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バーボンと煙草と未来のサイボーグ猫:(男子向けライトエンタメ編)

これまでのあらすじ

 noteとTwitterを連動させると何か良いことがありそうだと知った俺は、noteで書いた記事をTwitterで拡散することにした。Twitterのフォロワーは5日で1,000人越えは楽勝だったので、『Twitterなら一ヵ月以内に1万フォロワーくらい楽勝だ!』と思っていたが、英語でイーロン・マスクの批判をしたのが拙かったのか、シャドウバンになってしまい、三日間Twitterが使えない状態になった。

 そこで、俺はこのブログと連動しているTwitter(@aiethics496)は無視して、noteでAI無知倫理学の真面目な情報発信をしようとしていたところに、『バーボンシリーズが個人的に好きです』という、リクエストが来てしまった。 

 文藝春秋コミック編集部が求めているBL(ボーイズラブ)小説家への転向に失敗した俺は、noteで『男子向けライトエンタメ』という文学ジャンルがあることを発見した。
 
 このジャンルには読者が嫌う『地雷』と呼ばれる作品で取り上げた時点で読まれないことが確定しているテーマがあり、まさに俺がこれまで取り組んできたテーマと見事に一致していた。 

読まれない小説によくある失敗点3つ
ロボット、幽霊、ギャンブル、泥棒、病気、SF、中華風、和風、頭脳バトル、デスゲーム、探偵、ミステリ、青春、宇宙、レース、医療、超能力、ヤクザ、変身ヒーロー、プロデュース系、アイドル、サバイバル、作家もの、スポーツ、動画投稿系、裁判…… 

読まれない小説によくある失敗点3つ

『これだ! これこそが俺の求めていた小説のテーマだ!』と閃いた俺は、今からBL作家から男子向けライトエンタメ作家に転身することにした。

第一章:未来のサイボーグ猫ミッキーの改造

 自称マンハッタンの探偵作家であるバーボンと安煙草をこのなく愛する秋葉原在住の『一度で良いからメイド喫茶に行ってみたい』と思っていた酒と煙草が嫌いな俺は、秋葉原では売っていない違法ロボット改造パーツが幾らでも入手できる中国深圳市の中心部にある中国の秋葉原とよばれる華強北の街を彷徨っていた。
 
 俺は未来のサイボーグ猫ミッキーを、スーパーカーに変身できるロボットに改造することに決めていたのだ。勿論、背中にはロケットエンジンを装備して、ミッキーの丸い拳をローク猫式ブラスターパンチが打てる格闘ロボット用心棒に改造する。これなら、華強北から香港の新九龍城に移動して、少林寺から下山してきた超能力拳法使いの中華系ヤクザに襲われても大丈夫だろう。

第二章:ギャンブルと泥棒

 変身中華ロボットに改造されたミッキーは、俺に香港では『電脳裁判』というデスゲームが流行っていることを教えてくれた。このゲームの参加者は、ストリートファイトやミステリ問題やギャンブルでポイントを稼ぎ、最後に生き残った者が賞金を獲得する。しかし、参加者の中には、勿論、泥棒や博徒や的屋や総会屋と組んだブラックジャーナリストなどのヤクザな人物も含まれている命懸けの頭脳バトル型のスポーツ賭博だった。

第三章:中華風と和風の街

 ゲームは中華風と和風が混ざった新九龍城で行われ、参加者は互いに体力を駆使した頭脳バトルを繰り広げた。街には様々な種類のゲームがあり、その中には危険なレースも含まれていた。危険なレースはミッキーがスーパーカーロボットに変身すれば、まず負けることはないはずだ。『電脳裁判』ゲームでは、スピード違反や信号無視が発覚すると、ペナルティーを課されてしまうので、如何にして街中に張り巡らされたセンサー網を、ハッキングして潜り抜けるかの頭脳バトルだ。

 ミッキーと俺が最初にクリアした『電脳裁判』ゲームは、格闘技や武器を使って対戦相手を倒すバトルゲームだった。この熾烈なゲームでは、全てのゲームをクリアしてから行われる電脳裁判で、無罪を勝ち取る必要がある。電脳裁判で殺人や過失致死や傷害罪に問われないためには、正当防衛と見せ掛けて相手を倒すか、心神喪失状態を演じて責任無能力者を演じるか、自我の意識と認識力と知性を持っているミッキーのCPUを香港の暑さでオーバーヒートさせて暴走したミッキーが相手を倒すか…。俺はどの選択肢にするか迷った。このゲームでは一瞬の迷いが命取りになる。そこでミッキーは、俺には思いも付かないサイキック超能力で、対戦相手を倒してくれた。

『そうか、この手があったのか!』…現行法では超能力で相手を倒しても、殺人罪や傷害罪には問われないのだ。

第四章:青春と病気

 ゲーム中、俺は動画投稿から生まれた美しい三次元生成AIアイドルのリリと出会った。彼女は立体映像にノイズが入るホログラム病を抱えていたが、青春のエネルギーで戦っていた。俺たちは互いに惹かれ、タッグを組んで一緒にゲームを進めることになった。

第五章:宇宙と医療

 ミッキーはリリの病気を治すために、元々装備されていた未来ガジェットポケットを使って宇宙から特殊な医療装置を持ってきてくれた。これにより、リリは健康を取り戻すことができた。万能の宇宙医療装置は、どんな難病でも治療できる非常に便利なアイテムだった。

第六章:超能力と変身ヒーロー

 ゲームはさらに緊迫したものになり、俺たちのバトルは悲惨なものになることが予想できた。ところが、ミッキーは自分がサイコキネシス以外にもさまざまな超能力を持っていることが判明した。

 ミッキーは変身ヒーローとして、テレパシーやエンパシーや、テレキネシスや、サイコメトリーといった様々な超能力を駆使して俺たちを守ってくれた。しかし、超能力を使い過ぎたせいで、ミッキーのエネルギーは消耗し、彼は1ゲームをクリアする毎にどんどん弱っていった。

第七章:プロデュース系とアイドル

 リリは、俺たちがゲームを通じて獲得したアイテムを使って、ゲームに参加しながらも自身のアイドルキャリアを再開した。ミッキーと俺は彼女を支援し、彼女のパフォーマンスをプロデュースした。その過程で、俺たちは互いに深く絆を感じ、一緒に困難を乗り越える力を得た。

第八章:サバイバルとミステリ

 ゲームの最終段階は、サバイバルモードに切り替わった。俺たちは食料や水を見つけるために街を探索し、他の参加者やゲームの危険な要素から身を守る必要があった。そして、俺たちはゲームの背後に隠されたミステリを解き明かすことになった。

第九章:電脳裁判
 
 全てのゲームをクリアした俺たちは『電脳裁判』に参加することになった。この裁判では、全ての参加者がゲーム中の行動について問われ、最終的な勝者が決定される。ファイナリストに選ばれたのは、俺たちのチームと、なんと幽霊だった。まさか、幽霊がゲームに参加しているとは、想定していなかった。幽霊ならどんな勝負でも殺されることはないし、幽霊を処罰する法律もない。さらには悪霊能力を駆使して対戦相手を祟り殺しても殺人罪には問われないので、ファイナリストに残って当然と言えば当然なのだが…。

 だか、ここでもリリと俺はミッキーに救われた。世界中の法律を知っているミッキーは、電脳裁判長に対して異議の申し立てをしたのだ。

『電脳裁判長、異議があります! 電脳法で裁判にかけることができるのは、法律上の『人』、つまり生存する『個人』または『法人』、もしくは、意識や認識を持っていることが証明できるロボットとサイボーグとアンドロイドとレプリカントです。幽霊や霊的存在は法律上の『人格』を持っていないため、裁判にかけることはできません。さらに、裁判は具体的な行動に対して行われ、それらの行動が法律に反しているかどうかを判断します。しかし、幽霊の行動は物理的な世界で直接的に確認することができないため、法律による判断の対象になり得ません。

 さらに、法律は社会的な秩序を維持し、公平に行動を規制するために存在します。しかし、幽霊や霊的存在は人間社会の一部とは言えず、その行動が社会的な秩序を破るとは考えにくいため、法律による規制の対象とはなりません。

 したがって、幽霊を裁判にかけることは、法律の枠組み上、実質的に不可能と言えます。よって、幽霊にはゲームには参加することはできても、電脳裁判を受けることができません』

エピローグ:未来への希望

 ミッキーの数々の機転に救われ俺たちはゲームで優勝し、リリの病気を完全に治すことができた。

 これが集英社の週刊少年ジャンプの創作大賞ったら『友情』、『努力』、『勝利』の三大原則を追求しなければならないが、全てミッキー任せなので、俺は何の努力もしていない。しかも、ロボットや三次元生成AIアイドルとの友情を表現するためには、哲学やAI倫理的な問題に取り組む必要がある。だが、文藝春秋コミックの創作大賞なら受賞する気さえ無ければなんでもありだ。

 AIの責任能力や、自律型致死兵器システム(LAWS)や、特定通常兵器使用禁止制限条約(Convention on Certain Conventional Weapons:CCW)の問題は、AI無知倫理学領域なので、この話は今後、学術的な議論に続くだろう。

つづく…。

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