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誤解だらけのランチェスターから脱却!野呂一郎先生の経営学に迫る
葛西さんの指摘はいつもながら的確なので、今回は私が代わりに解説してみましょう。
ところで、マーケティングに興味がある方なら、『ランチェスターの法則』を知らない人はいないですよね? しかし、日本で広まっている多くの解説書は、世界でも通用しない誤った情報を発信していることをご存じですか?
そもそもランチェスターの法則とは?
ランチェスターの法則は、イギリスの自動車工学・航空工学のエンジニア、フレデリック・ウィリアム・ランチェスター(1868年~1946年)が考案した『数理モデル』です。彼は自動車開発で先進的な技術を取り入れましたが、市場の支持を得られず、会社を大手自動車メーカーに売却しました。1900年代の技術と現代の市場理論を無理に結びつけるのは、愚の骨頂です。
数理モデルや変数、パラメータといった言葉に抵抗を感じる人が多いのは理解できますが、公式を暗記するだけで理解した気になっても意味がありません。『数式を見て美しさを感じる』感性がなければ、ランチェスターの法則を説明する資格はないのです。とはいえ、そうした感性を持つ人が説明をすると、『この宇宙人は何を話しているの?』と、理数系に弱い人々からは敬遠されるのがオチです。
ランチェスターは1914年にピタゴラスの定理を応用し、2つの軍事的法則を考案しました。これが後に『競争の法則』として知られるようになったのです。しかし、日本ではなぜか、この軍事理論が経営理論として流行してしまいました。
日本におけるランチェスターの法則の誤解
日本のマーケティング商材ビジネスでは、次のような的外れな解釈が広まっています。
マーケティングへの過度な適用
ランチェスターの法則を『万能のマーケティング理論』として崇める風潮には、滑稽さを禁じ得ません。競合分析や戦略立案に『必須知識』として持ち上げられていますが、これは完全な誤解です。もともとこの法則は第一次世界大戦の戦闘モデルを説明するためのものです。それを企業戦略に無理やり当てはめているのは、原書を読まずに適当に解釈した者たちが広めた戯言に過ぎません。その結果、本を買ったりセミナーに参加したりする人々は、まさに金をドブに捨てているようなものです。
法則の単純化と誤った数値化
『兵力の二乗に比例して力が強まる』と単純に説明し、企業シェアを安易な数式で語ろうとする人が後を絶ちません。これに従って資源配分を決めても、現実世界では通用しません。ランチェスターの法則は複雑な物理現象を説明するモデルです。そんなことも理解せず、意味のない数値化をドヤ顔で披露するインフルエンサーたちには呆れるばかりです。
優位戦略と劣位戦略の過度な強調
『弱者は正面から強者に挑むな』との主張がビジネスの鉄則であるかのように説かれるのも滑稽です。現実には、弱者が正面突破すべき状況も存在します。しかし、そうした現実を無視し、法則を都合よく解釈する解説者や講師たちは、ただ耳障りの良い話をして金を稼いでいるに過ぎません。『原書を読めば、このレベルの話は通用しない』と気づく人が増えて欲しいものです。
無視される環境や状況の変化
ランチェスターの法則は、数理モデルである以上、技術進化や市場の動向にそのまま対応できるものではありません。しかし、時代錯誤な理論に頼り続ける人々が、『何でもランチェスター法則で解決できる』と主張するのは本当に滑稽です。生きていた時代を考えれば、『こんな昔の法則が現代に役立つのか?』と疑問を持つのが普通です。
根本的な誤用
『数が多ければ勝てる』という極端な解釈に基づいて、製品ラインや広告頻度を重視する戦略が横行していますが、質がなければ意味がないのは明白です。それにもかかわらず、この事実を理解していない『似非専門家』たちがセミナーを開き、無知な読者や受講者から金を巻き上げているのが現状です。
こうした問題は、数理モデルを正しく理解せずに解説を続ける『似非専門家』たちによって引き起こされています。セミナーや情報商材に騙される前に、原書を読んで真実を見極めましょう。
解決策!
今回は、このような誤ったランチェスターの法則に頼らず、マーケティングの基礎を理解できるように、大学教授の野呂一郎先生をご紹介します。
野呂先生は、ランチェスターの法則を持ち出すことなく、プロレス&マーケティング理論を提唱されています。彼は経営学の専門家でありながら、企業経営のみならず、政治、経済、社会といった森羅万象を経営学の視点から論じています。
また、日本をグローバルな視点で捉え、新しい日本人論を展開されています。さらに、野呂先生は少年時代から武道に親しみ、合気道、空手、棒術を習得されています。武道、日本的経営、日本のプロレスを軸に、世界の動向を踏まえて、新しい日本の方向性を体系化する取り組みを続けているのです。
私も野呂先生と同様、多国籍企業の経営と武術という共通点を持っており、野呂先生のnoteは経営学に興味のある方、さらには経営者にとって必読だと考えています。
経営に関心がない方でも、日本経済やビジネスに閉塞感を感じているなら、野呂先生のnoteや著書を読むことをお勧めします。
そのため、私は時折、経営とは関係のないサブリナさんにまで、コメント欄で『武術』の解説をしてしまい、『芸術』の解説と誤解されることがあるのです。武術は英語では『Martial Art』なので、武術、芸術、美術には共通する要素があり、サブリナさんの指摘も鋭いと感じています。
【サブ】カンガルーは前進のみで後退はできません。常に前進するようにとオーストラリアでは、カンガルーとエミューが国章になってます。
【武智】メルボルンには観光客向けのカンガルー、エミュー、クロコダイルの肉を使ったハンバーガーがあり、全部食べてみましたが、どれも美味しかったです。美味しいので、これらの動物が国章になっているのかと思ってしまいました。ちなみに、アメリカではバッファローが象徴的な動物として知られており、特に歴史的なコインである『バッファローニッケル』のデザインにも描かれています。バッファローはアメリカの文化と自然の象徴で、一時は絶滅したと誤解されていましたが、実際には絶滅していません。現在では、普通の牛肉のように食べることができます。但し、それほど大量には出回っていなくて、珍味のような扱いでした。
【サブ】私もオーストラリアに多く生息してるための国章かと思っておりましたが、前進あるのみの意で、カンガルー/エミュー(同じく前進しかできません)ダブルで国章になってます。
オーストラリアの軍艦も前進あるのみでの意で赤いカンガルーがシンボルマークとなってます。
バッファロー・コイン拝見致しました。裏面の方がザ・バッファローに見えますね🤭
各国のシンボルの言われを知るのは楽しいですね。
【武智】この記事は、武術家として非常に興味深いものでした。中国拳法には猿、蛇、虎、鶴、カマキリなどの動物や昆虫の攻撃を真似る武術体系がありますが、カンガルー拳と、エミュー拳は存在しません。
カンガルー vs 人間のボクサー
そこで武術家が考えるのは、なぜカンガルーとエミューは前進しかできないのかという解剖学的な理由です。カンガルーは強力な脚筋と長い尾を使って跳躍で移動します。彼らの脚は、ジャンプする動作に最適化されているため、後ろ向きに跳ぶことが非常に困難です。関節の構造上、足を後方に動かすのが難しく、跳躍のメカニズムは前進するように設計されています。また、尾はバランスを保つために使われており、後ろ向きに動くとそのバランスが崩れる可能性があります。
一方、エミューが前進しかできない理由は、彼らが大きな体と強い脚を持つ鳥であり、走ることに特化しているためです。エミューの脚は速く前進するために強靭な筋肉と関節の構造が発達していますが、後ろ向きに歩くことは関節の可動域が制限されているため困難です。さらに、後ろに動くと体のバランスを崩しやすくなり、移動が非効率的になります。このため、エミューは基本的に前進する動きしか行いません。
このような条件から、相手が予期できない攻防が可能かを常に考えているのが武術家の性なのです。
【サブ】前進しかできないカンガルーとエミューの筋肉、関節の考察、助言。ありがとうございました。
武智さまの芸術魂もまた、いつも前進でらっしゃいますものね。
【武智】芸術(げいじゅつ)ではなく武術(ぶじゅつ)なのです(笑)
これはかなりツボにハマったので、後日ネタにしてもよろしいでしょうか?
猿、蛇、虎、鶴、カマキリなどの動物や昆虫の攻撃を真似る武術体系は、実際に存在します。ちなみに、以下の糸東流は野呂一郎先生が最初に学んでいた空手の流派です。
野呂一郎先生
糸東流秘伝【白鶴拳】柔らかくも危険すぎる『開手と弧拳』!型分解で学ぶ!白鶴拳の真髄
五形拳は、虎、鶴、蛇、豹、龍の動作を基にした拳法です。また、猿の動きを真似た猿拳やカマキリの動きを取り入れた螳螂拳も実際に存在します。
少林五形拳
武智倫太郎が語るプロレス論
ビンス・マクマホンは、プロレス業界の巨人であり、優れたビジネスマンとして知られています。彼が創設したWWE(ワールド・レスリング・エンターテインメント)は、単なるプロレス団体にとどまらず、スポーツとエンターテインメントを融合した国際的なメディアブランドに成長しています。この成長の背景には、彼の大胆なビジネス戦略があるのです。
まず、ビンス・マクマホンのビジネスマインドを理解するためには、彼がプロレス興行以外でも多岐にわたる投資を行ってきたことに目を向ける必要があります。例えば、彼は一時期モザンビークのビールブランド『M2』のオーナーだったこともあり、プロレスに限らずグローバルな視点でビジネスを拡大することに長けています。
また、エンターテインメント業界における彼の画期的な発想を示す例として、2007年の『トランプ vs. マクマホン バリカンマッチ』が挙げられます。この試合では、現実世界の影響力ある人物であるドナルド・トランプと対戦し、敗者が頭を剃るというユニークな条件を付けて大きな話題を呼びました。これにより、WWEは全米の注目を集め、ビンスのエンターテインメント業界における地位を確固たるものとしました。
プロレスを理解する重要性
プロレスは、単に力と技術のぶつかり合いを楽しむスポーツではなく、ドラマとエンターテインメントの要素を通じて観客に物語を伝える手段です。プロレスの試合は、登場するレスラーたちのキャラクター性やバックストーリーが大きな役割を果たし、観客は試合の勝敗だけでなく、感情移入できる物語を楽しむことが求められます。これを理解することは、現代のビジネスにおけるマーケティングやブランド戦略を考える上で非常に重要です。ビンス・マクマホンのような成功者が行った戦略は、エンターテインメントとビジネスの境界を超え、プロレスという文化をどう活用すれば人々を巻き込み、感情的な反応を引き出すことができるかを示しています。
プロレスの重要性を理解することで、エンターテインメント産業の広範な影響力やビジネス的な視点を深く学ぶことができます。プロレスは単なる『ショー』ではなく、人々の心をつかむための戦略やブランド構築の教訓を多く秘めているのです。ビンス・マクマホンの成功から学ぶことで、どのようにして人々を巻き込み、ストーリーを通じてブランドを成長させるかを理解することができるでしょう。
武智倫太郎
#MBA #WWE #ドナルド・トランプ #ビンス・マクマホン