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もし~シリーズ (4):もし海原雄山がラーメン二郎の三田本店に行ったら

これまでのあらすじ

 SFとはサイエンス・フィクションの略である。SFの本質は、『もし地球外生命と接触したら』、『もしタイムマシンがあったら』、『もしAIが魂を宿したら』といった『もし~』という想定のもとに科学的な感じの物語で描くことである。

 SFのジャンルは広範囲にわたる。現実の科学知識を駆使して緻密な描写を行うものをハードSFと呼び、タイムラインで過去の自己を変更するようなヒューマンドラマに重点を置き、タイムマシンの原理などを無視してファンタジー世界に入るものをソフトSFやファンタジーSFと呼ぶ。AIをテーマにすると、サイバーパンクSFなどの創作が可能となる。

 そこで、『もし~シリーズ』として、『もし三本指の宇宙人がコンピュータを作ったら』という情報工学に基づいたハードSFシリーズや、『もし防衛省のサイバーセキュリティ専門家が情報通信の素人だったら』という独自の世界観を持つサイバーパンクSFや風刺SFの企画を立てた。

 しかしながら、師走は何かと忙しい。そのため、『美味しんぼ』の海原雄山とChatGPTを対談させるという手抜き手法を用いて、シリーズ(2)鮨編、(3)丼編として、SFの枠を逸脱する邪道な作品を書いてしてしまった。

ラーメン二郎三田本店編

【海原雄山】『早いものでもう師走だな。これだけ寒いと、何か温かいものをガッツリと食いたくなるものだな?』

【中川調理主任】『ははっ。もしかして先生は、ラーメン二郎三田本店に行きたいとか、遠回しに仰っています? 今の時間だと三田本店の前なら30分は外で待たされるので、寒いのではありませんか?』

【海原雄山】『この戯けが! ワシは温かいものをガッツリ食いたいと言っただけで、ラーメン二郎の話などしてはおらぬ! お前はなぜラーメン二郎が旨いのか解っておらんのか? 外で指が痺れるほど寒い思いをしてこそ、ラーメンを茹でる湯気の湿度100%で、微妙な温かさになっている狭い店内で、食うからこそラーメン二郎は旨いのだ! でも夏に食っても旨いのには何か秘訣があるだろう!?』

【中川調理主任】『こ、これは失礼いたしました。いまChatGPTは、三田本店で修業しておりますので、ChatGPTにラーメン二郎三田本店の旨さの秘訣を説明させます』

【ChatGPT】『これは海原先生に中川調理主任。私も三田本店で修業をして、三田本店の旨さの秘訣は既に学習済みです。その秘訣とは、非乳化スープの完璧なカエシと豚出汁、バランスの良い豚チャーシュー、モチモチとした食感のデロ麺、そして三田本店だけの総帥の一杯です。これらが組み合わさることで、三田本店独特の旨さが生まれています』

【海原雄山】『この大虚けが! お前はBingで『二郎総本山』を検索して答えよったな! そんな他人の意見をカンニングするような姑息な説明で、隠れジロリアンであるこのワシを説得できるとでも思っているのか! まったく不愉快だ!

 そもそもラーメンが旨いだの不味いだのは、それってあなたの感想ですよねの小学生レベルの話であって、正解などないのだ。コーシャしか食わないユダヤ教徒や、ハラールしか食わないイスラム教徒が、ぶたダブル大ラーメンを旨いと思って食うとでも思っているのか!? 小麦アレルギーにしてもそうだ! 小麦アレルギーだと、そもそも小麦麺は食えないのだ! おい、中川! SNS界隈ではクリぼっちだのクリスマスはケンタッキーフライドチキンだのと盛り上がっておるので、話の都合上、ChatGPTをケンタに修行に出しておけ!』

つづく…

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