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教室の裏側~おうちへかえろうの術~2

効果的な準備法が見つかったら誰も苦労しない

「授業の準備、本当に大変ですよね…」

毎日、子どもたちの笑顔のために、授業の準備に追われる先生方へ。この記事では、長年の経験から得た、効果的な授業準備のヒントをお伝えしたいと思っています。悩まれている先生のヒントになればうれしいです♪

なぜ授業準備が大切なの?

「授業の準備が9割」と私は思っているのです。いい授業だったかそうでない授業だったかは、準備にかかっているといっても過言ではない、はずです。
 どうしてかというと、まず第一に事前の準備がしっかりできていれば、授業中に慌てることがなく、スムーズに授業を進めることができます。
 二番目に、興味深い教材や分かりやすい説明は、子どもたちの集中力を高め、学習意欲を引き出します。それも、事前に教科書を読んだりしていないとできません。
 そして三番目に、様々な状況に対応できるよう、事前に想定される質問やトラブルを想定しておけば、どんなことが起こっても落ち着いて対応できます。想像力の限りを尽くして、自分のクラスのあの子はどうするのか・・・なんていうのか・・・そこに対してできうる限り対策を考えていく。対策を準備しなくても、対策を考えておくだけでも違います。だいたい杞憂に終わるとしても、「そうかもしれない」という可能性が思いついてしまったら、その時どうするだろうかと考えておくことは大切です。
 だってそうしておけば大成功はないかもしれないけど、うまくいかない・停滞する可能性を一個一個つぶしていっているので、大きくコケることはないわけです。成功しよう、いい授業しようと思うより、失敗しない授業をしようって思う方がより具体的なのではないかと思います。
(そうとは言ってもイレギュラーはあるので、その時はあきらめようw)

自由進度学習っていいですよ

私は特に算数の授業で「自由進度学習」を取り入れています。これは、子どもたちに、各自のペースで学習を進めてもらう方法です。

  • なぜ自由進度学習なのか? 子どもたちの学習スピードや理解度は様々です。一律に同じペースで進めるのではなく、一人ひとりの個性に合わせた指導を行うことで、より効果的な学習が期待できます。

  • 事前に教えることの大切さ 私がやっている自由進度学習では、最初に基本的な知識や技能を教えます。先行学習とのミックスのような感じです。これにより、子どもたちは、その後の学習をマイペースに進めることができます。速い子は待ち時間がないし、遅い子もじっくり先生とできる。この状態でも、一人一人が周りの友達を尊重して、最終的に「みんなでわかる」というゴールにたどり着けばいいわけです。

  • 教科書を最大限に活用 教科書は、学習内容の基礎となるものです。最初に重点を教えるので、教科書を丁寧に読み込み、重要な箇所を把握することで、より効果的な最初の授業を行うことができます。教科書は神。

高学年の時短ポイント「理科」

 さて、高学年で理科を自分でしないといけないとなると、それだけでちょっとナーバスになる方もおられるくらいですよね。その中でも、実験の準備は、時間と労力を要する作業です。そこで、私は学校全体に呼び掛けて、実験道具をコンテナにセットして引き継ぐというシステムを導入しています。

  • 実験道具の共有 一度使用した実験道具は、全部を一つのコンテナに収納します。本年度は、それを学年で共有することで、準備の時短につながります。

  • 前年の教材の活用 ↑で使用したコンテナは、そのコンテナのまま蓋などに単元名を書いて理科室の棚に収納します。そうやって前年度に使用・作成した教材を保管しておき、そのまま翌年度に活用することで、準備時間を大幅に短縮できます。

  • 理科室の環境整備 そのように「必要なものをそれぞれの授業で必要なだけ集めておく」作戦は功を奏し、昨年私が作った音の伝導に関する実験道具も、本年度の担任の先生が無事に使ってくださっていました!「理科室に行ったらそのまま入ってたので使えました!」と喜んでくれていました。そんな風に実験道具を整理整頓し、使いやすい環境を整えることで、実験の準備がスムーズにでき、これも時短です。まぁ、できるもの・できないものあるのですが、できるものだけでもやっておくといいんじゃないかなぁ。

高学年の時短ポイント「社会」

 社会って難しい。わたしは社会が苦手です。本年度は一斉授業ではなく、完全な自由進度学習にしています。わたしも子どもたちと一緒にNHK for Schoolなどの動画を見てノートにまとめ、一緒に交流に参加しています。結構面白くなってきたよ・・・!
 単元の構成で言うと・・・

  • ①動画で視覚的に理解 教科書や副読本だけでは分かりにくい内容も、動画であれば視覚的に理解することができたり、見学に行きたいけどいけないという時も動画だとわかりやすいですよね。単元にあう動画を探して、ポイントをメモしながら視聴します。

  • ②柱をつくる 動画を見ながらわかったことをフリートークし、この単元で大事なポイントになる「柱」を共有します。だいたい3~4つの柱に絞るようにするといいのではと思います。「ごみの行方を調べるには、①分別のしかた②ごみ処理場の仕事③処分場の仕事④3R の4つをまとめたらよさそうだね!」みたいな感じです。

  • ③ノートにまとめる 「じゃ~今日は柱①の分別について、ノート半ページ、時間15分」などと条件を決め、ノートにまとめる活動を取り入れるています。いいノートや私が書いたノートを紹介したり、字を少なく・色は〇色・図は真ん中に・・・など、まとめ方もちょっとずつうまくなっていきますので、もし実践される場合は、過程を大切にしてあげてください!

最後の裏技「テスト」

ここまでのお話はお役に立てたでしょうか。ここまで話したら、もう秘儀教えます。奥義ですので、内緒ですよ。それは、授業の前に業者テストをよく見ておくということです。業者テストは、単に成績を測るだけでなく、授業の改善に役立つツールとして使ってみては・・・という提案です。そんな業者テストの使い方は・・・

  • ①テスト分析で授業を見直す テスト結果を分析することで、どの部分が理解できていないのか、どのような指導が効果的だったのかを把握することができます。これはよくやりますよね。

  • ②テストの意図を理解する テスト問題は本当に各社さんが指導要領や教科書を調べに調べ上げて作成されています(いつもありがとうございます!!!)。裏を返せば、その問題そのものがその単元で抑えるポイントなのです。そこをきちんと理解させることが、授業のカギになります。例えば「ごんぎつね」のテストの最後に「ごんの気持ちを書きましょう」という問題があったとすれば、「そうか、この単元ではごんの気持ちの変化を重点的におさえるんだな」という感じです。

  • ③言葉遣いの重要性 ということは、算数や理科・社会の場合、テストで答えに書いてある言葉は最低限覚えてほしい専門用語ということになります。ですので、その言葉をつかってまとめを書いたり、考察の時にあえて使うようしばりをつけてみる、とかいう工夫ができますよね。わたしたちも辞書で調べたりして、教科書や問題集に出てくる専門用語を正確に理解し、子どもたちに伝えることが大切です。

いろいろあったけどとにかくできることから

 教師の仕事は、マニュアルがない、まさに創造的な仕事です。ここだけでなく様々な情報源から情報を収集し、自分にとって必要な情報だったら取り入れる、そうでなければスルーする(してください)、ということも大切ですよね。だって子どもたちの実態がちがうわけなので、わたしがうまくいっていても、取り入れた方の学級には合わないことだってあるわけです。学校内にもいい先生はたくさんおられると思いますが、他の先生のやり方をそのまま真似るのではなく、自分のクラスに合ってるのかな・・・という自問自答は常にしておいて損はないと思います。この記事が、先生方の授業準備の参考になれば幸いです。

「こんなことやってみたい!」「もっと詳しく知りたい!」 ということがあれば、ぜひコメント欄にご記入くださいね。

一緒に、定時退勤を目指しましょう!

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