まだ知らない世界はワクワクするけど、ビビるよな
私の愛猫は生まれてこのかた、ほとんど外に出たことがない。
3年前に保護猫として引き取って以来、1歩も外に出さずに育ててきた。
たぶん、室内以外に世界があるということは知ってはいると思う。私たち家族は当たり前のように外出するし、時々2階の寝室の窓から外を眺めている。(写真のように)
ただ、彼にとって外の世界は憧れでしかなく、外に出たがることは特にない。
ある日、母が玄関のドアを閉め忘れた。
1時間くらいして気づいた時には、愛猫の姿はなかった。
これほど恐ろしいことはない。
私達の家のすぐ近くには車通りの激しい大きな車道がある。都市と都市をつなぐ一本道で、信号がないためスピードが出やすい。なんなら、私も弟もそこで車に轢かれている。
もし、その車道に出てたらと思うとゾッとした。愛猫は車がスピードを出して走るということを知らない。なんだろうと近づいた瞬間、待ち受けている死にも気づかず死んでしまう。
そんなのは嫌だ。
だが、心配は杞憂に終わった。
大捜索の末、換気扇の裏で丸くなって震えていた愛猫は無事保護された。
彼にとって初めての冒険は、家から半径3mも進んでいない。ただただ大量のノミを持ちかえって、家族を困らせたくらいだ。
それでも、震えながら出した小さな一歩なのだ。(私たち家族は2度と愛猫を外に出さないよう前にもまして厳重体制を敷いている)
さて、私は今年から社会人として外に一歩を踏み出していく。
人生一回目なため、分からないこと知らないことばかりだ。新しい世界は、ワクワクと同時に不安がある。
だけど、外を知らない愛猫でも震えながら一歩を踏み出したんだ。
それを思うと、頑張ってみるか〜なんて思えた。