家族に伝える経済シリーズ(27):お金と時間が生む価値とは?銀行の基本ビジネスを考える
もとい、話を元に戻してみようか。さっきも言ったけど、利息を払うのがもっともやって考えると、お金って、今の価値と将来の価値で違いが出てくるんやな…つまり、時間が経つことでお金の価値が変わるってことやね。
ちょっと考えてみよか。
今の10,000円が、将来には仕事に使って10,500円にできるとするやんか。そのうち100円を利息として貸した人に返しても、こっちは400円の儲けが出るわけや。悪くない話やろ?
だから、今は手元に10,000円がないけど、貸してくれるなら借りてみよう…って気持ちになるんや。
この「時間の差があることでお金が価値を生む」って考え方を「期間の利益」って言うんや。
もう少し厳密に言うとね、貸した側にとっては、返済期限が来たら10,000円が10,100円になって戻ってくる、つまり、貸すってことは将来、ちょっと多めのお金になって返ってくる価値があるってことやね。
借りる側も、今は10,000円しか持ってないけど、それを借りたことで+100円の価値がついたように思えるんや…ってことやね。
ちょっと分かりにくいかもしれんけど、これは「借りるお金の価値を時間を通して見ている」っていうことなんや。
ちなみに、もし借りてなかったら、そもそも価値の変化はないんよ。今のままやね。でも、借りたことで生まれた400円の利益は、仕事で得た普通の収益って感じやね。
だから、同じ金額なら「今」の方が「将来」より価値が高い…将来は金額がもうちょっと増えんと釣り合わん(この例では+100円やね)…そんな考え方なんよ。
ただ、この価値も時代や状況によって変わることもあるんよ。今の日本やとあんまり大きくないけど、40〜50年前の日本やったら、もっと大きかったんや。
今の日本では少し物足りない気もするけど、理屈としては「今お金を貸せば、将来は利息がついて増えて返ってくる」…って考え方に基づいて、金貸しはお金を貸してるんや。
これが「金融(融資)」の最も基本的な考え方やね。
お金がお金を生む。正確には「お金」と「時間」がお金を生むっていうことやね。
そして、この利息を稼ぐのが銀行業の基本的な商売なんや。
そうそう、わたしたちが「銀行って何してるんやろ?」って思ったときに、まず浮かぶのは、銀行がお金を「預かる」って機能やったりするよな。
次の記事では銀行業について、もう少し話そか。
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