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南米音楽365日

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歴史やエピソードと共に南米音楽を紹介しています。 ブラジル在住の島田愛加が、大好きな南米音楽を毎日聴けるように立ち上げたサイト『南米音楽365日』(2020年5月~2022年6月…
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#ブラジル音楽

#05 Fernando Brant / Vendedor de Sonhos

2010年に初めてブラジルを訪れてからは、ボサノヴァだけでなくMPBやサンバ、更には日本であまり知られていない北東部の音楽や最新ヒット曲まで聴くようになりました。 日本で手に入るブラジル音楽に関する書籍や評論家たちのブログやコラム(すべて日本語)は読み漁っていたので、サンパウロで本格的に生活することになった頃には、本質を理解できていなくても、“知っている”という意味では詳しい方だと思っていました。 しかし、そこには落とし穴があったんです。 ポルトガル語を全く理解できなかった

#04 Jogral / Djavan

MPBの誕生からしばらく経った1980年代のブラジル音楽。 ブラスセクション、電子楽器、ストリングス、スルド(サンバに使われる大太鼓)からヒントを得たエレキベース奏法、ドラムと豊富なパーカッションをバランスよく使った豪華で手の込んだアレンジが多い、個人的には大好きな時代です。 中でもジャヴァンの歌う「Jogral」(ジョグラウ)は、何回聴いても私をワクワクさせてくれます。 2分13秒と非常に短いので、何度もリピートしてしまうが全く飽きません! 音楽院のアンサンブルの授業でも

#03 Com açúcar e com afeto / Chico Buarque

2022年1月25日、ニュースの見出しに “男尊女卑:シコ・ブアルキ、ナラ・レオンに贈った曲をもう歌わないと公言” なんて書かれていると、何が起こったんだろう?と思ってしまいますよね。 何が起こったのか、ご説明したいと思います。 今年で生誕80歳を迎えるナラ・レオン。 久しぶりにブラジルのニュースに大きく名前が登場しました。 オマージュとしてドキュメンタリー番組『O canto livre de Nara Leão』がGloboplayというブラジルのTV局グローボの有料

#02 Olha Pro Céu / Trio Nordestino

サンパウロ、6月の最低気温は12℃! びっくりするぐらい肌寒くなります。 「ブラジルは常夏の国だぜ~」と思い込み、短期留学時に夏服しか持っていかなかった私は大変後悔しました。 出発前に『地球の歩き方』を買ったのにちゃんと読んでいない証拠ですね。笑 私が住んでいるサンパウロの田舎町に建てられている家々は、寒さよりも暑さに耐えられるような構造になっています。 更には建付けの悪いドアや窓枠から冷たいすきま風が。泣 暖房器具はあまり一般的ではありませんので、家の中が常にひんやりし

#01 Lígia / Antonio Carlos Jobim (ver. Chico Buarque)

ボサノヴァは生まれ故郷を旅立ち、今では世界中で流れる音楽になりました。 その中でも日本は最もボサノヴァが流れる国のひとつと言われています。 日本のお洒落なカフェで聴くことが出来るその心地よい音楽は、残念ながら今日のブラジルでは聴くことができません。 ボサノヴァはブラジルのリオデジャネイロ、またその中でも小さな一角を中心に発生した一時的なムーヴメントでした。 その中心的な人物であったカルロス・リラは「自然発祥したものだからムーヴメントではない!」と言っていますが。。 その辺