いつだって書くことに救われてきたんだ
朝起きたら最初にすることって何だろうか。私はまずノートとペンを用意して、感じたことを書き出す。そのときの4歳娘は、色鉛筆で何かを描いている。ママと同じことをするのがうれしいらしい。
本当は自分ひとりで書きたいけれど、一緒に起きてきてしまうので仕方がない。それにちょこんと座って何かを描いている姿は、とても愛らしい。娘に書くこと(描くこと)の効能を伝えられるなら、それも良いなと思う。
敏感な性格をしていると、いつもたくさんの刺激を受けていて、それらを受け流すのも難しい。そして良い刺激も悪い刺激も自分に負荷をかけるので、これらを消化するのにたくさんの時間が必要だ。そんな私には「書く」ことが欠かせない。
-
外で働いていたときは、電車で1時間以上かけて通勤する日もあったが、その時間を退屈に思ったことはない(混んでいる時を除いて)。
なぜならずっと書いていたから。いつもカバンに入るサイズのノートを持ち歩いていて、その日にあったこと、それに対して抱いた感情を吐き出していた。
そうすると頭がスッキリして、心が落ち着くのだ。
この手法はエクスプレッシブ・ライティング(筆記開示)と呼ばれていて、自己肯定感がアップしたり、鬱症状が改善されたりと、その効果は科学的に証明されているらしい。
ちなみに私は、そんなかっこいい名前がついているとも知らずに、10年以上も書き続けている。
吐き出すためのノートなので、もちろん誰にも見せられないけど、そこから思いがけないアイデアが生まれることもあるし、自分にとって何が良くて何が悪いのかを知るきっかけにもなる。
モヤモヤしたり憂鬱に感じたりするときはすごく苦しいけれど、そのほとんどは小さな問題がねじれ合っているもの。それらを紐解くために、まずは書き出すのだ。
最近は、何か嫌な気持ちになったらすぐに書くようにしている。これがとても効果的で、穏やかでいられる時間がとても増えた。娘に当たることは、ほぼなくなった。
ノートとペンさえあれば、いつでも自分らしくいられる(逆にないとそわそわする)。
-
こんな感じで何年も書き続けているので、ノートの紙質とペンの相性にはこだわりがある。思い浮かんだり感じたことをそのまま書くとなると、とにかく疲れずにサラサラかけることが重要だ。
最近はあまり持ち歩かないので、ノートは大きければ大きい方がいい。今はA4サイズを使っているが、本当はA3くらいは欲しい……でもそうすると、求めている紙質のものがない。
これを夫に話すと「難儀やな〜」と言って笑っていた。私も本当にそう思う。
とはいえ、これはとても重要な問題だ。合わない組み合わせにすると、「書きにくい」「合わない」「イライラする」と書き続ける羽目になるから。
ちなみに今はマルマンの「スパイラルノート ベーシック(無地)」 に uni の「ジェットストリーム(0.7)」で書いている。どちらも手頃な価格なので、毎日ひたすらに書いている私にはちょうど良い。
定期的に新しいものを試すようにしているけど、まだこれ以上の組み合わせに出会っていない。日によって書く量にムラがあるので、どちらも多めにストックしておくようにしている。
私にとって書くことは、食べるのと同じくらい、大切なのだ。
人は生きている以上、何かを感じずにはいられない。それなのに、否定的な感情ほど表に出すことが難しい。なかったことになんて、出来ないのに。その事実が、私をずっと苦しめ続けている。きっとこれからも葛藤し続けるのであろう。
それでも大丈夫。なぜならいつだって書くことに救われてきたから。ノートの中では誰にも評価されない。裁かれない。何より安全な場所だ。苦しいときには、そんな時間や空間が必要なのだ。
もし、何かに苦しんでいる人がいたら、だまされたと思って書いてみてほしい。少しずつ自分と向き合えるようになれば、目の前の現実も少しずつ変化していくはずだから。