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詩 【最愛の暴力】

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あなたの美も愛も

自立している

.

わたしがあなたに感じる

あなたの美しさも

あなたのなかの愛も

わたしのものではなく

あなたのものでしかなく

あなたの中で

自立している

.

その美しさや愛について

わたしは何もできない

.

あなたがわたしと関わることで

その美しさや愛に

何らかの変化があったとしても

その変化を起こしたのは

他ならぬ

あなた自身なのだから

.

わたしは自分の心を扱う作家であり

あなたの心を扱う作家では、ない。

.

わたしが

わたしの言葉に認める権利は

わたしを操り

変える権利であり

あなたを変える権利を

わたしはわたしの言葉に与えていないし

与えようとも思わない

.

わたしが好むのは

あなたの中にいるわたし

ではない

.

あなたの中にある

あなたの愛や美しさだ

.

それらはわたしの愛をあたため

わたしが隠した宝石をわたしに暴き

磨き 

輝かせてくれる

.

でも

その宝石を磨き

輝かせるのは

無自覚であれ

無意識であれ

他ならぬ 

わたし自身であり

しかし同時に

この宝石が

わたし以外に輝くには、

文字通り

自分以外の誰かの中で

輝やく以外に、ない。

.

あなたの視線なくして

あなたの中に

わたしの宝石の輝きを宿す手段は、ない。

.

あなたのどんな武器でさえ 

わたしの美しさや愛を

傷付けることはできない

考えていた

.

しかし

誰かがわたしを許した

誰かがわたしを愛した

.

それらは

最愛の暴力として

わたしにふるわれた

.

一方的に

愛された

一方的に

許された

.

その愛に削られて

わたしのダイヤは

輝きをました

.

そしてわたしは

わたしに

変わった

.

.

.

だから

想像することを

わたしは

やめたくない

わたしでないもののことを

想像することをやめられない

.

わたしはそのために

詩を武器にして

あなたのことを

想像する

.

詩の中で

わたしはあなたになり

それがわたしを

わたしに変える

.

そうすることでしか届かない種類の

想像の仕方や

そうすることでしか

言葉にできない

愛だって、ある。

.

だからこそわたしは

わたしの美しさを保つこと

わたしに課す

.

大概それはうまくいかないが

氷の大地の上に

決して消えることのない

焚き火の火種があり

誰しもその火種を

思い出すことさえできたら

きっと大丈夫なんだと思う

.

あなたの美しさや

あなたが与えてくれた愛を

わたしはその焚火にくべ

あなたがくれた

愛が燃え

やさしさという

ほのかな炎にかわる

あなたの愛を

わたしが愛するほど

その炎は

熱を

増した

.

わたしはあなたの美しさを愛している

,

その愛は

わたしの中で自立し

あなたの愛と

対話したがっている

.

より大きな炎として

燃え上がりたいと思っている

.

永遠のいのちを宿す

火の鳥のように

翼を広げたいと 

感じている

.






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