新卒とベンチャーどっち論争への疑問
よく新卒で入社するなら大企業かベンチャーどっちが良い?と比較したり論争したりする記事をネットで見かけます。
こんな記事誰かが読みたがっているのでしょうか??そもそもなぜこんな論争が成り立つのでしょうか??
この論争は、ベンチャーにしか就活できなかった人の鬱屈した感情と大企業に就職できた人の喜びが混ざりあった無意味なものだと思います。少々長く、まとまりのない文章ですが、読んでみて皆様のご意見を伺いたいです。
大手企業やベンチャー企業の定義についてはあえて触れないことにします。
【大企業について】
そもそも大企業のほうが育成制度や給与、福利厚生の点で勝っています。なので、一般的に新卒は大企業を目指すのが自然です。仕事をしたことのない新卒にとって、この時点で多くの人にとってベンチャーより大企業のほうが選択として良い可能性が高いと考えられます。ただ、大企業に就職したいと考えても実際に大企業に行ける人は限られています。
【ベンチャー企業について】
一方、ベンチャー企業は育成制度は整っていないし、給与、福利厚生なんてものは殆ど無いです。ただ、一般的に経営者の近くで学ぶことができたり即戦力として扱ってもらえたりします。
ベンチャー企業に行くひとは、
①ベンチャーの働き方が自分にあっていると確信している人
②やりたいことが明確でそれはベンチャーでしかできないことだと考えている人。
③ベンチャーにしか受からなかった人
この3つだと思います。①や②の人は大企業、ベンチャー論争の対象にはなりません。はなっから大企業を就活の選択肢に入れてないからです。そして、この論争を最も気にしているのが③の人々です。ベンチャーを目指して就活をしていたわけではないのに、ベンチャーに受かった。そして、倍率の高い大企業には受かりそうもない。さてどうしようと考え、ネット記事を読み漁るのです。
【論争を気にする③の人】
結局この論争に関係するのは、ベンチャーに行くつもりはなかったけれど内定をもらい、大企業からの内定はもらえなさそうな人だけです。そんな人に対して、大企業で働く人が、こんなに大企業は素晴らしい迷ったら大企業においで!と説いている状況です。③のひとは、大企業が給与や育成制度、福利厚生の面で優れていることなどとうの昔に知っている。でも内定を貰えなかったのだ。うるせぇ!大企業が働きやすいのなんか分かってるわ!としか思わないはずです。
逆に、ベンチャーが素晴らしい!と勧めてくるひとは大抵①か②のベンチャー企業を初めから志望していた人々です。③のひととはそもそも人種が異なる可能性が高いでしょう。
この論争の根本的な間違いは、大企業、ベンチャー企業行くならどっちが良い?という前提にあります。③の人々はどちらか選べる状況ではないのです。大企業、ベンチャーどっちも受けてどっちも内定を貰えば、ほぼすべてのひとが大企業に行行きます。三菱商事に内定をもらった人が成長を求めて社員30人のベンチャー企業に行った事例があれば教えてほしいくらいです。
この論争が気になるのは③のような人だけです。③のひとは自分がベンチャーにしか内定を貰えなかったからベンチャーは素晴らしい!大企業はもう古いという情報を得て安心したいのです。ただ、それだけです。ベンチャー企業にはベンチャー企業の良さがあります。それの良さが自分にあっていると強く認識できている人は迷わずベンチャー企業に行きます。一方で、多くの人にとって大企業のほうが良いのは自明です。③の人はそんな現実から目を背けたいがためにこんな論争記事を読むのです。そこにこの論争の存在理由があるのでしょう。
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