要注目選手」と考えているのが「阿部(島根)」です。
島根の生え抜き選手ですけど、今季は実は島根で出場時間を落としています(昨季の出場時間は「19分20秒」)。「20分以上」が6試合ある一方で、「10分未満」が3試合あります。つまり「6thマン」といえる起用法ではないことが伺えます(尤もここにきて、先発での醜状機会を急速に増やしてきていますけど)。
選手タイプとしては、阿部は「3&D」、特に「守備能力に特化のSG」です。FG試投数のおよそ70%が3P試投です。守備能力に振り切っているタイプですけど、阿部はこの守備能力自体が「日本人選手でトップレベル」であり、「30分換算でのスティール」の「2.69」は、「ダントツで日本人no.1」です。
で、阿部、実は「30分換算でのEFF」は津山を上回っています(阿部は「9.34」、津山は「7.08」)。選手タイプに照らしても、阿部に「20分~25分程度の出場時間」を与えて(個人的には正SG起用してよいのではと考えるが)、津山を「第2PG的な6thマン」起用をする方がより収まりがよいのでは、と考えますけど…。
で、実は、阿部は昨オフは残留していますけど、「自由交渉リスト入りを経ての残留」でした。そう、「球団への愛着はあるけど、他球団の話を聴きたい想いがゼロではなかった」訳です。
で、志向するバスケスタイルが「速いバスケ」「走るバスケ」である球団にとっては、阿部のスタイルへの相性の良さはこの2年で証明済みです。しかも「速いバスケ」「走るバスケ」は、そもそも「よい守備」が前提にある、その意味で阿部は「補強ターゲットとしてドンピシャ」である球団は多くいるのではと。
それこそ、「速いバスケ」を志向するけどスティール数がリーグ平均を下回っている「京都」、強度の激しい守備が魅力だけどスティール数は実はリーグ平均を大きく下回り、しかも年齢構成の若返りが急務である「宇都宮」、日本人選手のSG/SFのアップグレードを試みたい「横浜BC」は「要補強ターゲット」であるといえます。あるいは、「大阪」もニュービルをPG起用で固定したい場合でだと(個人的には、ニュービルが最も輝けるのはPGであると強く考えてます!)、阿部は「補強ターゲットとしてドンピシャ」であるといえますし、「激しい守備からの組織的な攻撃」を志向する「広島」も「可能性あり」といえます。
なんだか、(その2)の後半は、気が付けば「今オフの移籍市場の展望、2023年新春版」になった感じがありますけど(苦笑)、
「河村の海外挑戦の『より望ましいタイミング』は、『2024年オフ(つまり【来オフ】)』と強く考える。」
これを特に伝えたかったのです。
では、(その3)では、「河村は『中国CBA』『豪州NBL』への挑戦はどれほど現実的か、考え得る移籍先候補はあるのか」についての言及へと進めます。
【バスケットボール#20B】【エッセイ#9B】