4月になれば彼女は を読んで
記録のための感想文。ネタバレあり。
愛するとはどういうことか。
それを知りたくて恋愛小説 4月になれば彼女はを手に取った。
私は
これからの恋愛について考えたかったのに
今までの恋愛に想いを馳せていた。
主な登場人物は3人。
結婚を控えた藤代とその婚約者の弥生。
そして、かつて藤代と付き合っていたハル。
弥生との始まり、ハルとの恋愛の始まりと終わりを描くことで
お互いに愛し合っていると確かに感じられる時間が一瞬であることを強く感じた。
ハルが世界中を旅していて、
それら観光地の描写がとても良かった。
行ったことのない場所なのに
目の前に景色が広がっている様子が頭に浮かんだ。
自分が世界旅行をしているような感じがした。
最後に、藤代が弥生を迎えに行くところで終わるが、2人はまた始めの頃のように愛し合えるのだろうか。
この話では色んな恋愛観が語られている。
愛を終わらせない方法は手に入れないことで
決して自分のものにならないものしか、永遠に愛することはできない。
誰も愛せないと気づいた時に孤独になる。なぜなら自分自身も愛せないということだから。
ゲイと噂されているタスクの言葉が心に残った。
私も愛し合っていると実感できたことはあるが、それが続いたことは今まで一度もない。
ずっと感じることはできるのだろうか。
誰かをずっと絶え間なく愛し続けることはできるのだろうか。
また読みたい作品でした。