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エンゲージメント調査のよくある勘違い。組織開発の謎

「エンゲージメント調査を活用して社員の成長をさせたい」

実は、こんな話がいろいろな会社の人事の方と話していると度々話題になることがあります。

たいていこのパターンの打ち手をとっている会社は「エンゲージメント」について「モヤっ」としていて上手く行っていないし成果もイマイチだったりする。何故かというと人材開発と組織開発という概念がゴッチャになっているのでどっちつかずの落とし所を選んでしまいがちになる。

そもそも、エンゲージメントとは「組織と個人の関係性」のことです。もちろん企業によって多様な解釈がなされますが、大きくはズレてないと思います。そしてエンゲージメント調査とは、その名の通り「組織と個人の関係性を測る」ことなのです。

ここで間違えやすいのが「何の状態を測るのか」ということです。当然、エンゲージメント調査=従業員意識調査とも呼ばれていますので、従業員の意識を確認していることに間違いありません。そうすると、

「従業員個々の意識傾向から若手の学習意欲が低いので、新しい教育コンテンツを追加しましょう」

という流れになる。実は大企業でもこのパターンが非常に多いだが、これでは人材開発になってしまうのです。

ちょ、ちょっと待ってください。

この調査の主語は「個々の従業員」ではなくて実は「組織」なんです。だから「従業員のメガネを通じて組織の健康状態を測る」のが目的なんです。

そういう観点で見てあげるとずいぶんとやるべきことが変わってくるんですよ。例えば同じ「成長」を課題としていても、個人の成長ではなくて組織の成長という見方をすると①良質な仕事を得て与える、②組織の一体感を醸成する、③ダイバーシティの知見を活用するなどなど、異なる角度からの打ち手が見えてきます。これが組織開発というものです。

ここで良くある失敗は「組織の風土を変えましょう祭り」を始めて、ひたすら盛り上げ隊の皆さんが数々のイベントを仕掛け始めるやつです。たいてい「人材系」や「広告系」コンサルにお願いするとこんな感じになってしまいます(笑)

もちろん、これでも良いのですがお互いお祭り疲れになって終わってしまうという結構悲しい結末を迎えることになります…

あくまでも組織開発は「算数」、特に統計学を使ってマクロ組織論として成立させてあげることが大切です。そのためにはエンゲージメント調査からの「個人の動機づけ」といった一見ミクロ組織論的なアプローチに引っかからないようにして、マクロ組織論へつなげてあげることが重要なことなんです。

この話を始めると長くなってきますのでまた次回にさせていただきます。


今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。

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