即興小説『タイマン走馬燈』1-1
太陽フレアが爆発したことで、歴史上最も巨大な停電が数年間決定づけられた。世界規模で見ればまだわずかだった自家発電設備や、蓄電された電力、それ以外の電気機器が一斉に太陽によって虐殺されたかのように見えたが、それは丸出しの人間、そのもののように、思えただけ。
人が人としていかに生きるか?
その、自由の使い方について自ら考えなければならない、そんな生活が世界中で余儀なくされてしまったかのような数年間。
この物語を、ここからはじめてみたけれど、最初に言っておくならこれは、この小説の、終盤の出来事である。
たとえ本当は、その太陽フレアの爆発が実際に起きてなかったとしても、世界中で大規模な停電は起こせるし、実際にそれが起こったのだから、それをそう定義づけて多くの人に信頼させることもできた。
そんな時代の物語。
一般的に広く使われていた電気網を使ってそれを伝えることができない5年間であろうとも、人の手元には、あらゆる形でそれを伝える手段が多少なりとも残っていたのだから……。
その実際の部分、その真実について語り出すのは、この小説の多分中盤あたり。
どちらにせよ、もう少し過去から、この小説は動き始める。
東京の西にある、90年代のごくありふれたゲームセンター。
火星を舞台にした格闘ゲームに熱中する少年たちの姿。
ある日一人の少年が神隠しに合う。
対戦ゲームでありながら対戦台に座らず、独り黙々とコインを突っ込み、淡々と敵を倒す、1Pモードで、通常ありえない秒数で12人の敵をダイヤモンドダストした瞬間、その少年にそれが起きた。
目撃者はいなかった。
彼はそこからいなくなった。
残されたゲーム画面には、彼が打ち出した信じられないタイムレコードと、誰にも見たことがない赤い星の映像、誰かがポツリと呟いた
「火星」
の映像だけが写し出されていた。
その上で、
ラストだけ伝えておく。
どんなことがあろうとこの物語はハッピーエンドで終わる。
どんなことが起きようともこの物語をハッピーエンドにするであろう登場人物しかこの物語に登場しないわけではないけれど、その中心となる数人は、その志だけは、失わない。
いや、
時折失ったのかもしれないけれど、それを別の誰かが、掬い上げる形ですかさず何か、アクションを起こした。
自分以外の誰かの為に。
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そんな数年間の物語。
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人類から、
戦争がなくなるまでの、
ほんの数年間
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「人間とは何か?」
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その秘密と、
それぞれの答えを、
ひとつの季節に咲く花のように、
圧縮したかのような……。
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