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時を刻んだ指輪が教えてくれた新たな時
バキ、グキ、ゴリッ
???
骨が折れたか、何が割れたか、一瞬見当がつかなかった。
机についてノートを広げ、初めて一人で作るおせちの計画立ていた私は、しばらく考えあぐねながら、なんとなく肌寒く感じる手をお尻の下に敷くようにして、いつにない体勢を取っていた。
割れたのは指輪だった。
セレモニーで交換した結婚指輪。
そういえば、当日の朝に間一髪ギリギリ届いた、時を得た代物だった。
あれから
昔ながくて、今みじかいもの
Gemütlichkeit
去年の夏、夫と親しい友人(ドイツ人)を訪ねたミュンヘンで習った言葉。
昼下がりの散歩の途中に
川沿いのちょっとしたキオスクでビールをいただきながら
夫を含むドイツ語を母国語とする3人に
「これは覚えておくんだよ!」と何度も発音させられた。
ゲみゅートリッひカイT?!?
ü(ウムラウト)の慣れない難しい発音も入っているし
どこで音節が区切られてるかも分から
自分のストーリーを生きるためにやめたこと
もう10年くらい前のことになるけれど、
はっきりと覚えている。
大学生のころに
サンフランシスコで仲良くなった日本人のお姉さんが
大事な秘密を教えてくれるかのように
そっと私にこんなことを言った。
「あいちゃん、あのね、
テレビっていうのはドラマの中に主人公がいるでしょ。
人生はあなたのドラマだからね、
テレビで他人のドラマを観てないで
あなたのドラマを主人公として思いっきり楽
物語/ストーリーを書くということ
『おーい、おじさん』
私が人生ではじめて書いた物語のタイトルだ。
人口3千人ほどの小さな村に赴任となった父の
駐在所のオフィスで
もうすぐ5歳になる頃の私は一人、
電気もつけずに、ひそやかに創作していたらしい。
メモ紙として半分に切られた裏紙に
年の離れた兄たちの真似をして
覚えたばかりのひらがなを一つずつ並べて
短編物語を完成させたのだった。
元がペラペラのメモ紙だから
と