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家族に伝える経済シリーズ(7):銀行が貸し出すたびにお金が生まれる?信用創造の不思議①

以前、IT企業で新入社員の研修をしてたときに、こんな話をしたことがあるんや。たとえば、販売管理システムを設計するってなったら、まずは在庫管理がめっちゃ大事やで、ってことをしっかり理解してもらわなあかんねん。

営業マンが販売管理システムを使って商品をお客さんに売るやろ。その契約内容とか、どれだけ売れたかを管理するわけや。でも、売るモノがちゃんと在庫にないと、そもそも売ることができへんやん?せやから、販売管理システムを設計するときには、在庫管理システムと連携させることが、ほんまに大切なんやって話をしたんよ。

無いモノは売れへん

これはビジネスにおいて、ほんまに基本やね。同じように、銀行がお金を誰かに貸すとき、何が大事か?って新人に質問したことがあってな。
そのとき、ある新人が「お金がちゃんとあるかどうか、まず確認します!」って元気に答えてくれたんや(笑)
普通に考えたら、「銀行にお金がちゃんとあるかどうか、つまり残高を確認できるシステムが必要なんちゃうか」って思うやろ。

無いお金は貸せない・・・?

そりゃ、普通の人や企業やったら、持ってないお金を貸すことなんてできひんよな。無いモノは貸せへんからね。
でも、銀行は違うんよ。銀行は、持ってないお金を貸すことができるんや。貸すときに「お金を生み出す」んやね。

これ、ちょっと驚くやろ?(@_@)

この仕組みを日本語では信用創造、英語ではMoney Creationって言うねん。
「ほんまにそんなことあるん?」って思うかもしれんけど、実際にイングランド銀行のWebサイトにも、この仕組みがちゃんと説明されてるんやで。銀行が貸し出すたびに、そのお金が生まれて、世の中に流れていくんや。せやから、銀行預金が中央銀行が発行する紙幣の総額よりもはるかに多くなるんや。

教科書の説明、ちょっと違うかも?

学校の教科書なんかでは、銀行は預金の一部を日本銀行に準備金として預けて、その残りを貸し出すことで信用創造が起こる、って説明されてるやろ?でも、実はこれ、ちょっと違うらしいねん。

銀行は理論的には、いくらでもお金を貸し出せるんや。そして、貸し出すたびに、世の中に流れるお金の量が増えていくんや。
もちろん、無限に貸すわけにはいかんから、銀行は日本銀行当座預金に一定量の準備金を持っとく必要があるんや。これが、銀行としての基本的な条件やね。

さらに驚くことに、中野氏によると、この日本銀行当座預金自体も、銀行が預金者から集めたお金やなくて、必要に応じて日本銀行が各銀行の当座預金に金額を設定してるらしいねん。これもまた、びっくりする話やね。

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