「ロッテリア」買えるんなら僕が欲しかった…ロッテはどこに向かう
僕が子供の頃初めて食べたロッテリアの「チーズバーガー」。当時の僕にとって180円もする高級品で「こんな美味しいものがあるんだ」ってくらい感動しながら食べたのを覚えています。
今もあまり価格が変わっていない気もしますが…
気がつけば昨年ロッテから牛丼でお馴染みのゼンショーに身売りされてどうなることかと思ったけど、最近は新メニューもジャンジャン出てきて好評なので、△5%くらいだった赤字体質もトントン以上になっていると思います。恐らくウェンディーズで培ったノウハウが仕入れやメニュー開発にも生きてきていると思います。
そういえば、ロッテといえば今から80年以上も前。創業者の重光武雄さんは18歳で、韓国から裸一貫で日本に渡り、日本トップクラスの菓子メーカー「ロッテ」を築き上げ、その利益で母国に投資し、韓国第5位の大財閥ロッテグループを一代で築き挙げたのです。
意外に知られていないのですが本社のロッテホールディングスは歴とした日本の会社で、韓国ロッテグループはその子会社なんです…
その後、経営陣のクーデターによる経営権争いで長い間ゴタゴタしていたようですが、最近はようやく落ち着いてきて、お得意の多角化経営に励んでいるようです。
何せ代名詞でもある「お口の恋人」と言うだけあって「ガム」の国内市場シェアは6割以上の独占状態なのですが、この20年でガムの市場は半減。キシリトール以外のガムはほとんど見かけなくなってしまった。まあ確かにガムって噛むだけで効率的にエネルギー吸収出来ないし、最近ゴミ箱がないので廃棄物処理にも困ったりするんですよねぇ…
そうすると祖業の「ガム」からチョコレートやアイスクリームに広がって、コージーコーナー、さらには球団、ゴルフ場、不動産、金融と事業のコングロマリット化が進む。近年ではCVCを設立し、AIスタートアップなどへの出資も積極的に行っているところ。
いわゆる教科書的な「両利きの経営」ってやつを追い求めている気がします。菓子類以外のロッテが参入すべき新市場を探索、新商品を開発しテストマーケティングを実施、上手くいったら本格的に参入するという一連の流れをイメージしているのでしょうか。
競合の明治やグリコが「食」「おいしさ」「健康」を軸に菓子事業を強化しているのとは、だいぶ方向性が異なっていて、「どこに向かうんだロッテ」って感じがします…
きっと教科書的にいえば、BtoCのコングロマリット企業の課題は「顧客データ活用」だと思います。複数の事業を顧客データで繋いでライフタイムバリューを最大化する、いやしたいはず…
なぜなら、これまでのようなマスに訴えかけられるテレビCMの効果が無くなってきて、あらゆるメディアとの情報接点を作るのに必死なんだと思います。まあ、これだけいろいろな事業をつなげるのも大変そうですが…
でも、接点を増やすよりももっと大事なことが…
たぶん、その答えはロッテリアにあったと思います。チーズバーガーを味わいながら自分の時間を過ごす場。それが顧客価値でもありロッテブランド構築への大きな役割にもなっていたと思います。メディアとの情報接点が多様化している今だからこそリアルな体験価値は威力を発揮するのです。
マクドナルドでさえハンバーガー事業はずっと赤字でやってきています。それでも高い収益性を誇っているのは秀逸なビジネスモデルとブレない事業戦略です。もしも僕にロッテリアを買えたなら絶対に手放さない、とたぶん思う…
まあゼッテリアにも変わらなかったし、美味しいからどっちでもいいか(笑)
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました。