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即興小説『タイマン走馬燈』1-3

『BB』に向かう、塾帰りの電車の中、さっきコンビニで買ったそのゲーム雑誌のインタビュー記事を読みながら、少年の好奇心が、ふと立ち止まる。

「これって『ババ抜き』じゃなくて『大貧民』じゃん!」

そう思っていた矢先に次の一言が来る。インタビュアーが同じように、いつものごとく『ミクロモアイ』に突っ込んだから。

「この掛け合いって一緒のパターンだよな」

このゲームプランナーの、こういったそもそも論の凡ミスは、インタビュー記事が掲載される事に毎回お約束のように展開されていた。

つまり少年の好奇心が別の方向に芽生えていた。

「再現性があると言う事はゲーム性が生まれていると言うことでありそれは最早バグではない」

そう、当の本人である『ミクロモアイ』がいつか、違うインタビュー記事で言い切っていたから。

それに気づかれた矢先に、まるで先読みされていたかのように、『ミクロモアイ』が続けた。

「あ、大丈夫です! タイトルを表向きにするなら、つまりは『愛情大富豪』なわけですから、それはゲームの目的というか、ゲームをやりながら気づいてもらいたいことなのでタイトルにはしませんし僕のレーベル、オキシトシンエクスタシーカンパニー『隕石の劒』の仕事じゃないんです」

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つまりはなぜ、『ババ抜き』なのか?、少年の思考がそうひらめいたとき、同時にそうインタビュアーが質問する。

あ!

「そっか!『わからないこと』が増えれば増えるほど、逆に『わかる』と言う、『閉ざされた貧しさ』を別のものに変えることができる。つまりこの、『愛情ババ抜き』で、『互いに何を引き合っているか?』と言うと、『そっち』。『互いの貧民性が結果常に裏側で抜きあわれているジョーカーゲーム』、そういうことなんですね!」

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「はい!それが誰かと向き合って対話をするための架け橋としての言葉、自分の好きな言葉の使い方だと思ったんです。だから絶対的に固定された価値観とかは好きではなくて……。できるだけ柔軟に形を変えることのできる言葉、そういうものに意識を馳せたくはあるんですけど……何かを避けることもまた、1つの固定になってしまうような気もするので、とにかくうつりかわりゆくそれを楽しみつつやっていくのがこの『愛情ババ抜き』なのかなと思ってます」

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#音声入力による即興朗読

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ポエレーベル/即興詩人 AI UEOKA
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