そごう・西武、とうとうストライキ。そして売却。。
とうとう売却されちゃいましたね。。。
大手百貨店でのストライキは、1962年5月に当時の阪神百貨店で実施された以来、61年ぶりとのことです。
ちなみにストライキって聞いてすごく珍しいみたいにニュースに書かれていますけど、毎週くらいのペースでどこかでやってはいるんです。実は。
それでも、ストライキの実施件数は1974年の9581件をピークに減少していき、1991年に3桁台へ、2009年に2桁台へなっていき、2022年は65件でした。
ちなみにドイツなんかは結構頑張っていて、この10年くらいで10倍の年間1,200件程に増加しています。ドイツは産業別労組なので組合として機能しているのだと思います。
それにしても、百貨店業界は厳しいですよね。
そごう・西武は2019年2月期に最終利益で3.3億円を出したのを最後に、2023年2月期まで4期連続の最終赤字です、さらにずっと前から赤字体質だったのでグループからしたら完全に不採算部門になっていたと思います。
それでも今回フォートレス・インベストメント・グループに2000億円以上で売却したのですから経営者は良く頑張ったと思います。しかも、そごう・西武には3,000億円もの負債がくっついていますのでなかなかこの条件は買収側にも勇気がいると思います。
最近は、投資家の方から株主のセブン&アイに対して、コンビニ事業への集中を強力に求めていた感じだったんでグループの採算を求めるとやむを得ない判断だったのかと思います。
今回の売却で、ある意味大家とテナントがひっくり返るようなもので、今度は、そごう・西武が運営先のヨドバシカメラのテナントになっちゃうんですよね。でもちょっと、池袋駅周辺は家電量販店飽和していると思いますが、、、
確かに今回の身売りの話は、労組としたら面白く無いし、雇用の不安も残ります。でもストライキにまで発展した要因としてはコミュニケーション不足があると思います。
「売却後の雇用について明言されず、ここまでもつれた」
こんなニュースが流れていましたが、ホールディングス会社の難しいところですよね。そもそも、話を進めているセブン&アイは直接の使用者ではないから団体交渉するのはなかなか微妙だし、そごう・西武に求めても計画を知らされているわけないし、、、
確かに上手くいかないよなあ、、、
正直、発表された後にストライキをやる意味ってなんだったんだろうって思います。
少なくとも、決定が覆ることは無い決定事項とわかった上でのストライキなので、「社会への認知」が最大の目的だったと思います。
「そごう・西武にはこんな問題が起こっています、だから、私たちの声を聞いてください」という「怒り」を取り上げて欲しいのだと思いました。
確か多くのYoutuberが、ネットで配信して炎上していましたが、ある意味大成功だったのかと思います。
これだけ有名になれば、ファンド側としても安易に雇用に手をつけることはやりにくくなったと思います。
こうして1年以上にわたる売却劇は幕を閉じましたが、根本的な問題は何一つ解決されていません。
百貨店業界は1991年の売上9.7兆円をピークに、半分ほどの売上に落ち込んでいます。この出口を見つけないことには従業員に明るい未来が訪れることはありません。
池袋本店はいつもデパ地下は混んでいますが、4階以上のブランド、高級品あたりは結構空いています。
従業員と共にしっかりとお客さまの声を聞き、もっと消費者のニーズに応えられる店舗にしていかなければ本当に明日はないのかも知れません。
いつか、「東口が西武、西口が東武」と呼ばれる日が戻って来ることを願っています!
ガンバレ、そごう・西武!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。