何でおっぱいを出してるの?~パリ~
こんにちは、フォロワーの皆様、お元気ですか?ヨーロッパ美術さんぽマガジンです。ヨーロッパで見れる芸術をより楽しみたいので、今年から勉強始めます。
今日はパリ、ルーブル美術館にある絵画です。
美術館を訪れると、思わず「どうして裸なの?」と思う絵に出会ったことはありませんか?特にヨーロッパ絵画では、女性が裸体で描かれている場面が多く見られます。今回はその「なぜ?」を紐解きながら、絵画の背景や時代の流れを見ていきましょう。以下のYoutubeの振り返りをしています。
ロマン主義と革命の時代背景
まず注目したいのが、19世紀のフランスで描かれたロマン主義の絵画です。例えば、ウジェーヌ・ドラクロワの代表作『民衆を導く自由の女神』には、裸足で胸をあらわにした女性が描かれています。この女性、実はフランスの「自由」の象徴である「マリアンヌ」と呼ばれる架空のキャラクターです。
この絵が描かれた1830年、フランスでは市民革命が起こり、政治的混乱が続いていました。その中で芸術家たちは、自分たちの感情や自由を表現する「ロマン主義」という新しい流れを作り出したのです。
なぜ裸体が描かれるのか?
ヨーロッパ美術において、裸体は「神聖さ」や「理想の美」を象徴すると考えられてきました。古代ギリシャやローマ時代の彫刻に見られるように、ヌードは人間の美しさや純粋さを表現するための一つの手段でした。
では、ドラクロワの『自由の女神』で裸体が使われた理由は?それは、「自由」という抽象的な概念を、現実の人物ではなく神話的な存在として描くためです。現実の女性を裸で描くのではなく、神話や象徴の中で「裸」を用いることで、自由や希望といった普遍的なテーマを表現しているのです。
ロマン主義 vs 古典主義
この時代、ロマン主義の「感情豊かで自由な表現」は、古典主義の「厳格で形式的な表現」に対する挑戦でもありました。例えば、ドラクロワの絵は、筆の勢いや感情のほとばしりを感じさせる動きが特徴的。一方、古典主義の代表であるアングルの絵は、静的で緻密な描写が際立っています。
この対立は、絵画におけるヌードの描き方にも影響を与えました。古典主義では「理想の美」を追求し、ヌードは完璧さを象徴するものでしたが、ロマン主義では「人々の感情」や「自由への情熱」を表現するための手段となったのです。
美術をもっと楽しむために
次に美術館で「どうして裸なの?」と思ったら、ぜひその背景にある物語を想像してみてください。絵の中の裸体は単なる裸ではなく、時代や社会の象徴、芸術家のメッセージを伝える重要な役割を果たしています。
「自由の女神」のマリアンヌも、その象徴性があるからこそ、多くの人々に愛され続けているのです。
最後に:芸術をもっと身近に
ヨーロッパ絵画のヌードに隠された意図や背景を知ると、美術館での楽しみ方が一段と広がります。「どうして裸なの?」という素朴な疑問を入り口に、ぜひ次回の美術散歩をお楽しみください!