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きっと地球は熱でうなされている
「最近、地震多くない?」
「また、台風が来るんだって…」
「なんか、年々暑くなってるよね…」
今日も友人たちとのLINEでこんな会話が飛び交っている。たぶんだけど、この手の話は何十回目の話題なのかもわからないし、当然このやり取りの結果、僕らの何が変わるわけでも無い。
それでも一つだけ分かっていることは、僕たちが快適に暮らそうとすると、その分地球の「何か」が変化しているということだ。もちろん僕たちにはそれが何なのかわかる術もない。
だからといって、この便利な生活は誰も手放そうとは思わない。だってちょっとくらい暑くてもエアコンのガンガン効いた涼しい部屋の中にいれば平気だから…
それでも人間が作り出した、目に見えない「二酸化炭素」という廃棄物は少しづつ地球を蝕んでいるような気がする。きっと100年後どころか、明日にも地球が酸欠気味に怒って暴れだすのかもしれない。
……気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると「1.5度の気温上昇」は温暖化の影響が人類に深刻な影響を与えるかどうかの「境界」とされている。
どうやら、僕たちは断崖絶壁の「東尋坊」の前で優雅な食卓を囲みながら会話を楽しんでいたようだ。
そういえばこの夏、家の前にある紅葉の木が枯れていた。10年程前に植えて順調に成長してきたのに、とうとうこの猛暑は越せなかったようだ。それでも、この紅葉はこれまで僕に美しい四季の移ろいを感じさせてくれた大切な思い出の一部だった。
もしも、200年以上前の産業革命の時代に戻れることが出来たなら、僕には何が出来たのだろうか?
はるか未来からきた僕は、必死になって産業革命を止めようとしたのか。
きっと、石炭がゴウゴウと音を立てて燃えるところを見ても何もしないだろうし、まして自分が未来を変えるなんて出来るわけがない。しかも、過去に戻ることなんて到底現実的な話ではないから。
それでも僕たちは、100年後の未来の人たちへ警鐘を鳴らすことなら出来るはず。今、リアルに感じているこの変化を克明に伝えていけば、未来の誰かが手遅れになるギリギリ一歩手前の地球を救ってくれるかもしれない。まるで、僕たちも「地球防衛軍」の一員になった気分で…
僕たちの快適や便利の追求はここまでにしよう。今は地球が熱でうなされているから、ちょっとだけ寄り添って声を聴いてあげる時。
「なんだか今年は、いつもよりちょっと蝉の声が大きいような気がする…」